片雲の風に誘われて

自転車で行ったところ、ことなどを思いつくままに写真と文で綴る。

5/6 古処誠二『いくさの底』読了と孫たちの川遊び

2024-05-06 22:47:41 | 読書

 朝のうちに孫たちが帰ったので午前中から読書。読みかけていた上掲小説をお見終えた。

今回はサスペンスな内容だ。

ビルマに進出してきていた重慶軍を一応押し戻した後の国境近くの村での話。押し戻したはずの重慶軍がどうも再侵入を企てているらしいとの情報で若い少尉の警備隊が派遣される。少尉は7ヶ月前同じ村で警備隊として駐留経験があり、村人とも顔見知りだ。その日以前使用していた宿舎の小屋の整備などをした。その夜半少尉はトイレに行ったところで惨殺される。しかしその事実は当番兵と次の位の准尉と通訳だけで秘される。村民にも知らせない。少尉は急なマラリアの悪化で急遽本隊に戻ったことにする。次の晩は村長がやはりトイレの帰り同じ刃物で惨殺される。これは村人たちに知れ渡る。この二つの殺人事件の解明が話の筋だ。

 7年前の重慶軍との銃撃戦で日本兵3名が戦死している。この責任でこの少尉は本部で謹慎をさせられていた。それが慌ただしく編成された警備隊の隊長になって派遣されてきた。

村の位置は国境に近く重慶軍からの接触もあり、日本軍の力が弱まれば重慶軍に支配される。村人は両方を見ながらそれぞれと接触しなければならない。

殺人の実行者は7年前戦死として扱われていた日本兵だった。当時の銃撃戦は警備隊が銃撃を受けたとして、夜間の危険な道に捜索隊が入ったことにより起こった。実は最初の銃撃は少尉が拳銃を掃除していて誤って発射した銃声だった。それを警備兵が敵からの銃撃と勘違いした。少尉も自分の誤りを隠すために敵の銃撃として捜索隊を出した。そして実行者の幼い時からの友人が戦死した。捜索隊の中では銃撃について、重慶軍の銃声とは違うあれは拳銃の音だと話題になっていた。当然少尉が自分の誤りを隠すために捜索しているとの認識が広がっていた。犯人は友人が戦死した時同じく怪我をして重慶軍の捕虜になっていた。7か月の間に重慶軍に現地語を教えられ、その手先として村に送り込まれていた。戦死者の遺体は二つしか確認されていないにもかかわらず、行方不明になった犯人も戦死とされた。これらが日本軍の所謂「員数合わせ」で処理されたことになる。少尉殺害事件の捜査をするために派遣されてきた本隊の副官は村の様子などから真相に近付く。しかし、日本軍の体面や戦死者の体面でこの「員数合わせ」は続けられる。副官は事件を解明できたのに何もせず、この犯人はビルマ人の中に消えてゆく。

 一昨日海岸の汚い池にエリーが飛び込んだのを見て、もっときれいな川で遊ばせてみたいということで金谷のわっぱざわ親水公園に行った。残念ながら泳げるほどの水位はなく足を浸ける程度だった。

 

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