西京極 紫の館

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モンスター  百田尚樹/著  幻冬舎

2012年05月30日 23時44分42秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった  

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
主人公が女性で、整形手術でまったく別の人間になって、過去の自分に酷い仕打ちをした人間に復讐をする。そんな筋立てであれば、ラストは過去の醜かった自分自身と対決する事になるのは、予想するに難くなかった。その予想通りにこの物語は悲劇的に終わる。しかし、この小説のポイントはラストの意外性ではないのでそれで良い。この小説の見所は醜い少女・田淵和子が整形して絶世の美女・鈴原未帆に徐々に変身していく過程の描写にある。美しくなる為に、がむしゃらに生きるその執念。男にとってはそれが恐ろしい。整形前の顔がモンスターなのではなく、美しくなる為になりふりかまわない主人公の生き方そのものがモンスターなのだ。綺麗事を言う様で恐縮ですが、僕は美人顔よりもちょっとどこかバランスを崩した感じの女性に魅力を感じますが…(^^)

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (KAZE)
2012-05-31 19:22:57
こんにちは

モンスター、私も読みました。

永遠の0のイメージが強烈な百田氏
その後の各作品ごとにテーマを変えるその作風には非常に興味をそそられます。

放送作家らしい読み易さにも、非常に好感が持てますしね。

では週末、富山戦で!
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KAZEさんへ (西京極 紫)
2012-05-31 23:38:26
コメントありがとうございます。

僕も「永遠の0」を読んで感動したので
今作も是非読もうと思った訳でして…
「永遠の0」とはずいぶん違う作風でしたが、
章毎に主人公・和子の過去と、現在の未帆を交互に描く構成はやはり百田尚樹やな~と思いました。
今度は時代物の「影法師」が文庫化されたら読みたいなと思っています。
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Unknown (TOM)
2016-06-20 23:20:27
こんばんは!
拙いブログにお寄りいただきありがとうございました!

実は百田さんは初読みでした。
「海賊と呼ばれた男」と「永遠のゼロ」と迷ったのですが、
タイトルに惹かれてモンスターを手に取ったという感じです。

レヴューを参考にさせて下さい。
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TOMサンへ (西京極 紫)
2016-06-21 21:33:48
コメントありがとうございます。

そうですか、百田さんの初読みが『モンスター』ですか。
僕のお薦めはやはり『永遠の0』ですね。
あと『海賊と~』も面白いです。

百田尚樹という作家さんは、男性が主人公の作品の方が面白い様に思います。
『モンスター』は女性主人公なので、僕的には「そんな女の人いるかな~?」と思っちゃいました。
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