西京極 紫の館

サッカー観戦、映画や音楽鑑賞、読書などなど、
日々のなんやらかんやらを書いてみようかな、と♪

変な家2~11の間取り図~  雨穴/著  飛鳥新社

2024年04月24日 22時41分07秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
あなたは、この「11の間取り」の謎が解けますか?前作に続き、フリーライターの筆者と設計士・栗原のコンビが不可解な間取りの謎に挑む。「行先のない廊下」「闇をはぐくむ家」「林の中の水車小屋」「ネズミ捕りの家」「そこにあった事故物件」「再生の館」「おじさんの家」「部屋をつなぐ糸電話」「殺人現場へ向かう足音」「逃げられないアパート」「一度だけ現れた部屋」すべての謎が一つにつながったとき、きっとあなたは戦慄する!

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
映画化も果たした前作に続く第2弾。前作に比べると構成が凝っていて、著者の作家としての成長を感じ取れる。前作にも増して豊富な図解と丁寧(過ぎる嫌いもある)な説明と平易な文章でとても読み易い。ヒトコワ系のイヤな気分を満喫出来る一作。この手のお話が好きな方にはおススメです。

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アウトサイダー(上・下) スティーヴン・キング/著 文藝春秋

2024年04月16日 22時01分25秒 | 西京極の本棚
     
【紹介文】
平穏な町で起きた、11歳の少年の惨殺事件。ラルフたち地元警察は、複数の目撃証言を得て、高校の教師で少年野球のコーチとしても慕われるテリーを逮捕した。しかし、彼には完璧なアリバイがあることが判明する。自身の潔白を主張するテリー。一方で、異常犯罪への憎悪を募らせる遺族と住民たち。そして、町を新たな悲劇が襲う。(白石 朗:訳)

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
調査員ホリー・ギブニーが活躍するファインダーズ・キーパーズ探偵社シリーズ第4弾にしてキングお得意のスーパーナチュラル要素満載のミステリー。予備知識なく読み始めたのだが、上巻の途中で容疑者が〇〇してしまうなんて…予想出来る訳がない。じゃあこの先一体どうなるんだ?って思ってたらもう下巻は邪悪な異形の者と対決するキング十八番のモダンホラーに。犯罪ミステリーの謎解きとしてはズルい気もするけど、やっぱりキングは面白い。

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A Ω -アルファ・オメガ- 超空想科学怪奇譚 小林泰三/著 角川書店

2024年02月03日 09時10分41秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
旅客機の墜落事故が発生。凄惨な事故に生存者は皆無だったが、諸星隼人は1本の腕から再生し蘇った。奇妙な復活劇の後、異様な事件が隼人の周りで起き始める。謎の新興宗教「アルファ・オメガ」の台頭、破壊の限りを尽くす大怪獣の出現。そして巨大な「超人」への変身  宇宙生命体“ガ”によって生まれ変わり人類を救う戦いに身を投じた隼人が直面したのは、血肉にまみれた地獄だった。科学的見地から描き抜かれたSFホラー超大作。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
明らかに元ネタは『ウルトラマン』の第1話「ウルトラ作戦第1号」。ウルトラマン誕生秘話をグッチャグチャドロッドロのスプラッターなホラー演出で再現しているところが面白い。中盤は怪獣(っていうより『遊星からの物体X』)との戦い、終盤は『デビルマン』のアルマゲドン。58歳で早世した著者と僕は同年代だからそりゃ好みも一致するわなwちょっとオチが弱い気もするけど、特撮モノと怪奇って相性が良いんだよね、ウン。

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掲載禁止 撮影現場  長江俊和/著  新潮社

2024年01月02日 10時20分04秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男と、問い詰める側の間で進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」。その他「ルレの風に吹かれて」「この閉塞感漂う世界で起きた」「イップスの殺し屋」「リヨンとリヲン」など、怖いのに読むのが止められない全八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
8本のエピソードを収録した短編集。どのエピソードも巧みなミスリードと意外な結末が用意されていて、読み終わる度にニヤリとさせられる。では各エピソード毎の一言レビューをば。
例の支店:霊能力者とジャーナリストが訪れた森の廃墟。霊が出現する心霊スポット内で二人は霊の存在の有無について口論を始める。タイトルの意味を読めばオチが…
ルレの風に吹かれて:海外赴任先で行方不明になった友人を捜しにやって来た男は、その国の素朴な生活に魅せられる。男は妻を娶り子供にも恵まれるが…。読み終わった後もう一度最初から読み返したくなる一作。
哲学的ゾンビの殺人:殺人事件の犯人が自首してきた。警察の取り調べで男は「哲学的ゾンビだったから殺した」と主張する。哲学的ゾンビってなんやねん!ってなりましたが、オチはある程度読めました。
この閉塞感漂う世界で起きた:失業し住む家も失った男は、ある豪邸へ忍び込むが、住人が戻って来て…。二度三度とミスリードされて迎える結末がなかなか面白い。
イップスの殺し屋:ある殺し屋は依頼された殺人を果たせなかったが、翌日目的の男は遺体となって発見される。誰が殺したのか?殺し屋の正体は誰か?ちょっと笑えるところは星新一っぽくもある一作。
撮影現場:カリスマ監督の映画撮影に参加するために無人島に集められた役者とスタッフ。監督の指示は役者たちを精神的に追いつめていく。他の7作に比べるとちょっと設定に無理はある気がしますが…。
リヨンとリヲン:青年が連れて来られたその村には双子ばかりが棲み暮らしていた。そしてその村で自分と瓜二つの男と引き合わされるが…。設定が面白い。
カガヤワタルの恋人:芹沢は学生時代の友人・加賀谷からある相談を持ち掛けられるが、それは交際中の女性についてだった。二転三転する展開は予想出来なかった。これも読み返すと「なるほど!」と思わせられる。

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小説版 ゴジラ-1.0  山崎貴/著  集英社

2023年12月21日 21時57分51秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
戦争から生還するも両親を失った敷島浩一は、荒れ果てた東京で単身強く生きる大石典子に出会う。焦土と化した日本を復興しようと人々は立ち上がるが、その前に突如として未知の巨大怪獣が現れて…!! 残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。ゴジラ70周年記念作品となる映画『ゴジラ-1.0』を山崎貴監督が自らの手によって最速小説化!!カラーピンナップも収録。

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆★★★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
まんま映画のシーン構成を文章化したものなので、まずは映画『ゴジラ-1.0』を先に劇場で観てから読む事をお奨めします。その方が脳内でシーンをイメージしながら読めて読み易いはず。反面、映画以上の情報は得られませんので、そこは期待しないように!映画を観た人ならこのノベライズを読んでも泣けますw

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