西京極 紫の館

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関東大震災  吉村昭/著  文藝春秋

2023年12月18日 21時12分01秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
大正12年9月1日、午前11時58分、大激震が関東地方を襲った。建物の倒壊、直後に発生した大火災は東京・横浜を包囲し、夥しい死者を出した。さらに、未曽有の天災は人心の混乱を呼び、様々な流言が飛び交って深刻な社会事件を誘発していく  。二十万の命を奪った大災害を克明に描きだした菊池寛賞受賞作。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
  実用性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
映画『福田村事件』を観て興味を持った一冊。日本近代史で最大最悪の災害として語られる関東大震災についてその甚大かつ深刻な被害の状況を克明に描写。そこから派生した虚報流言によって起こった在留韓国人の虐殺事件、さらには当時問題視されていた社会主義者へのパージの数々。それがやがて軍国主義の萌芽となり、第二次大戦へ繋がってゆく。災害の悲惨さと共に、溢れるフェイクニュースに踊らされる現代人にも通じる人の心の弱さと怖さを思い知らされます。

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