ーー 坊 主 憎 け り ゃ 袈 裟 ま で 憎 い ーー
列島で流行りの剣道や空手試合は、気合や掛け声が終始怒号のように飛び交うが、「うるさい」 と苦情を言う人は居ない。 テニスのマリア シャラボウア はボールを打つ度に大声を出す。 女性テニスで、このような大声を出すのは彼女だけ。それも打つ度に叫 ( わめ) くものだから、「うるさい」という 観衆の苦情が少なからず居るが、日本人は苦情を言わない。 訳は至極単純で、日本男性は、シャラボア にぞっこんだから、 「痘痕もえくぼに見える」為である。
剣道も空手も、そして、シャラボアも、手を出す度に 「奇声」を発する。卓球の張本は、得点をした時に限り「奇声」を発する。 「うるさい」の度合から言うと、張本の方は そんなに「うるさい」ことも無い。 が、彼だけに日本人の苦情が集中している。
ということは、「チョレイ」という掛け声が五月蝿いのでは無しに、他に訳があることがはっきりしている。
張本に関するウエブ記事を見ると、先ず「中国人」という文句が最初に出て、次に「チョレイ」が続き、締めくくりは 「嫌い」、という具合いになるのが 大体、定式になっている。
これで、簡単に分かるが、両親が「中国人」なので、彼は「嫌い」という「嫌中」感情が原点であり、「チョレイ」が五月蝿いというのは、原点を避けた「言い分」に過ぎない。
列島の諺『 坊主憎けりゃ 袈裟まで憎い 』に当てはめれば、非常に分かり易い。
つまり、「中国」が坊主であり、 「チョレイ」は 「袈裟」で、本来なら、憎まれるべき対象でないのに、八つ当たりのような気分で、憎まれるようになったもの。
八つ当たりであっても、憎むに値いするような、らしきこじつけというのが必要で、「五月蝿い」からというのがその主なこじつけにされ、次に、相手を馬鹿にしているというのが続く。
中には、「嫌中」の度合いがかなり濃厚な者も居るようで、「チョレイは、猪の糞である」のに、相手の居る試合で、そのような文句を口にするのは、誠に無礼千万、だから 張本は「嫌い」という極論、曲論まである。
何故、「チョレイ」が「猪の糞」になるか、その訳を知ろうとするなら、話を「卓球」から 「漢方薬」に移さなければならない。
漢方薬に「猪苓」という、利尿・解熱・止渇薬などに用いる薬がある。日本語で「ちょれい」と読む為に、「チョレイ」にこじつけたものであるが、大変なこじつけである。
日本大百科全書(ニッポニカ) の解説によると、ちょれい / 猪苓 とは;
担子菌類、サルノコシカケ目サルノコシカケ科に属するチョ
レイマイタケGrifola umbellata (Fr.) Piltが地下につく
る菌核をいう。猪苓(ちょれい)とは、イノシシの糞(ふん)
を意味する中国語で、形が似ていることからつけられた。
日本でも、岩手県の南部地方では、古くからオニノカナク
ソとよんでいる。
という具合いになっていて、菌核の形が猪の糞に似ていることから、猪の糞を意味する 「猪苓」という名を付けたもので、 猪の糞 そのものではない。
「こじつけ」( 故実け) の意味は、辞書の説明によると、
『意義素類語無理につじつまを合わせようとすること理屈を
並べる・屁理屈を並べる・理屈をこねる・屁理屈をこね
る・こじつけを言う・屁理屈を言う・詭弁を弄する・白を
黒と言いくるめる』
という事で、糞に形が似ているものを、糞そのものだと言い替えるのは、勿論こじつけであり、しかも大変なこじつけである。
事は卓球の試合である。そこまで大変なこじつけまでして、「嫌中」の煽動をする必要がどこにあるのかと思う。日の丸を背負って「打倒中国」を期待している張本を嫌う、ならば、何をして貰いたいのだどうか?
最後に、『ゆとりの卓球世代』の記事 『 張本智和のチョレイの意味!』を下記に引用して、本文の締めくくりとしたい。
卓球をやっている人ならばチョレイの意味がわかるかと思いま
すが、卓球をやっていない人からするとチョレイの意味がわか
らないはず。チョレイという叫び声には意味がなく、試合中に
自分の気分を高める為に出しているもの。福原愛選手を例に出
すとわかりやすいと思うのですが、福原愛選手は「サー!!」
と声を出しますよね?張本智和選手の場合は「サー!!」では
なく、「チョレイ!!」と声を出しているだけなんです。
卓球選手は人によって叫び声が様々。「サー!!」とか「チョ
レイ!!」以外にも「よっし!!」とか「ッシャー!!」とか
色々あります。得点をした時に声を出すことで、自分の気持ち
が高まり、プレイに勢いがついたりします。声を出すことでよ
いプレイが出来る傾向にあるということ。
ただ、張本智和選手は意識してチョレイと言っているわけでは
なく、自然に喜んだ時の叫び声がチョレイとまわりから聞こえ
るだけ。自分が得点した時に自然に出る声は人それぞれですの
で、たくさんの叫び声の種類があることでしょう。
ちなみに自分は「よう!」とか「ッシャ!」とか言ったりしま
すよ!