水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

五月の詩(薺粥)

2021年04月30日 11時00分15秒 | 新年の俳句

                           新緑の県立図書館 8号 水彩(2005年) 

       薺粥

  年越の大雪となり金閣寺   惟之

  伊吹山に雲の棚引く年迎ふ

  表紙絵に賜る祝意初便

  顔に幣付けられ牛の初詣

  古希と喜寿明けてほのぼの薺粥

    誌上句会 兼題「水温む」

  特選

  行く水もとどまる水も温みけり   篤子

  玉川上水口開く鯉に水温む   加代子

  水温む驚き易き稚魚の群れ   三枝子

  川底に雑魚の群れあり水温む   みどり

  古民家の土間に農機具水温む   洋子

  秀作

  池温む主の大鯉現るる    恵子

  賀茂の川水切る子らや水温む   奏行

  鉄橋のレールの響き水温む   清次

  水温む兆しの見えて鯉の跳ね   万智子

  水温む釣師そろりと動き出す   捨弘

  水温む鯉が出てきてすれちがふ  テル

  橋脚に残る赤錆水温む    葵堂

  ゆったりと鯉は岸辺に水温む   まこと

  水温むラジオ体操第三へ    秀穂

  沢音のやはらぐ里へ水温む    翠

     やまびこ(三月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

  残菊の支えられをり吾もまた    惠弘

  その影のドシラソファミレ吊るし柿    憲勝

  鬼灯を鳴らせば還る遠き日日    惠弘

  切株は小春の声を聞くところ    憲勝

  一陣の風のかたちを描く枯葉    治子

  風呂吹き矢ひとひ一日のこころざし    梅子

  三度晴れ三度時雨るる高山寺   清次

  冬耕の人影を追ひ妣を追ひ   東音

  声はすぐ風となりゆく大枯野   鈴枝

  遡上する鮭に朝日の惜しみなく   方城

  若き日の父母の恋文ねむの花    幸江

  一冊の本に誘われ秋の旅    邦弘

  日本海どぼんと釣瓶落しかな    邦弘

  猫はいま夢の最中や毛糸編む    節

  彩のなき野を迷ひたる冬の蝶    泰子

     俳誌 嵯峨野 五月号(通巻598号)より   

 

 

 

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