水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

五月の詩(初太鼓)

2024年04月30日 10時15分14秒 | 新年の俳句

          初夏の由布岳 F8 水彩

   初太鼓

初太鼓東寺の掘に塔の影  惟之

いずこから鳶の笛や初御空

元日の安否確認妻の里

夫つくり妻盛り付けのお節かな

母と子の装ひ新た初手前

    誌上句会 兼題「立春」

特選

立春の日の斑の踊る海鼠壁  洋子

朝の脊も伸ぶる老ひの歩春来る

立春や第一コーナー馬なりに

秀作

立春や捻日をを廻して鳴る時計  紀久子

立春や百回目指してスクワット  敏子

立春や関守石に日を宿し  幹男

立春のひかり石くれにもとどき  みどり

入選

すぐそこに立春見へて足踏みす  博女

立春の魚拓取る墨匂ひたち  三枝子

白だしの煮物の照りや春立ちぬ  米国

湖に吹くトランペットた春立ちぬ  惟之

立春や朱印の美しき火伏札  藤子

生き物の皆ざわざわと春立てり  悦子

立春の浅瀬に宿る光かな  文夫

立春と言へど難儀や能登の里  克彦

天窓に日の広ごりて春来る  信義

立春のひかりとなりし渚かな  靖子

立春や補助輪取れて風を切る  廣平

立春の名のみばかりの北大地  泰山

玄関の明るさに知る春立つと  稔

立春や芝焼きを見る高校生  祐枝女

立春や豆を啄む鳩の二羽  翠

始りはバッハの調べ春立ちぬ  ふみ女

立春や隣に越し来若夫婦  秀子

立春の消へぬ飛行機雲ふたつ  啓子

立春や山の寝覚めに遅速あり  秀輔

立春や湖上ゆつくり観光船  靜風

立春や浄心門の千社札  三郎

春立つや開かずの扉開く音  鈴子

そちこちに響く槌音春来る  洋子

立春のしずくを飛ばす水車かな  倫子

ポケットにワイド文庫や春来たる  歌蓮

立春の灯台だけが違ふ色  博光

立春大吉掲げし寺の外柱  珠子

立春や使ひ初めの御朱印帳  知恵子

立春や朝の紅茶をゆつくりと  美代子

立秋の音は竹林走る水  つとむ

    やまびこ(三月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

父母のしらぬ傘寿や暮れの秋  仙命

まだ成せる事のあるはず天高し  啓子

小雪や久しく鳴らぬ黒電話  海男

父と子のあのねの話初冬の湯  良精

老ひて尚学ぶことあり今朝の冬  俊江

ただならぬ世を生きぬいて着ぶくれて  爽風

太陽に愛され痩せて吊るし柿  みどり

うたた寝の夢をつなっげて冬ぬくし  利里子

なほざりの庭も厭わず石蕗の花  和江

短日や午後の仕事が走り出す  ひさ女

    俳誌嵯峨野 五月号(通巻第634号)より

 

 

    

 

 

 

 

   

 

 

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