MBAで教える「交渉術」

MBA留学先での「交渉」の授業内容を配信。といっても最近はもっぱら刺激を受けた本やMBAについて。

ベストセラーを書く方法

2005-12-12 | 雑記
掲題のような本をみつけて読み始めました。
アメリカのロマンホラー作家(ベストセラーだしまくり)のディーン・クーンツが80年代に書いた本です。
日本だとスティーブン・キングの方が有名でしょうか。

クーンツの小説は結構好きでよく読むんですが、今回こんな本が出ていると初めて知って、興味をひかれました。
何より目を引かれたのが、書き出しの部分。

「ベストセラーを書く方法なんて、もって生まれた感性だから教えることなどできない。
多くの作家はそんな風に主張する。
私もそれを完全に否定する気はないが、それでも才能ある若い書き手が苦労する時間を少しでも縮めて、一刻も早くまだ生まれないベストセラーを世に出す助けはできるのではないか。
それがこの本を書こうと思った目的だ」

こんな感じのことが書かれています。
面白いと思ったのは、「ベストセラーを出す」など、非常に感性が重要だと思われがちな分野でも、とにかくハウツーを打ち立ててしまおうとする点です。
この辺りはアメリカ社会の特徴かもしれませんが、とにかくハウツーが多い。
フォード生産方式も思想的には同じかもしれませんが、とにかく

-どんな馬鹿でもこれさえ読めばそこそこできる

という標準化・明文化を徹底するのがアメリカの特徴であり、強みでもあると思います。
日本の生産現場でも「これだけは守れ」という暗黙のルールが強烈に現場を支配していることはありますが、それでもある種のルーズさというか、

-ルールはこうだが、何か気付いたことがあれば少しルールを曲げて追加するように

というフレキシブルさを同時に追求しているような気がします。
「本当に大事なことは各人の頭の中にある」というか。

こんなことが気になったのも、「交渉術」など、まさに人それぞれの感覚が問われる部分をアメリカ的にハウツーにしたものだなと思うからです。
あいまいで感覚的なことを明文化し、とにかくその通りやれば馬鹿でもそこそこできるようにする。
結果として全体の平均が上がってくれば、昔のハウツーが「常識」化してしまうので、本当にできる人間はさらに進んだハウツーを考えて世に出す。

こういうサイクルを繰り返しているのがアメリカな気がしますね。

(この話続く)


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