昨日7/18に indigo la endのワンマンツアー「ナツヨノマジック」に行ってきました。
自分の中ではサウンドや見た目的にDIR EN GREYやthe GazettEとは最も遠く離れたポジションにあると思っているんですが、きっかけは「瞳に映らない」という曲をラジオのパワープッシュで聞いたことです。何故かスッと入ってきたんですよ。一番はメロと声だと思いますね。セツナ系でポップで、それでいてキャッチーっていう。僕の中にどストライクで入ってきた感じでした。その後名前だけ知っていた「ゲスの極み乙女」のフロントマンと同一人物であると知って、まあそんな話題性もありつつで過去の作品も聞くようになったわけです。特に「さよならベル」「名もなきハッピーエンド」「瞳に映らない」は自分の中でベスト3に入っていました。
そんな彼らを知った時にはDRUM SONのライブがソールドしていて行けず、春のLOGOSのライブも諸事情で行かず。今回Zepp Fukuoka公演でついに参加することができたわけです。去年graf~SONでしかワンマンしていなかったバンドのようで、大体Be-1かLOGOSといったところで定着することが多いのですが(Sadieやlynch然り)それがこの一年でLOGOS~Zeppまで急激に規模を拡大していった稀有なバンドだと思います。「ゲスの~」のファンだった人なども集まるようになって相乗効果もあるとは思うんですが。バンド業界ではまさに大注目ニューカマーと言って過言ではないでしょう。次はもう市民会館とかサンパレスあたりまで行くかもしれないなと。Zeppなくなるし...。
入場整列の時に灼熱で去年のDIRのGAUZEのツアーを思い出しました。でも今回は黒い人が少なくて、なんか健康的だなあと思いました(笑)ちなみにヤフオクドームではミスチルがドームコンサートやってたそうです。メンバーも行きたいなあ でも明日北海道だからいけないと心の底から悔いているような表情をしていましたね。
SE
1.瞳に映らない
2.夜汽車は走る
3.花をひとつかみ
4.さよならベル
5.ワンダーテンダー
6.渇き
7.billion billion
8.まなざしの予感
9.実験前
10.スウェル
11.染まるまで
12.心ふたつ
13.幸せな街路樹
14.悲しくなる前に
15.夜明けの街でサヨナラを
16.緑の少女
17.名もなきハッピーエンド
アンコール
18.忘れて約束
19.夏夜のマジック
演奏はメンバー4人+サポートのコーラス2人という6人体制でした。「瞳に映らない」というキラーチューンから始まって、「夜汽車は走る」とindigoっぽいナンバーを演奏して、「花をひとつかみ」で変化球を見せたのちに「さよならベル」でいったん会場を沸かしてブレイクを挟むというミディアム~アップテンポ寄りの代表曲で堅実に掴んでいったと思います。えのん氏やカーティス氏が黙々と演奏する中で後鳥氏は笑顔を絶やさずリズミカルに演奏していって対照的だなあと。見事にドラマーが僕の位置からはえのん氏に被ってほとんど見えませんでしたね。MCを聞く限りバンドのお笑い担当みたいな感じですかね。パワフルなドラミングを披露していました。
MCではミスチルネタと幾つか話して(フットサルとかカバーするときの著作権の問題とか新ドラマーのかぶせとか)「ワンダーテンダー」とまた沸かせます。そして熱が浸透した中で新曲の「渇き」。照明演出が見事で複数の色彩の照明が次々に斑に照らされる中でのリズムパターンの独特さが目立った曲です。そこから混沌とした雰囲気に徐々にモードが変化。「billion billion」「まなざしの予感」そして「実験前」に突入すると、その混沌としている部分を吐き出すかのごとく暴れまわるメンバー。ギターをかき鳴らしたり頭を振りまくったりとアグレッシブさで言えば一番だったです。ここはオーディエンスも圧倒されているような印象を受けました。僕がこのバンドが好きなのは、ゲスの~の華やかさやマテリアル多彩よりも、ストレートなバンドサウンドが好きなほか、こういう混沌、悶々とした影のある印象を受ける楽曲がどのアルバムにも収録されていて、綺麗な部分とその大局的な部分、もっというと曲を作っているえのん氏の心の表裏みたいなものを表している気がするからです。
このブレイク中1人女性がセキュリティに運ばれて行きました。少し心配でしたね...そんな空気を和らげるために長めにMCをしていました。ドラマーとの掛け合いですかね。でも密入国はないでしょう...。あとツイッターにも載せてた話だけどと前置きして、「映画館で並んでいる時に1人で待ち時間に携帯ゲームしていたら、後ろの2人組の女性陣に待ち時間にゲームしている彼氏とかあり得ないといわれて、いやお前の彼氏じゃないし」と突っ込みながらも、「ごめんね」と言っていました。相当気にしていたんでしょうね。後に「少し懐かしい曲を」と言って「スウェル」「染まるまで」「心ふたつ」「幸せな街路樹」を演奏。曲が全部切ないんですよね...。「幸せな街路樹」ではエンドロールをコーラスに任せながら音の洪水の如くのサウンドの中で体を使って激しく動き回りながら演奏していくメンバー。一番のハイライトだったと思います。
この後のMCでは「幸せが溢れたら」が出来て以降の変遷について振り返っていました。あの時アルバムが出来て一つやりきった感があったけど、そのあとドラマーが脱退してサポートをしていく中で、今アルバムの曲を演奏しているのは事実だけど、その音源を完成させた人間で演奏することは出来なくて、当時演奏していく中で葛藤があったけど、このツアーを回っていく中で今の自分たちを受け入れられているという実感を得ることができたと述べていました。「新メンバーになって新しい音源は3つしかないけど、これから先も...」という話の後、新曲の「悲しくなる前に」を演奏。
そのあとは「夜明けの街でサヨナラを」「緑の少女」そして「名もなきハッピーエンド」と代表的なアッパーチューンを披露して本編が終了しました。
アンコールで出てきたえのん氏はカーティス氏との話をしていました。ギタリストで性格も似ていて自分を見ているようで、当初は何処となく馴染めず、バンドはするけれども自然と口を聞くことは少なかったと...。なんとなくingidoやりながらゲスの~を始めた理由みたいなものを察した感じがしました。そんな2人が今オリジナルメンバーとして残っていて、今では普通に話す仲であるというのは素晴らしいことだと思うし、そのあたりを包み隠す話す人柄からしてもきっと繊細な人なんだろうと思ったり。ゲスの~と違ってメンバーが変わったり、人間関係も色々あったはずだし感じたことは多々あったと思います。言葉にこだわりを持っているのは、そのあたりの人柄にあるのかもと。
そんなエモーショナルなバンドは新曲を披露。終盤にかけてのコーラスが印象的な楽曲。そして最後はえのん氏のハンドマイクを使っての「夏夜のマジック」。この曲は毎回やるというよりこの夏の時期に欠かせないナンバーになるのかなと思いました。この1曲がライブの雰囲気全てを作ってくれたと思います。何度もステージを右往左往しながら「歌わせて」「歌わせて」と繰り返すえのん氏の表情が切に入っていました。
華やかさというより潔さが全面に出たライブだったと思います。北海道までお疲れさまです..。また行きたい。