特に書くこともないので、ここ何か月かで色々映画に行ってきたので超個人的な感想でも書き連ねようかと思います。
クリーピー 偽りの隣人
西島秀俊×香川照之で「MOZU」で名コンビだったダブルキャストの2人が、今度は合間見える大学教授×サイコパスという構図でどのようにぶつかり合っていくのかを個人的に楽しみにしていたサイコサスペンス。奇妙な隣人がいて実はその人が...みたいな巡る巡る狂気に巻き込まれて行くというお話ですが、後で原作読みましたが予想通り映画が話をすっ飛ばしていていて、監督が原作で印象的だった部分をクローズアップしてそれを叙情的に織り交ぜながら演出しているような印象でした。特に終盤部分とか。事件が次々に起こるのに何一つ犯人側に都合良く進んで、非協力的な警察の無能さと、主人公である民間人が結局独りで犯人に立ち向かわざる得ない中での難しさを感じました。まあ、サイコパス系の話は僕の中では「黒い家」がダントツなので、それに迫れるのかっていう期待しかなかったんですけど、そこまではありませんでした。色々話をばらまいていたけどそれをうまく全部回収できていない気もしたし全体的に微妙でした。ただ鬼気迫る香川照之の演技や演出は戦慄ものでした。
世界から猫が消えたなら
当時の彼女と見に行った映画ですね...佐藤健演じる主人公が余命を宣告されてその間どのように生きていくのかというお話で、これも原作読みましたが、原作と映画でまた微妙に話が異なってました。ネタバレすると原作ではちゃんと天使が出てきて余命を一日伸ばす代わりに大切なものを一つ消していくという形で話が進んでいきますが、映画の場合それが全て主人公の心の中の葛藤であり世界は何一つ消えておらず自身の宿命を受け入れるプロセスであるという設定に変わっています。まあこの作品も何処となく話を紡ぐというより一つの絵を見せられている...そんな叙情的な印象を受けました。ただ泣くことはなかったかな。なんか、お涙頂戴みたいものを狙っているような気がして。
TOO YOUNG TO DIE!-若くして死ぬ-
長瀬智也と地獄図を見たくて行ってきた映画ですね。修学旅行中にバスの転落事故で何故か地獄に迷い込んでしまった神木隆之介がもう一度初恋の女性に再会するために地獄で様々な特訓を受けて現実世界に行く=もう一度生まれることを目指すって話。宮藤官九郎の映画を実は今回初めて見たのですが、現実世界への帰還方法にしろ(何回か現実世界に帰る機会があるんですがその帰還の仕方が凄いし笑える)地獄と天国の設定にしろ、あの発想の柔軟さだったりオリジナリティみたいなのは感嘆したし、才能ってやつなのかなと思ったりもしました。清さんやシシドカフカが出ていたのも好きでした。最後の楽器対決付近からもう話が破綻気味になってたのが残念でしたが、ラストで天国に行ったのにまた地獄に戻ってきた主人公を見ていて、安泰よりも刺激を求めている人間なんだなと思ったし、それに共感している自分もそういう人間なんだなと感じました。逆になんで舞い戻ってきたんだ!って人もいたと思うし。あれは賛否別れるところかもしれないですね。でも、彼は結局天国には行けても現実世界に帰ることは出来なかったんですよね...ずっと地獄にいる訳です。だから、今自分が生きていることって凄く特別なことなのかもしれないし、「生きてますか?」って見つめなおすきっかけになった作品でした。
インディペンデンスデイ・リザージェンス
22年ぶりに続編が作られること自体驚きましたが流石ハリウッドと思いつつ行ってきました。幼い頃に観た第1作を超える衝撃を。気合入れてIMAX 3Dで見てきましたよ。この映画はとにかくスケール感命な所があると思うので。VFX技術の進歩もあり、UFO登場のシーンや、その後の侵略のシーンで重力で街ごとすべてを持ちあげて、そこから一気に全てを叩き付けるっていうのは興奮したし、過去に演じていたキャラクターが再度同じキャストで出演するっていうのも魅力的だと思いました。ただ、ストーリーはほかのレビューでも書かれてますが第1作をそのままなぞったような内容で...例えば一度弔い作戦で出撃したが敵の攻撃で一度撤退せざる得なくなり再度対策するとか、誰かが犠牲になって突破口を作るっていう危機の切り抜け方とか、母艦へ×××が×××するってのは、前作でパイロットが母艦に突っ込むのと同じだし...。ラストでクイーンエイリアンが出てきて暴れるシーンとかもありましたが、少なくとも全体的に「新しい」とは思わなかったですね。どっちかと言うと22年ぶりに同窓会しましたって印象。もうこの手のスケールがデカくなる展開っていうのはハリウッドの最近のブームだと思うので、それに埋もれてしまった感がありました。まあ、世界崩壊の危機なのに演じているキャラクターが皆どこか冷静というか、妙なアメリカンジョークをかましている場面が多いのでなんか終末期みたいなものがあんまりなかったですね(笑)。ラストを見る限りまた別次元の世界の話になっていくのかな?とは思うんですけど。
シン・ゴジラ
これまでの流れを変える新しいゴジラ映画が誕生したんじゃないのかなと思います。虚構対現実とはよく言ったもので、実際にゴジラが存在している訳ではないけど、現実に日本政府は存在している訳だし、そのような生物が現れた場合の対応策やら政府の動きやらは現実な訳で、ある意味でシミュレーション映画を見ているようでした。ゴジラっていう怪獣の定義をあそこまで覆せるのは庵野監督ならではとつくづく感じます。ゴジラの正体についても、牧教授の生死についても触れられないまま。何故東京を目指していたのかも行動目的も分からないまま得体の知れない完全生物が神レベルの如く描写されているという。結局、ゴジラ映画っていうものを何を期待するのかってことで今作の評価が別れると思うんですけど、純粋にバトル映画、モンスター映画として楽しむならギャレス版ゴジラのような作風になるんだろうし、あれがゴジラに対する現時点での世界のアイコンだと思うんですね。でも、日本がそれと同じものを作ったとしても結局過去と何も変わらない、だったら徹底的に振り切った作品にするしかない。そういう意味で庵野監督っていう東宝の判断は間違ってなかったのかなと思います。人物設定や場面描写の中に意外に庵野監督の「作風」というのがあるんだなと思いました。あと役者の演技も非常に個性的だった。テレビの何処かで見たことあるような方々がこれでもかという位に出ていたし、見事にそれぞれの役になりきっていたと思います。見ていてその演技自体が楽しめましたから。ここまで価値観を変えてくれるような監督に僕は知らない。個人的にクリストファーノーランに匹敵するような刺激を与えてくれる監督ですね。2回見に行きました。ラストの尻尾、あれは...
劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間/劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック!
「仮面ライダー鎧武」以降劇場版仮面ライダーは毎年行ってますが、本編に魅力を感じないのに映画に何か特別なものを期待しても難しいんだなってことを見ながら思いましたね。もう近年の中でワースト1位レベルの映画でした。何がって突っ込みどころが多すぎる。あと「ダーク○○」ってのが2作続く時点で微妙だしたかだか1時間近くの間に新規のフォームチェンジが多すぎてそのフォームの魅力が全く伝わってこなかった。あと歴史上の人物が出てくるのも余りにパロディ化しすぎてて受け入れできなかった。ベートベンはボーカリストじゃないしそもそもジャンルが違う!敵のタワーになんであんな易々と侵入できるのかと。ゼロスペクターもいまいち活躍してなかったしアランはやられっぱなしだし何故か最後に主人公はアイコンの力で蘇るけどそのプロセスが何故以前のように有効期日のタイムリミットが巻き戻ってないのかとか最後まで???な映画でした。仮面ライダーエクストリーマーとムゲン魂の戦闘シーンだけ興奮した映画でした。
こんな感じで終わりです。色々作り手の気持ちを考えず好き勝手にレビューさせてもらってますが、どの映画も行きたいと思って行ってきた映画だからこそ本気で書きました。感性の問題なので捉え方は人それぞれだし別に自分の考えが絶対だと思わないです。ああこんな人もいるんだなって思ってもらえればと。