なんでやねん?ドラキュラ!

猫魂外伝は猫魂(名も無き猫の物語)のエピソード0になります。ぶぶぶ。
自分の中では絶賛連載中♪(* ̄∇ ̄*)でへへ!!

其ノ壱

2017年01月01日 | 猫魂外伝 舞闘戦記編



満天の星空が輝く満月の夜....。

竹林の奥深くにたたずむ古びた屋敷...その庭の片隅に鈴蘭の花...月灯りに照らされて首を垂れている..そんな中..一輪だけ蕾が妖しく光だした。
屋敷で眠る..主らしき青年が何かを感じたのか眼を覚ました。体を起こそうとしたが突然...金縛りになった。 ただ不思議と怖いとか恐ろしいなどの感覚は沸き上がらなかった。むしろ..温かく優しい感情が先走った。青年が眼を閉じると何かが脳裏に語りかけてきた?
?「お前は私の事を感じ取れる様だな..相当な霊能力師と見込んでお前に頼みたい事が有るのだが聞いてはくれぬか!」
青年は陰陽師を生業としている晴明と言う若者だ。
晴明は優しく温かな感覚の更に奥底に..とてつもなく大きく絶大な力を感じ取り言葉を失った。
?「恐れることはない..悪い様にはしないから安心しろ。私の方がお前に頼むのだから。
お前の屋敷の庭に..今..真っ白で小さな獣が居るはずだ。その物を少しばかりの間...見守ってやって欲しいのだ。面倒を看ろとは言わない..住まいはお前の屋敷の縁の下で結構だ。一つ..頼みを聞いてはくれまいか。」
晴明の体全身に汗が涌き出ていた..晴明は冷静さと言葉を取り戻し..引き受ける意志を伝えた。
?「もし..その物が数年後..お前や世間に害を及ぼすのなら..その時の処分はお前に任そう。
いつの日かまたこうして逢えることを楽しみにしている。」そんな言葉を残し..言葉の主は消え去った。部屋には何故か芳しい香りが漂っている?

直ぐ様..晴明は庭に駆け出した....。何処だ?
晴明が庭先の鈴蘭に目をやると..鈴蘭の蕾が眩いばかりの光の玉を産み落とした。
次第に光は何かの形に成り..白く小さな生き物がよちよちと晴明の方へと歩いてきた。
最初..晴明は白狐の化身かと思った九尾?13尾?が..良く見れば虎の様でも有り猫の様でも在った?
真っ白で小さく今にも壊れそうな体つきだったが..その内面から力強い..生きよう生きたいと言う生命が感じられた! 小さな獣は側にある..食べれそうな物は何でも食べた..草でも虫でも...。げげっ..蛾まで..口許でぱたぱたと羽ばたいている。りんふんを撒き散らしながら。汗
晴明は毎朝...軒下の獣の寝床に焼き魚を置いた...皿を取りに行くと綺麗に平らげられていた。
三日ほど経った頃..既に成人猫程の大きさになっていた。晴明も..その成長の速さに驚きを隠せなかった程だ。この先どれ程大きくなるのかと危惧していたが大型犬程の大きさで成長は止まった。その頃から夜な夜な食糧確保の為なのか何処かへ出掛けるが...それ以外は静かに屋敷の軒下で眠るように暮らしている。晴明の側に歩み寄って来る事はない....。晴明が目にする事が在るとすれば時折..蝶々と戯れて遊んでいる位だ。
晴明「変わった奴だ..何を考えているのか? この私でも読めぬ!ただ不思議とこいつとは何かの縁を感じる。遥か彼方...何処かで逢っているような? 懐かしくもあり...恐ろしくもあり.....。」
時折...晴明が呪術を修業していると気配を感じる事がある? どうやら..一緒に修業している様なのだ?  気を詮索するのもどうかと思い...静かに見守った。
思えば..獣の鳴き声を聞いた事が無い? 喋れないのか?  同じ屋根の下で暮らしていながら互いに何一つ..情も通わないと言うのも淋しものだな。 ふと..晴明の脳裏に名案が浮かんだ。
晴明「そうだ...名前を付けて呼べば...何かしらの変化が生じるかも知れない!! しかし..名前と言ってもどんな名前が良いものやら? シロ? タマ? ヒカル? 鈴蘭は..どう考えても可笑しいよな?」
数日後...獣の名前が決まった!! 「レン」 何故..その名前が出てきたのか晴明にも良く解らなかった?
練習のレン..鍛練..連帯感..連係..繋がる? 何でだろう? まっ..とにかくレンだ!笑
その日から焼き魚の皿にもレンと書き。獣を呼ぶときにもレンと呼んだ。
名も無き獣に名前が付いたのである。
             おわり

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