日々、思うことをサラサラと。

日頃、イイな、とかおかしいゾ、とかキレイだなと思うことをサラサラと書き出してみたい。

浅井まかて作品のドラマ化を願う

2022年04月17日 | 美術展・本
「すかたん」「グッドバイ」のドラマ化を切に願う。

浅井まかての始まりは「類」だった。
森鴎外の末の子”類”と姉たちの情景描写がとても面白く、この作家とは相性がとてもいいなと感じていた。
だが、過去作を調べると時代が遡り、”江戸”がキーワードに入ってくるとつい敬遠してしまっていた。
そこから期間を長く空け、また浅井まかてが恋しくなり仕方なく江戸へ飛んだ。
結果、なんて面白いんだ・・・と、夢中になる。

〇「グッドバイ」の大浦慶。
舞台は長崎。江戸末期から明治初期にかけてお茶の交易(日本初)で活躍した女傑です。
長い鎖国で閉じていた日本だが長崎だけは例外として海外の舟が出入りしていた。
当時の外に開かれた商売上手な町人で賑わう長崎の街大店の女主人としての慶
活き活きと描写している。
始めの一歩の難しい顛末を爽快な大浦慶と共に過ごす時間がとても愉しかった。
注意:「グッドバイ」は太宰治。映画化もされている
   「グッドバイ」が浅井まかて

これほどの人物、どこかの映像で描かれていないかと探したら
NHKの2010年大河ドラマ「龍馬伝」シリーズ3の数話で余貴美子さんが慶役で登場していた。
う~~ん、自身の印象とは違うかな・・・奔放な感じはあれど、本のなかでは陽の闊達さが勝っているような
気がするけれど。


〇「すかたん」の千里(ちさと)
大阪が舞台。江戸藩士の妻だった千里だが、夫を亡くし青物問屋(野菜類を扱う)で女中として奉公することになる。
大規模な問屋ならではの内事情、おいしい野菜の色・味に対する各人のコメント力、仕える当主の女房(お家さん)
と若旦那さんとの交流場面・・・などなどほぼ全てのページが面白くて一気読みでした。
千里は賢くそして邪気がない。向こう見ずで突っ走る傾向も好感。
殊にラストの若旦那(若だんさん)、カーーッコいいです
 ”すかたん”とは、間が抜けていたり見当違いなことをするような人を指す(若旦那を指す
思いつくのは、千里役は木村佳乃さん、かな?


控えているのが「先生のお庭番」(これも長崎が舞台、先生とはシーボルト)
次に「眩」。
そして最新版「ボタニカ」。これは後に一番の愉しみとして残してある(期待どおりでありますように)





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庭の油断・・・とは?

2021年11月18日 | 美術展・本
「庭は便所の窓から見るのがよろしいな
   庭が油断してますさかいに・・・」
                 天野 忠


詩人天野忠(1903~1993)の言葉です。
この感じが凄くよく分かります。「うんうんうん」と頷くことしきり。
「・・庭が油断してる」って箇所に取り憑かれてしまう。

確か?…朝日の過去記事に山田稔さんが「天野さんのこと」を紹介されていて
そこでたどり着いた言葉です。
すぐに山田稔著「北園町、九十三番地」を借り(ショップではどこも売り切れ)
天野さんのエピソード・書籍の中の言葉に浸る。
まず、面白い!!言葉選びが見事に素朴でユーモアがある。そして深くふかく気持ちに浸透してくる。
なかなか書籍は手に入らず近所の図書館で「うぐいすの練習」「木漏れ日拾い」のみ探せた。

天野さんの作品タイトルを見ると読みたくなるのです。
「耳たぶに吹く風」「春の帽子」「うぐいすの練習」「草のそよぎ」等など


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遂に生で見られるのか?・・・大野くんフィギュア作品

2020年09月11日 | 美術展・本
現在、大野くんの作品展が開催されている(2020/9/9~11/8)六本木シティビュー
以前から彼のフィギュア作品に関心があった。
        
この数々の作品、帽子のデザイン力に目を瞠る。(2008/freestyleより)

関心のあるモノは生で鑑賞する・・・がモットーとしてあるので、この開催には「遂に目撃できるのか」とかなり喜んだ。
が、このコロナ事情の中、抽選当選者のみの鑑賞となる。普段、”当選”とは縁遠い仲なので第一次は落ちてしまった。
2次の次なる結果は15日だ。果たして私は観られるのか。
美術館賞は、さほど厳重に対策しなくても安全だと思うのですけどね。やっぱり、人気者だけに殺到してしまうのか



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アマゾンの本レビューからの採掘

2019年10月25日 | 美術展・本
今年の夏頃から読む本のジャンルがミステリーに偏ってきた。

今夏は酷暑ゆえ集中力に欠けた夏だった。本も読む気が失せつつあった。
ならばミステリーだったら持ち直せるかもと思い立つ(先の展開が気になるので)

この分野は不案内なのでアマゾンのブックレビューを頼ることに。
相性の合いそうな方のコメントや気持ちに引っかかった一言で読む本を決めていく。
その1冊が気に入るとその作者の作品を網羅していく。

・・・・かくしてミステリー三昧の日々がやってきた。
今夏から、何十年も前の旧作から新作までいろいろ。
ほぼ全て私にとってのヒット作であった。
備忘録としてタイトルだけ記す。

「湿地」「緑衣の女」「声」「湖の男」「厳寒の町」
       アーナルデュル・インドリダソン

日本語訳はこれで全て(のはず)。この作者には嵌りました。奥が深い。

〇「刑事マルディン・ベックシリーズ」(前出)
    マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー共著


〇「転落の街」上下
    マイクル・コナリー

〇「キドリントンから消えた娘」
     コリン・デクスター

「「許されざる者
      レイフ・GW・ペーション

〇「カササギ殺人事件」上下
      アンソニー・ホロヴィッツ

〇「北京から来た男」上下 (前出)
      ヘニング・マンケル

〇「殺す風」
      マーガレット・ミラー

「償いの雪が降る
      アレン・エスケンス

〇「幻の女」
      ウィリアム・アイリッシュ

〇「ありふれた祈り
     ウィリアム・ケイト・クルーガー
 この作品の兄弟の日常、殊に弟くんの心象風景・発する言葉が印象に深く刻まれる。

そして
「卵をめぐる祖父の戦争
      ディヴィッド・ペニオフ
祖父の回顧録として若かりし頃の戦時中の”卵”にまつわる話を描く。この作品は生涯忘れないだろうな。
厳しい現実ではあるけれど、勇敢で機転が利き人柄の良い若者二人が”卵”を得るために(解放目指して)
探し歩く道中の出来事。不条理な出来事の連鎖ではあるが若者のタフガイで清々しい精神に触れる。


上記の作品はどれもミステリーファンの評価が高く(エドガー賞受賞作など)、まだまだミステリー入り口に居る私は
その評価基準で選択せざるを得ないのだが、自身にとっての外しはなかった。
ミステリーに関してはアマゾンレビュー最強かなと感じる。
とくに太字で記した作品は印象深いです。

 
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蘇った本

2019年07月20日 | 美術展・本
「ジャージの二人」長島侑 2003年発行
この本は最近、新聞記事のあるコーナーで紹介されていて気になっていた。
「あれ、読んでないけど?このタイトル知ってるなぁ」と。
迂闊にも映画化(2008年)された方を先に見てしまっていたというか、当時原作の存在を知らなかった。
そして、今、その本を読んでみたら・・・とてもいいのだ

訳あって仕事を辞めてボロ家屋の軽井沢で夏のひと時を暮らしている息子(35才~かな)と父が居る。
ふたりのポツポツと交わす緩い会話が好きだ。
自然を撮るカメラマンだっただけに父の言葉が達観している。まるでふざけているような緩さなんだけど
短い言葉の中の感性が澄んでいる。息子しかり(小説家志望)
息子の妻も、父の娘(花ちゃん)もそれぞれそんな感じ。

これは、映画化は無理でしょう。
短い会話の(しかもゆるゆるの)中で読み手が余白を探る時間にこそ描かれる真理がある。
父の、息子の会話が素敵な作品です。
繰り返しますが、これは画面上(映画)の速さでは気付きにくいでしょう(父役のイメージがまるで違う)
良かった、本当に良かった原作が読めて。取りこぼすところだった


「神様」川上弘美 2001年発行
2001年に発行し、その後約10年の間に18刷されている。
川上ファンならば読んでいて当然、の本ながら私は当時購入するも途中で辞めた本です
川上さんの作風はとても好みなのだけど、当時の私の状況ではすんなり入ってこなかった。
年数を経て・・冒頭の「くまにさそわれて散歩に出る」でまた数日置きやっと読んでいると、
今度はじゅわじゅわと気持ちに浸潤してくるものがある。なんだ、これは。気持ちいいのだ、世間離れした独特の展開が。
僅か190ページの本がアっという間に終わってしまった。
(最後の短編では読了してしまうのがもったいなくてグズグズと先延ばしにしていた)

やはり、本を読む、映画を観るには自分の時期との相性が大事だなとつくづく思うのでした。



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