インディアンの夏

2006-10-29 | フランス リヨン 
このところ毎日のように25度くらいの季節外れの暖かさが続いている。
リヨンの一昨日の最高気温26度は新記録だそうだ。
いつもこの時期暖かくなるのはひとつには地球の軌道が一年のうちで
一番太陽に近い時期だからと聞いたことがあるが、本当だろうか。
こういう暖かさをフランスではインディアンの夏(Ete Indien)という
のだけれど、どうしてかトンと判らない。英語でもインディアンサマーと
言ったかも知れないけれど、いづれにしても何故インディアンなのだろう。

昨日は近くの山に行って2時間くらい山歩きをした。
リヨンの西側に広がっているリヨン山脈。リヨン子の格好のハイキ
ングコースになっている場所だ。自生した栗の実がたくさん落ちて
いたので拾ってきた。

ローエングリンそしてワーグナー

2006-10-24 | 音楽―私見・楽曲解説
ローエングリンはワーグナーの作風の中ではちょうど中間的な存在で、それ以前の「オランダ人」や「タンホイザー」に見られるような伝統的な書法と、それ以降のライトモチーフ的展開によってオペラを進めてゆく書法の萌芽のようなものが同居しています。
例えばハインリッヒ王は金管の荘厳なコラール風な音楽、エルザは木管によるデリケートな音楽、フリードリッヒとオルドルードは全オーケストラによるアグレッシフでリズム的にも強烈な音楽というように各々の役柄のキャラクテールをはっきりさせています。これはライトモチーフの発想に近いとはいえ必ずしもそういえませんが、1幕の前奏曲に出てくる「聖杯」のテーマはかなりライトモチーフ的に使われています。この前奏曲の音楽はそのままほとんど同じに、最後のローエングリンが自らの素性を明かしエルザから去ってい行く感動的な場面で出てきますがローエングリンのライトモチーフといってもいいかもしれません。その他にもエルザがローエングリンに名前を聞く所で「私の名前を二度と聞かないでくれ」とローエングリンが答える所のモチーフも同じようにあちこちでライトモチーフ風に使われて劇的効果を発揮しています。このライトモチーフはチャイコフスキーの「白鳥の湖」のあの有名なテーマにそっくり。チャイコフスキーもワグナーの音楽はよく知っていたはずですが、ローエングリン-白鳥伝説と考えるとちょっと面白いです。
あらすじについてはウイキペディアに判りやすく解説されいます。

疲労回復に2日

2006-10-17 | 音楽
14日土曜日はローエングリンのプルミエでした。
18時半開演で、第1幕1時間、2幕1時間20分、3幕1時間の
合計3時間半のオペラなので「神々の黄昏」や「マイスタージンガー」
よりは短いのですが体力的にはかなりハード。
ワーグナーは若いときのオランダ人、タンホイザー、そしてこの
ローエングリンが技術的にも体力的にもハード。

装置転換の都合で1時間の休憩が二回あるのもハードな理由。
終わるのは0時丁度。レセプションに出て帰ったらもう1時半。

翌朝日曜日は市場は買い物に行って、糸と麻を買ってきた、、、
わけではないけれど、買出し。
午後は昼寝してボーっとしながら新しく買ったコンピュータの設定。
無線LANがどうしても繋がらず。どうしてこうコンピュータというのは
いつもヤヤコシイのだ!
こういうことをしていると一日があっという間。
昨日はやっと少し体力が回復して午前中は音階練習。
この10何年やっている自作音階練習法を1時間半。
これをやると元気が出るし、怖いもの無しになる。

こうして2日間のOFFはあっという間に過ぎて、
今日の夜は2回目。
歌手もきついけれど、このオペラは合唱もオケも特別にきつい。

石川さのコメントへの返信

2006-10-16 | Weblog
ジャーナリズムとは何かと最近良く考えます。昨日だったか又滝川市
と同じようないじめによる自殺の事件が違う場所で起きたことが報道
されていました。事件は確かに不幸で悲しい事です。しかしこういう
事件が起きる度に、ここまで詳細に繰り返し報じる報道機関にはおお
いに疑問を感じます。反対にこうやってTVやインターネットで騒ぐこ
とがかえって真似する子(人)を増やしていませんか。この夏も日本
ではプールで亡くなった子の話と、娘殺し容疑の母親の話で持ちきり
でしたがあの騒ぎ方には辟易としたものです。フランスも最近そうい
う傾向になって来たのもいやなものです。

報道している側は実はそれで視聴率が上がって内心は喜んでいるのは
承知の事実です。ジャーナリズムはコマースであるという事実を忘れ
てはなりません。したり顔でコメントする識者、コメンテーター、
それを見て自分も良識あるこの人たちと同じ側にいると安堵する視聴者。
この構図が一番悪いような気がします。こういう事件が起こるたびに繰
り返し言われる「あり得べからざる」「信じられない」「一体どうした
のでしょう」といった言葉。良識とよばれるものの胡散臭さがたまりま
せん。
まだ宗教というものが人の心の拠り所だった頃、日本もヨーロッパも
こういった心の問題は町の坊さんや長老が相談に乗ってくれたんじゃな
かったでしょうか。人の心は迷いやすく、弱い物だとみんな知っていた
んじゃないでしょうか。心の心棒をなくした現代人は報道ジャーナリズ
ムを現代の神の言葉と時々勘違いしているんじゃないでしょうか。


またまたご無沙汰しました

2006-10-11 | 閑話休題
ワーグナーの事を書きかけたら、ずいぶん重い話になってしまいました。
又少し時間を置いてから続けます。

今日はローエングリンのゲネプロ。長くて大変だった1週間だったので
GPになるとほっとします。
そんな忙しい1週間の間に、中日の優勝が決まっちゃいました。

ウエブを見ていたら生まれ故郷北海道滝川市の文字が?
全国規模のニュースだったようで少なからずショックです。