Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

グラデーション

2012年11月19日 | 東京
 浜松には自然がいっぱいなのだが、なんせ街中にある住まいと大学を往復しているだけなので、なかなか秋の紅葉した風景など見る機会がない。「ちょっと足をのばして」とも思うのだが、一度、研究室にこもると、結局夜遅くまで部屋を出られない。
 最も身近なところで自然のうつろいを感じることができるのは、東京の実家に戻ったときに歩く玉川上水の木々の彩りである。特に沖縄に住んでいた十数年間は、たまに戻る東京でこれを見つめながら四季を感じてきた。今はほとんど毎週末のように練習やら学会などで、東京に戻れるようになった。つまり、また東京に住んでいた頃のように四季を敏感に感じられるようになったということだ。
 11月も半ばになると、玉川上水沿いのもみじの葉が色づきはじめて、枝の先端から幹に向かって、やわらかな赤色からちょっぴりくたびれた緑色へと、ゆるやかなグラデーションを描くようになった。瞬きしてしまうような真っ赤に染まったもみじも美しいが、こんな晩秋へよそ見もせずにまっすぐに向かう彩りも素敵だ。1週間後、また稽古で戻った時、どんなグラデーションを描いているだろうと思ったら、またこの場所で空を見上げるのが次の帰京の楽しみになった。

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