Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

RCサクセション「カバーズ」

2009年08月11日 | CD・DVD・カセット・レコード
 先日、山形にワヤンに行ったとき、運転してくれた知人の車の中でかかっていたCDの一枚が、発売禁止になったことのあるRCサクセション「カバーズ」だった。確か、相当昔にこのCDを買って、当時はこの反核、平和、反体制を訴えた過激な歌詞に感動して相当に聞きまくったのだが、清志郎が亡くなったとき、やっぱり最初に頭に浮かんだのは《トランジスタ・ラジオ》と《雨上がりの夜空に》の2曲で、いつの間にか「カバーズ」の過激な歌詞は、私の記憶から消えてしまっていた。沖縄に戻って「カバーズ」を探したのだが、誰かに貸してしまって返ってこなかったのだろうか、どうしても見つからずにタワレコで購入した。
 あらためてこのカバーCDを聞いてみると、よくぞここまで替え歌にしてしまったものだと感心するのである。個人的には、「ラブ・ミー・テンダー」を「何いってんだー」「何やってんだー」と歌ったプレスリーの名曲《ラブ・ミー・テンダー》、そして、「ぼくらは薄着で笑っちゃう」という最後のメッセージの意味がよくわからなかった(今は解決してます)レノンの《イマジン》がお気に入り。ちょっと残念なのは、ストーンズの《黒くぬれ!》に、ブライアン・ジョーンズが弾いていたシタールの音が使われていないことだろうか。
 今聞いても歌詞が過激すぎて、現在も公共メディアで流れるチャンスは少ないために、なかなか若者の耳に届くことはないだろうが、そうでなくても、「反核・反戦ソング」なんて、今の若者はきっと歴史的歌謡としか捉えないだろう。オバマ大統領の核兵器廃絶に関する発言が日本のメディアで大きく取り上げられているのを期に、この「カバーズ」にもまた陽が当ればいい。現在にも通じるさまざまな問題を明確な歌詞で包み隠さず表現しているわけだし。このCDを聞くと清志郎はものすごいミュージシャンだったのだと改めて思うのである。