ブログ de なんで屋 @東京

みんなで「これからの社会」を考えるために、『場』と『認識』を提供する社会事業です。

盛り上がりを見せる社会事業紹介「NPO カタリバ」

2011-02-01 22:03:40 | 路上の声~教育・家庭~

     

(画像は→コチラ

■そもそもカタリバってなに?

カタリバのHP(http://www.katariba.net/

高校生に大学生と話す機会を提供するNPO団体です。

地域共同体が消滅しつつある昨今、タテ(ex.先生と生徒)やヨコ(ex.友人)というつながりはありますが、ナナメ(ex.近所のお兄さん)の関係はなかなかありません。
そのため高校生がモヤモヤをためてしまい、学習意欲の低下、コミュニケーションの不具合、のちにフリーター、ニートになるなどの問題が発生しています
よって、そのナナメの関係を構築しようとカタリバはスタートしました

     

具体的に「カタリバ」とは、50名程度の大学生が、ある高校行き、体育館で生徒約300名に対して対等に話をするという授業をやります。まさにナナメの関係ですね。ちなみに、大学生は1人のリーダー+2人のサブリーダーが中心となり仲間を統合しながら3ヶ月くらいかけて正味2時間程度の企画を練り上げていきます。
2時間一発だけの関係にならないような工夫もされており、最後に大学生と「約束カード」というカードを書き、その約束を報告できるようなインターネット掲示板「カタリバカフェ」(http://cafe.katariba.net/)が準備されています。

年間約70校の高校に訪問し、20,000名近くもの高校生に接し延べ3,800名の若者がボランティアとして参加しています。

カタリバが将来見据えているのは「カタリバがなくなること」つまり共同体社会が実現し、地域にカタリバがあふれている社会です。そこに至るまでのサポートとしてカタリバがあるというスタンスです。

<団体概要>
・設立 2001年11月
・事務局員数 16名(専従職員9名/学生職員7名)
・会員 正会員 64名
    賛助会員 81名
    団体会員 8団体(法人)
    活動会員 52名
・ボランティア 約4000名

<財務>
2008年  35万円の赤字
2009年 180万円の黒字

16名の事務局員で約4000名のボランティアを組織し、みんな活力にあふれている団体。もちろん事業として成立しており、売るものは「物」ではなく「活力」。
そんな組織、魅力を感じませんか?

では、その構造を見ていきましょう!

■ボランティアの学生が活力があるのはなんで?
社会の役に立てたという実感があることです。
具体的には「目の前で高校生が元気になっていく」ということです。

それに加えて、プロジェクトを進めて行く上で、「統合力」が身についたり、打ち上げなどで「評価」が得られるなど、学生同士、共認原理に基づいた仕事ができるので成長し、活力が上がるのだと思います。
また、社会人とやりとりし、「一般常識が身につく」というのも魅力の1つのようです。

■そのために事務局がしていることは?
簡単に言えば、学生に「権限を委譲」してプロジェクトを任せています。そのことで、学生の当事者意識が生起し、モチベーションがあがります。当初は適正人材を事務局が配置していたようですが、カタリバが盛り上がっていく中で、活躍する同士の姿が憧れを生み、今やプロジェクリーダーは取り合いになるほど人気だそうです。

そして、最近は同時にプロジェクトが進むので、リーダー同士を集めたチームを作りmtgを開催しているようです。その中でリーダーならではの課題も共有できる体制をとっています。

もちろん、事務局員はほったらかしではなく、きめ細かにチェックをしています。
学生に業務を任せて、動きやすいように事務局がサポートする。「権限を委譲」しながら「面倒見がよい」そんな体制をとっています。

■ボランティア大学生はどうやって集めたの?
もともと大学生ということで、ツテはつくりやすかった面はありますが、「就職活動・ボランティア・友達づくり」など学生が引っかかるキーワードのセミナーを実施し、その際にカタリバの告知をするという方法をとったそうです。
このようにしてサークルをつくり、母数を増やしていったようです。

■どうやって収益をあげれるようになったの?
重要な視点なので、具体的に書いていこうと思います。

①準備時期での徹底的な市場調査
→カタリバのお客となる、高校生や学校現場からひたすら話を聞く

②相手を思いやるスタンス
→「私たちが解決します」という価値観を押し付けるスタンスから、「私たちを問題解決のためにうまく使ってください」というスタンスへの転換

③無料実施での実績作り
→特に教育業界の場合、予算の障壁が高いので、まずは無料で実績をつくる。
生徒だけでなく先生にもサービスを提供し、具体的にはアンケート結果をフィードバックした。そのことで、カタリバをさらにブラッシュアップすることができた。

④実績を引っさげ、教育委員会から予算を獲得
→3年間「教育支援コーディネーター」の認定コーディネーターとして予算を獲得。

⑤それでも収益が上がらないので大学や企業に参入
嘉悦大学(http://www.kaetsu.ac.jp/09-08-28-01.html)や病院などへ参入し、実績を上げる。

⑥カタリバ大学、カタリバラボhttp://www.katariba.net/k-univ
大学生や社会人を集めて、さまざまな角度から社会を見つめるイベントを開始

このように進化の塗り重ねてここまで成長してきたそうです。

☆ちなみにここまで事業を盛り上げるまでにいたったのは、創設者の「実現の意思」が一番大きいようです。


いかがでしたか?
社会事業をビジネス化しようという動きは、この他にも全国各地で見られます。その底流には「社会をよくしたい!」、「もっとみんなに喜んでもらいたい」という共認収束⇒充足基調の意識があります。この意識がどんどん盛り上がっていけば、充足あふれる社会にかわっていきそうですね。社会事業!今後も注目です

(masamune)


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2 コメント

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Unknown (saru910)
2011-02-02 21:32:26
カタリバに居る皆はホント活力があるし、学生もとても意欲が高く「人の役に立ちたい!」という気持ちが話してて分かるくらいでした☆

何で屋さんもドンドン範囲(事業)を広げて、世の中を良くして行って欲しいですね☆
学生さん達も社会(閉塞的な世の中)に不安を感じている人たちが沢山いますので。。。

僕たち外部参加者も全力でドンドン前に進んで行きますのでヽ(^。^)ノ
皆でもっともっと良くしていきましょう☆
コメントありがとうございます (masamune)
2011-02-05 17:50:34
>カタリバに居る皆はホント活力があるし、学生もとても意欲が高く「人の役に立ちたい!」という気持ちが話してて分かるくらいでした☆

そうですよね「人の役に立ちたい!」っていう意識がすでに当たり前になっているようにも感じます。

なんで屋ももっと拡大して、そんな人たちをサポートしていきます☆