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【投稿紹介】イスラムに見る本源性

2009-11-08 01:49:29 | 路上の声~教育・家庭~
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そもそもイスラムの本源性が高いといえるのはなんで?

☆☆☆☆☆☆るいネット『イスラムの地域共同体を支えるシステム』より引用☆☆☆☆☆☆

イスラムが日本に次ぐ秩序維持の可能性を持つかどうかについては、日本の共同体維持システムに類する仕組みの有無が有力な判断材料になると思われる。

例えば、日本では「講」(参考:リンク)や「五人組」(リンク)「となり組」(リンク)など、地域共同体を維持(又は管理)するためのシステムが存在してきた。これらには「相互扶助」の精神が強く出ていることが特徴である。

イスラムにおける相互扶助システムの1つとしては、「サダカ」を挙げることができる。
以下、「飯島賢二の『恐縮ですが・・・一言コラム』」(リンク)より引用
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「サダカ」は自由喜捨と訳され、制度化されたものではない。政府による福祉とは違い、常に顔を合わしている間柄同士の互助システムといえる。戦争で夫を亡くした家族に対し、近所の人が声を掛け合い、金銭等を集めて回り、当該家族に直接渡す。あるいはビジネスで成功した人物が、自由意志で慈善団体や個人に喜捨したりする。富裕な人物が、地域共同体に対して学校などを丸ごと寄付することも多い。これは西洋や日本でも見られる行動だが、サダカで寄付された学校などには、決して寄進者の名前が刻まれることはない。それは、個人からの寄進でなく、神(アッラー)からの寄進であるからだ。
今でも「犠牲祭」と称し、富める人が貧しい人に羊の肉を分け与える儀式・慣習がある。1/3 は家族、1/3 は親戚・友人、1/3 が貧しい人へ差別なく分け与えている。イスラム共同体には、こういった仕組みが幾つも組み込まれているのである。
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(引用以上)
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以上のようにイスラム圏では共同意識というものが強い。これは本源性(=人間としての本来の生き方)に近いといえます。

ではその共同性はどこからくるのでしょうか?


☆☆☆☆☆☆るいネット『続・イスラムの可能性を探る ~イスラム金融の根本にある社会規範~』より引用☆☆☆☆☆☆

以下 櫻井秀子著「イスラーム金融」を読んでの解説・書評より

そこでは、神があまりにも絶対的な存在であるがゆえに、誰一人として神の代理人・支配者になれないのだから、平等である。したがって、人々は自らの労働に合わせた利益しか得てはならず、不労所得などを得ること自体が、根元的に違法となるのでしょう。喜捨が大きな意味を持って、日常に根ざしているのも、昔の日本では、ごく自然に見られた仏教的態度だったのです。

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つまり神が絶対であるがゆえにみんなは平等という考えというのがイスラムの見解のようです。
僕は今までイスラムといえば一神教であり排他的な考えというイメージだったのですが、実際は全く違いみんな平等という考えのようです。

これは非常に気づきでした。


またイスラム教の特徴として、開祖のムハンマドは商人であるというものがあります。イスラムの共同性は経済システムにも生きています。


☆☆☆☆☆☆るいネット『イスラムの経済観と経済原理』より引用☆☆☆☆☆☆

以下 経済グローバル化とイスラム金融 より、転載

イスラムの経済観と経済原理
(中略)
 「人間」という考え方は、聖書にもありますけど、神の創造物の1つとしての人間です。この辺りを受け売りするなら、「神の意志に尽くすために生きている」とされています。一見してイスラム=禁欲主義にとられるのですけど、実際は禁欲主義ではありません。むしろ逆で、禁欲主義は否定されています。生活は「物質的にも豊かな生活を営むのが良い」と教えており、そのための経済活動は積極的に認められます。ただし、経済活動に従事する場合でも、資源の所有権は、あくまでも神に属するのであって、人間には所有権がないのです。だから人間の立場は、資源を有効利用する管財人として神から信託されていると考えればよいと思います。

 資源の利用は、神により信託された範囲内でのみ認められますから、その濫用はもちろんのこと、独占という行為は禁止されています。したがって、すべての経済行為は、神の物的財産と人間の努力との共同作業でなければならない。結果として、利益配分や報酬給付が伴うとされます。しかし、「利益を追求すると言うのであれば、それは資本主義では?一体資本主義とはどう違うのか」となります。イスラムでは、神という絶対者を人間活動の監督者として位置づけており、ただ人間の利害が衝突する競争原理ではなくて、責任分担を通じて調和ある共同作業が行われる社会を求めるとの原点があり、これが資本主義と異なるところであります。またイスラム経済原理は生活する環境の影響を強く受けています。

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おもしろいですよね。利益の追求はすれどもそれはみんなのものであり利益分配を行う。これはおおきく捉えれば最初に挙げた「喜捨(サダカ)」と同じ考えです。

本当にこの共同性はどこからくるのでしょう?

答えは国家の成立から見えてきそうです。


☆☆☆☆☆☆るいネット『イスラム教と国家との関係』より引用☆☆☆☆☆☆

以下「イスラム教とはなにか」より抜粋引用

イスラム教が出てきて教団ができ、そして教団が発展して信徒たちがその教団を維持発展させる。そして防衛する。
そうした役割りを持ったものとして国家というものがでてきた。
イスラム共同体・教団は国家となったのであります。
そうした国家の、教団の指導者を 「カリフ」 と言ったのです。

~中略~

そうした宗教的指導者であり、また政治的な指導者でもあったマホメットが、そのような社会をまとめ、そしてその社会の発展、社会の集団的利益を維持、前進させる。その過程でいろいろな問題に直面し、その時にいろいろな啓示が下ってきたのです。こうした時にはこうしろとか、こういう場合にはああしなさい、といった啓示が下ってくる。そういうアドホック(暫定的)と言いますか、その場限りの特定の問題について、神が指示を与える、命令を与える。それを集めたもの、それが『コーラン』である、とお考えになればいいんじゃないかと思うんです。

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なるほど、集団(部族)から国家ができたというところが共同性のポイントのようですね。

またその集団がぶつかった問題に対しての対応策がコーランという経典であり規範集であるというのはおもしろいところです。

つまり集団ありきで経典があるので共同性が保たれる。

また、共同性を保つ点で見逃せないと思っているのが女性観です。
イスラムは男尊女卑というイメージが強いのですが本当のところはどうでしょうか?

☆☆☆☆☆☆知られざる人類婚姻史と共同体社会『イスラムの女性観~女性は母である~』より引用☆☆☆☆☆☆

以下 伊斯蘭文化のホームページ より引用

イスラームは、唯一なる創造主との対話の中で豊かな人生をおくり現世と来世で成功するための人間本来の生き方であるから、そこには男女双方にたいする公平な生き方の定めがある。男女は人間 としてまったく平等であり、同等の権利をもつ。しかしこれは男女それぞれの特性を 生かした平等と権利であり、なにがなんでも同じに扱うことではない。女性が母として子を産み育てる役割は人類存続のための大前提であり、そこに女性の真の美しさが ある。全世界で一番大切な人は母であり、すべての女性は母になりうるから、すべて の男性に尊敬され、大切にされなければならない。

~中略~

女性にとって母になることは人類存続のための聖なる使命ではあるが、もちろん人間 として社会に役立つことをはばむものではない。女性も社会のための重要な仕事がで きるし、女性でなければできない仕事も多い。人類の未来やよりよい社会の建設のために男性があまり貢献していないのなら、一部の重要な分野で女性がとってかわるべ きかもしれない。ただ単に生活のため、金銭的苦労のため、母たる女性が身をすり減らして働かなければならないのは悪平等であり、不公平であるといいたい。

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男女にはそれぞれ役割があり、それを肯定した上で平等であると説いているようにとれますね。

イスラムといえば一夫多妻制を認める強い父系制を思い浮かべますがそれだけではなさそうです。

女性を肯定視する思想は共同性を保つ上で重要な視点だと思います。この根拠を述べると長くなくのでコチラをご覧いただけると幸いです。


以上に挙げたように『神』という観念を使い規範化している点は否めませんが、イスラムの共同性(=本源性)は高いといえます。

そのイスラム圏の人たちがお手本にしたいのは、なんと日本らしいですよ。

るいネット『イスラムは日本に彼らの理想を見る』をよんでいただけるとよくわかります。


昨今の金融危機から、脱市場・脱私権⇒充足基調・本源収束という流れが世界的にできてきています。

従って、日本の果たすべき役割は極めて大きいといえる。
つまり、本源共認統合社会を確立することで欧州に範を示し、観念理解から本源性復元へと誘うと共に、南米やインド、南亜など本源性残存度の高い国・地域の脱貧困化を支援する中で、米・中といった私権勢力との共認闘争に打ち勝っていくことが今後のとるべき道となるのである。

(るいネット『人類的課題=統合不全に際立つ日本の役割』より引用)


長くなりましたが最後まで読んでくれてありがとうございました

(masamune)

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1 コメント

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Unknown (あかねときすけ)
2009-11-10 19:34:40
イスラム・・

そういえば、今まであまり関心がなかったですが、ブログを読んで興味が湧いてきました

可能性は、360度の視点でみて、はじめて得られるもの

そう思うと、勉強意欲が出てきますね