涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

2016年ちくぜんアワード

2016-12-31 16:25:01 | チラシの裏
個人的に今年触れた作品を、勝手に意味もなく表彰する「ちくぜんアワード」のお時間がやってまいりました。
昨年までの内容と、今年のノミネート作品は下記。

●過去のちくぜんアワード日記

2011年ちくぜんアワード

2012年ちくぜんアワード

2013年ちくぜんアワード

2014年ちくぜんアワード

2015年ちくぜんアワード

●2016年ノミネート日記

2016年ちくぜんアワードノミネート(書籍部門)

2016年ちくぜんアワードノミネート(アニメ部門)

2016年ちくぜんアワードノミネート(ゲーム部門)

2016年ちくぜんアワードノミネート(音楽部門)

今年も色々な作品に触れることができた。
一つ一つの作品に触れる度に新しい発見や面白さがあって、大変有意義な時間を過ごせた。
来年もまだ見ぬ新たな作品を楽しみに、どんどん幅広く良いものを求めていきたい。

では、今年触れた作品の中で特に心に残った作品を下記に紹介していく。
※あくまで自分が2016年に触れた作品なので、2016年より前に出た作品も含まれる。

■書籍(小説・漫画)部門

5位:神野オキナ『エルフでビキニでマシンガン!』

4位:須知徳平『日本のこわい話』

3位:大川ぶくぶ『ポプテピピック』

2位:野田サトル『ゴールデンカムイ』

1位:雲田はるこ『昭和元禄落語心中』

まずは5位の『エルフでビキニでマシンガン!』
表紙絵と挿絵が艦これのイラストレーターでもあるbobニキだ。
ジャケ買いという奴なのだが、意外にも面白い。というか男の劣情からなるニーズを見事に満たしている。
昨今の異世界系はバカにされがちであるが、こういう劣情のはけ口的な部分ではアリだと思っている。
劣情のはけ口とか言うと何だかよくないようにも聞こえるが、性欲は拭っても拭いきれないもの。
それにしっかりミートした作品というのは、全否定されるものではないと思う(勿論それだけというのは論外だが)。

4位は日本のこわい話。
3歳くらいの時の寝物語として読んでもらっていた本を今年改めて読んだ。
非常に子供心をぞくっとさせるようなストーリーテリング。語彙のやさしさ。1つの話の分量。
非常に良いバランスで今読んでも十分面白い。

3位はポプテピピック。
「POP TEAM EPIC」の略称だが、言われないとわからない。
そう、この漫画はパンクなのだ。
なにが「そう」なのか自分でもよくわからんが、これはパンクなんである。
あのクソ小憎らしいというかムカつくキャラや、そこから放たれる皮肉、風刺、罵声。
どれをとってもしっくりくる言葉はこれしかない。
これをパンクと言わずして、何と言うかね。

2位はゴールデンカムイ。
何か今更感もあるが、今年読んじゃったんだから仕方ねえ。
もっと早く読みゃよかったと後悔している。
アイヌ文化を持ち出した北の大地前回の物語が非常に素晴らしい。
地味にグルメものとしての側面もあるのも好感持てる。

そして、今回の書籍部門トップを獲ったのは昭和元禄落語心中。
今年はこれだった。
元々何の気なしに観たアニメが凄く面白くて速攻で原作買ったわけなんだけど、落語の面白さを改めて感じた。
この漫画を期に色々な噺を聴くようになった。
落語というジャンルは高校時代の課外授業で一度見て面白いことは知っていたが、この作品で実際に「もっと沢山の落語を聴きたい!」と思わせてくれた。
そういう意味では俺の中でエポックメイキングな作品。
それが昭和元禄落語心中。


■アニメ部門

5位:「三者三葉」

4位:「ジョジョの奇妙な冒険―ダイヤモンドは砕けない」

3位:「ドリフターズ」

2位:「君の名は。」

1位:「僕だけがいない街」

5位は結構ダークホース枠だった三者三葉。
期待していた「くまみこ」がイマイチだったこともあったが、日常系枠ではこれが特に光っていた。
キャラのポジションチェンジがとにかくうまい。
FWも時として守備に参加する。まさに現代サッカー。

4位はジョジョ。安定のジョジョ。
俺の好きな4部という事もあって、やはり面白い。
3部から始まったスタンド戦を更に面白い形で昇華させた素晴らしい作品だと思う。

3位はドリフターズ。
個人的には2016年秋期のアニメはぶっちぎりだったと思う。
デストロイヤー菅野直の登場シーンや、信長の下記の戦の重要性を説くのシーンは原作通りの熱さだった。

「合戦そのものはそれまで積んだ事の帰結よ。合戦に至るまで何をするかが俺は戦だと思っとる。猿以外、本質は誰も理解せんかったがな」

2位は映画から「君の名は。」
やはり今年のアニメは、たとえ映画作品とは言えこれを入れなければならないだろう。
よくある入れ替わり展開や、ご都合主義なシーンもある。
だが、観ていて押し付けられている感じがせず、演出も非常に秀逸。
カミさんから嫌われがちなRADWIMPSも、この作品ならOKというくらいのベストマッチ。
非常に良い作品だと思う。

そして、君の名はを抑えて個人的な2016年アニメ部門トップは、僕街だ。
この作品、ストーリーも面白いのだが、それ以上に良いのが引き。
次回の引きがとにかくずば抜けて上手い。凄い良い所で「次回へ続く」になる。
観る度に「早く来週来い」と思わせる展開が秀逸なんだ。
今年のアニメは、僕街だ。


■ゲーム部門

5位:PS4「ドラゴンクエストビルダーズ」

4位:PS4「テイルズオブベルセリア」

3位:PS3「スカイリム」

2位:PS4「FINAL FANTASY XV」

1位:PS4「ペルソナ5」

5位はDQB。
マイクラやテラリアなどのサンドボックス型ゲームmeetsドラクエといった感じのゲーム。
レゴブロック遊びや家のインテリア配置にこだわりがある人にはぜひ遊んでほしいし、しっかりドラクエしているので、往年のドラクエファンにも遊んでほしい。
そもそも物語が初代ドラクエに沿っているので、昔からのファンほど楽しめると思っている。

4位はテイルズ。
前作のゼスティリアが不評だったようで、その舞台設定を引き継いだため、不安視されてはいたが、いざプレイしてみると非常に面白い作品だった。
ライフィセットの成長物語や、それを取り巻く仲間の距離感。
そして、ベルベットの心境の変化など、非常に分かりやすい。
戦闘もカメラワークが若干見辛くなる時もあったが、爽快感がある。

3位は今年の初めにプレイしたPS3版のスカイリム。
俺が最後にプレイしたPS3のソフトで、それに値する作品だった。
元々発売日買いしたソフトでもあり、ここまで寝かせてしまっていたのだけど、待ちに待っただけあって、非常に面白い。
スカイリム世界への没入、沢山のクエスト、その辺のがらくたアイテムでも何かに利用できる物量感、巨人やマンモスなどのワクワクする敵。
「ここには何があるんだろう。。」という不安感と期待感が混ざったような多数のロケーション。
大人になってもごっこ遊びは面白い。まさにロールプレイングゲームの金字塔のような作品だ。

2位はFF15。開発開始から10年。よくぞ出てくれたというのが第一印象。
正直中止になると思っていたタイトルであっただけに、本当に出るとは思わなかった。
実際にプレイしてみると、普段は見向きもしないプラチナトロフィー取るまで遊んでしまった。
プレイ時間だけだったら、コンシューマーゲームでは今年一番プレイしていた(PCも入れれば多分艦これがトップ)。
「野郎ども4人旅」という男子校出身の俺にとっては非常に「何かよくわかる」という感じのゲームだった。
車で好きな所に行き、未だ見ぬ地にワクワクしながら各地で写真を撮り、釣りに興じたり強敵と戦いながら、一日の終わりには皆で仲良く飯食いながらキャンプ。
気心の知れた友人たちと旅している時と全く同じ感覚なのだ。
だから、ラストでよく笑いものになる「やっぱ辛ぇわ」のセリフは、俺は何かよくわかる。
王としての使命を果たすために覚悟を決めてはきたが、あの旅の楽しさだったり、仲間の大切さを覚えている自分もいて、その葛藤が辛いんだろう。
元々主人公は自分の心情を表に出さないキャラなだけに尚更だ。
メインシナリオの部分でキャラと展開の説明に不足感があるのは否めなかったし、例の13章の遊びにくさ、ちょっと怠くなった部分は確かにあった。
だがそれ以上に仲の良い友人と行く旅の面白さ、そしてオープンワールドのアクションゲームというチャレンジ精神には、本当に感動した。
来年からはDLCやアプデなど、様々な追加コンテンツが出てくる。
まだまだFF15とは長い付き合いになりそうだ。

そして、今年のゲーム部門トップはペルソナ5。
俺の中では今年はこのP5とFF15との一騎打ちと言っても過言ではなかった。
ウィッチャー3も入ってきそうだったのだが、そもそもまだクリアできていないので、ノミネートは来年以降になるだろう。
その中で俺の中で軍配が上がったのはP5だった。
言い換えると、この一騎打ちは「幅広く遊べるFF15」と「シナリオの展開が毎回気になってしまうP5」だった。
寄り道のFF15とメインシナリオのP5と言っても良い。
観るべき部分が異なるので、そもそも順位をつける事すらナンセンスなのだが、自分でやってるんだから仕方ない。
ここはもう自分の今の心情がメインシナリオを重視していたという点でしかないだろう。
ペルソナ5はとにかくメインシナリオやキャラ描写のバランスが素晴らしい。
「事件が起こる⇒解決⇒つかの間の日常生活⇒次の事件への布石⇒事件が起こる」というプロセスが非常にテンポよくできている。
勿論ダンジョンがちょっと冗長気味な部分もあったし、モナの「今日はもう寝ようぜ」は、マジかよ夜の街に繰り出させろよと思った。
だが、それ以上に展開の良さやそれを彩るキャラの描写の良さが非常に素晴らしい。
コープキャラもいちいち楽しい話が多い。特にダメ寅とか武器屋の人とか、オッサンキャラ程面白いってのも好感持てる。
ちなみに俺のイチオシは川上先生だ。先生に2階で潜入道具作らせながら部屋で別の女とイチャつく背徳感よ。。。
まあとにかく、メインキャラ、サブキャラ共に、良いバランス感の掘り下げ方なのである。
「このキャラの掘り下げ感がFF15にあれば。。。」とも思ったが、それとは異なる魅力があるので、それはそれだ。
あとは、俺が単に偽アトラス信者であるというのもある。俺やっぱメガテン好きなんすよ。異聞録のペルソナも例外じゃない。大好き。
もう完全に好みの世界だが、今年のゲームはペルソナ5だ。
俺の中で、2016年のゲームを制したのはP5なのだ。


■音楽部門

●アルバム
※アルバムのトレーラーが公式であった場合、リンクを貼っている

3位:ASIAN KUNG-FU GENERATION「ソルファ(再録版)」

2位:Bloc Party「A Weekend in the City」

1位:amazarashi「世界収束二〇一六」


●楽曲
※公式MVがある楽曲に関しては、動画リンクも入れている。

10位:Suchmos「MINT」


9位:CTS「Love the past, Play the future」


8位:Coldplay「Adventure Of A Lifetime」


7位:Kyte「Taipei」


6位:Avicii「The Nights」


5位:Robert Glasper Experiment「I Stand Alone」


4位:amazarashi「エンディングテーマ」


3位:Bloc Party「Hunting For Witches」


2位:amazarashi「メーデーメーデー」

1位:サカナクション「ユリイカ」


アルバム部門ではアジカン、ブロックパーティ、そしてamazarashiという感じになった。
アジカンの再録版は期待通りの素晴らしい出来だった。
文字通り、ブラッシュアップをしっかり行えている作品だと思う。
2位のブロックパーティは、まあ今更感もあるのだけど、今年になって一番俺の中で来た洋楽だと思う。
各パートが凄い綺麗なタイミングで演奏されているというか、バランス感というか、統一感が良い。
そして1位は今年もamazarashiだ。
もうこのバンドは俺の中でかなり人生観に影響を与えているバンドなんだなと感じる。
今年発売された「世界収束二〇一六」「虚無病」は文句なしの内容だった。
時代や世相を抉り諦観を出しつつも、それでも頑張って生きて行こうと思わせる、素晴らしいアルバムである。

次に楽曲単発部門。
10位に入ったのはサチモス。
もしこのちくぜんアワードに新人賞を設けるなら、このサチモスが表彰されるだろう。
小気味よいビートにオシャレなメロディ。ジャミロクワイを聴いていた人にはおススメしたい作品だ。

9位はCTS。ウイニングイレブン2016のタイアップソングになっている曲。
EDM調で聴きやすいメロディ。
ノリどころも分かりやすい、キャッチーでいい曲だと思う。

8位はコールドプレイ。
こちらもキャッチ―で綺麗なメロディ。
開幕で流れるギターリフが凄いお気に入り。

7位はカイト。
最近カイトの曲聴いてないなーと思って何の気なしに探したら凄い良い曲が発表されていた。
相変わらず洗練された綺麗なメロディを作る。

6位はアヴィーチー。
今年でDJ活動を引退してしまったようで、こちらも知るのが遅くなってしまい、後悔している。
非常に良いメロディの曲が多いので、もっと早くにチェックしておけばよかった。

5位はロバート・グラスパー・エクスペリメント。
今年のフジロックの特集をスペースシャワーでやってて、そこから知っていたミュージシャン。
英語ラップの綺麗な押韻やトラックのメロディやフックの物悲しくもカッコいい感じ。
凄い良い曲だ。

4位はamazarashi。アルバム「世界収束二〇一六」からの曲だ。
このアルバムは「タクシードライバー」も好きなのだが、この曲も大好きだ。
MVと下の歌詞の部分を聴くと、今でもちょっとポロッと来たりする。

僕が死んだら流れ出すエンドロール
僕が主演の青春群像
お世話になった人達の名前がずらっと並べば
何時間掛かるか分からないや
そんな事考えると ちょっと笑えてくるよな
だからエンディングテーマはこんなもんだろ

―amazarashi「エンディングテーマ」より引用


3位はブロックパーティの曲。
今年の俺の中での洋楽は、とにかくブロックパーティが来ていた。
とにかく各楽器の統一感というか、歌詞よりも各楽器から織りなすアンサンブルでノリノリになれる。
あとヴォーカルのオケレケ。ナイジェリア移民のイングランド・リヴァプール出身。
彼の声も良い。声が楽器みたいに綺麗。名前もなんか好き。マケレレみたいで好き。
綺麗な芯のある声だと思う。

2位にはまたamazarashiが入る。
ミニアルバム「虚無病」のラストナンバーで、押韻が心地良いラップ調の曲だ。
フックが3回あるのだけど、2回目のフックに入る前にはストリングス、3回目のフック前ではエレキギターの音を入れてブレイクに違いを出しているのも面白い。
虚無病が人間の不完全な部分や世間に対する諦観を歌った曲なら、この曲はそのアンサーソングに当たるものだと思っている。
下記の歌詞は特に好きな部分。まさにアンチニヒリズムというべき良い歌詞だと思う。

僕は人を愛すが、それ以上に人を憎んだ
殺したい奴はいるが、守りたい人もできた
世界を恨む時代は終わった
貸しは返すつもりだが その後に及んで競い合うつもりか
勝つか負けるか 上か下か
そうじゃない 賞金も勲章もない もはや生存競争だ
なり振り構ってられるか 口を閉ざしてたまるか どうか生き残ってくれないか

―amazarashi「メーデーメーデー」より引用


そして、今年の1位はサカナクションのユリイカだ。
2年前の曲なのだが、今年になってようやく実感が追い付いてきたというか、この曲が分かってきた。

君が言うような 淋しさは感じないけど
思い出した ここは東京
それはそれで僕は生き急ぐな

―サカナクション「ユリイカ」より引用


「モノクロトーキョー」では外から見える東京を「フルカラー」と例え、内側は「モノトーン」と例えた。
そんな都会が持つ「外側から見た景色と内側から見た景色の乖離」を謳いつつも、そこに特に目立った寂しさは感じているわけじゃないよという。
しかしながら、空を食うような東京のビル群の中だったり、蔦が這うように人がびっしり住んでいる東京という街での生活感や、そこから感じる焦燥を表していると思う。
そんな生活の中から色々な目線から物事は異なって見えることもあるけど、その場所や時代に沿った生活感があるという事を東京という街で生活を通して分かったという内容ではないかと、俺は考える。
タイトルの「ユリイカ」は「Eureka(ヘウレーカ)」の英語読みで「分かったぞ!」という意味らしい。
アルキメデスが風呂に入った時に発した言葉ともいわれている。
東京の街で暮らすことで、その生活感や人生観に発見を見出した歌のように見える。
くるりの「東京」に並んで、東京という街で住む事に対する抒情詩的な素晴らしい曲だ。
今年の1曲は、サカナクションのユリイカだ。


■2016年ちくぜんオブザイヤー作品

今年も、上記の各部門受賞作品の中から、「今年の1本」的なものである「今年一番自分の心に残った・感動した作品」という名目で大賞(ちくぜんオブザイヤー)も勝手に設定することにした。
もちろん、ただの自己満足であり、大賞を取ったからと言ってこの日記で取り上げられるだけで他に何の恩恵もない。

注目の2016年ちくぜんオブザイヤーは・・・

書籍部門、雲田はるこ『昭和元禄落語心中』に決定した。

前述の通り、この作品を通して色々な落語の噺を聴くようになり、寄席にも行ってみたいと思うようになった。
落語という新たな趣味を開花させてくれたこの作品こそ、今後の自分の人生観に影響を与えた。

元々興味のあった落語を趣味にしたいと思わせるようにしてくれたこの漫画に、最大の敬意を送りたい。
来年はアニメの2期もあるので、心の底から楽しみにしている。


■総括

以上が今年のちくぜんアワードの内容となる。
今年も例年と同じく、素晴らしい作品に出会えた。
特に落語という新しい趣味が出来たのは、本当に喜ばしい。
来年も素晴らしい作品に巡り合えるように、アンテナは幅広く張りつつ、今ある趣味をさらに掘り下げていきたい。

今年触れたすべての素晴らしい作品・イベントに、心からのお礼を。
そして、来年もよく生きて行こうと思う。
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