眼鏡のはずし方.1

※初めての方はこちら「プロローグ」、「このblogの趣旨」からお読みください。

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さて、そんなこんなで前々回のエントリ「眼鏡」にて、こんなコメントをいただいていました。


Unknown（2009-10-30 19:05:39）さんより

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うん、黒斎さんが言っておられることはよく分かるんだけど。

その眼鏡をはずす方法。

その眼鏡が、自分の煩悩、観念、思考ならば、自分が、眼鏡をはめていることに気づき、その眼鏡の自分をよく見て、よく知ることが、はずすことになるのかな？

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うん。その通りだと思います。

とはいえ、簡単そうに見えるこのことが、実際には難しくて、というか、具体的にどうすればいいのかといったことと結びつかず、何度話しを聞いても結局わかったようなわからんような…、となっているんだと思います。

でしょ？


じゃあ何でたかが「眼鏡をはずす」程度のことができないのかというと、その一番の原因が「自分で眼鏡をかけている自覚がない」ということだからなんです。

「は？そんな眼鏡なんて初めからかけてないもん」と。

どうしても話はそこからになっちゃうんです。

本当の眼鏡のように、物質としてそこにあれば話は簡単なんですけどね、それを見せて「はい、これが眼鏡です」って、それでいいんだから。

もっと言えば、それが物質なら、他者がはずしてあげることだってできるんですけどね。

でも、ここでお話している「眼鏡」ってのは「思考」や「観念」といった、物質として存在していない、目に見えるものではない「思い込み」ですから、「その眼鏡の存在を証明してみせろよ、その眼鏡が何なのかを示してみろよ」と言われてもできないわけです。

「自分の思考や観念」の話ですからね、本人にとっては当たり前のことすぎて、これだよって示されても、てんで通じないんです。だから、結局は自分で気付いてもらうしかないんですよ。

そんなこんなで、たかが「眼鏡をはずす」という誰にでもできそうなことが難しいことになってしまいます。


実はこれ、洗脳にかかっている人が、自分の力で洗脳を解くのと同じような話でね。

自分が何かの暗示にかかっているという自覚があるのであれば、それはもう洗脳にかかっている状態ではないわけで。

自覚がないからこそ「洗脳」ですからね。


ここでお話している「眼鏡」。

これ、いままでは「煩悩」だとか「思考」だとか「観念」だとか「思い癖」だとか「エージェント・スミス」だとか、色んな言い方をしてきましたが、今回はそれを「暗示」としてみましょう。


「自分で眼鏡をはずしましょう」というのは、洗脳されている自覚のない人が「自分で暗示を解きましょう」と言われているようなもんなんです。

洗脳されている人に「あなたは洗脳されているから暗示を解く必要があります。そうしないと、この先の人生も、現実が見えなくなったまま生きることになるんですよ」なんて言っても、「いやいやいや失礼な！俺は洗脳なんてされてねぇよ！何だよ善人ぶったその態度。そうやってまるで俺を悪者みたいに扱うお前の方がよっぽど怪しいって！むしろお前の方が何かに洗脳されてるって！」ってなりますよね。

うん。なって当然ですよ。だって自覚がないんだもの。だからこその洗脳だもの。


だからね、何かの拍子に

Σ（￣Д￣；）ハッ!　「えっ！？やっぱ俺、洗脳されてたの…？」

って気付くきっかけがないと、真剣に「洗脳を解こう」なんて思えないわけです。


で、そういう気付きってのは、大概が痛い目に遭ってこそですよね。

それこそ最近はコメント欄でも珍国際さんが「カルトだカルトだ」と書き込みされてますけどね、実際にカルト宗教なんかで洗脳されちゃってる人の中には、財産すっぽり持ってかれただとか、麻薬盛られただとか、痛い目に遭っちゃっている人もいるわけで。

「あれ？なんかおかしいぞ？」ってなってる時にはすでに何かしらの痛手を負っちゃっている可能性がありますよね。

それでもやっぱり早期発見、早期対処をした方がいいに決まってますから、誰かより先にその「洗脳」の存在に気付いた人は、「痛い目に遭う前に洗脳を解け！思考をとめる訓練をするんだ！」って言い出すんです。

だって「暗示」は「思考」があってこそですからね。

「思考」がなくなれば、同時に「暗示」もなくなるんです。


で、「痛い目に遭う前に洗脳を解け！」って言う人もまた色々いまして、まぁ言うなれば「洗脳の解け具合レベル」ってのがあってですね、すっぱり抜け出ている人もいれば、いまなお脱洗脳中ですって人もいるんです。

その洗脳のクリアレベルに差があったとしても、「洗脳されていた」という自覚があるということは共通していますから、どんなに洗脳の抜け具合が浅い人でも、「暗示が解けた後には、本来の世界の見え方がある」、というそのことは既に知っているわけです。

暗示のかけ方も、洗脳や催眠術の仕組みも、そんなことは聞いたことも習ったこともないからうまく説明は出来ないけど、でも、こうして「自分が洗脳されていたという事実は自覚出来ているんだ！」という人がいたってなんの不思議もないし。っていうか、僕自身がこんな感じですよ、実際。

僕はその自覚のあと、「洗脳に気付こうよ！」ってことを伝えたくてこんなブログを始めましたが、中にはあえてそういったことはせずに、「自分で洗脳を解けだなんて、そんなこと言ったって無駄だよ。やっぱり自分が実際に痛い目に遭わないことには気付くことなんて出来ないさ。それに、その痛みのおかげで洗脳が解ける可能性があるんだから、その人にはその痛みこそが必要なものなんだ。だから僕は何も言わない」なんて考えの人もいるでしょうしね。もっと別な考えを持っている人もいるでしょうし。


あ、少し話が逸れましたね。

で、その「眼鏡（暗示）をはずす方法」なんですけどね、まずはやっぱり、「う～ん、洗脳されているなんて全然思えてはいないんだけど、そういう可能性があるってことを認めてみようかなぁ…」という気持ちを持つことが第一歩となるんです。

それが発展して、「よし、本気で洗脳を解いてやるぞ！」となると、以前お話した「預流向」ってことなんですけどね、ここに行き着くまでもまた一苦労なんです。

何でかっていうと、その暗示の根が想像以上に深くて、脱洗脳を試みる自分に「脱洗脳を試みるだなんて、そんなことして大丈夫か？いいのかぁ、自分が洗脳されているという前提を認めるような行動をしても。もしかすると、騙されてるかもしれないぞぅ。逆に、そうやって本当に洗脳されちゃうかもしれないぞぅ～！」って、「暗示そのもの」が自分を抑えにかかりますから。


え～。

長くなりそうなので、いったんここで切りますです。


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