【OPナレーション】
花が咲いても 人は泣き
その泣き声は 蝉時雨
月は晴れても 心は闇で
逃げてさ迷う 雪の中
一年三百六十五日
鴉の鳴かぬ 日はあれど
悪人笑わぬ 日とてない
恨みを断ち切る 仕切人
浮世の気晴らし なすってくだせえ
(語り:市川段四郎)
【キャスト】
お国:京マチ子
勇次:中条きよし
勘平:芦屋雁之助
新吉:小野寺昭
虎田龍之助:高橋悦史
お清:西崎みどり
日増:山本陽一
お勝:ひし美ゆり子
【EDテーマ:櫻の花のように】
とめどなく なみだ こぼれたときは
その肩を そっと 抱いてあげるよ
しあわせにそむき 歩けば寒い
長すぎる冬の 終わりはないさ
一度だけ生きて そして死んでゆく
だからこのまま 恋に溺れて
櫻の花のように
散るのがいいさ 散るのがいいさ
あゝ 櫻の花のように
(歌:中条きよし)
【必殺仕切人について】
作成中!
【ストーリー】
奉行所では大雨で崩れた橋の補強工事をすることになり、仕事熱心で生真面目な年番役同心・岡崎がその担当者になった。
普請元(ふしんもと、工事業者)は入れ札で選ばれることになり、落札を目論む三州屋は岡崎を買収しようとするが失敗し、第二の手として岡崎の妻・志乃に目を付けた。
三州屋の手下・弥助は志乃を尾行し、偶然にも彼女が女たらしの飾り職人・清吉に体を奪われる現場を目撃。
弥助は清吉を抱き込むと、彼を使って志乃に各業者の見積もり額を調べさせ、それを元に三州屋は工事を落札した。
わずか一両の差で落札を逃した相模屋は入れ札の不正を訴え主水は調査を開始するが、その頃岡崎は志乃が不正に加担したことに気付き、志乃と離縁すると奉行所にて切腹する。
三州屋や清吉の悪事はともかく、貞淑な妻だった志乃の心変わりが信じられない主水は清吉の元に転がり込んだ志乃を訪ねるが…。
【知ってるゲスト】
市原悦子、寺田農、谷口完、五味龍太郎、松田明、出水憲司、田中弘志
【名シーン】
①志乃の心変わり、そしてその結果
↑物静かな夫婦の食事…岡崎に相手にされず志乃の心は次第に離れる。
個人的には真面目な亭主が一番だと思うけど、だめなのかねぇ。
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↑清吉に手籠めにされる志乃。
「いや、やめて」と言いながら清吉にしがみつく…まるで昼ドラのような展開だ。
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主水は清吉を問い詰める。
清吉「旦那、俺はあの女、手籠めにした覚えはねえぜ」
主水「なんだと?」
清吉「あの女は好きで俺に抱かれたんだ」
主水「いいかげんなことぬかしやがると、ただじゃすまねえぞ」
清吉「本当だよ…狂ったように俺に抱きついてきやがった。
女なんてのは、一皮むけゃどれもこれも薄汚ねぇメス猫だ」
志乃は清吉の家に転がり込んだようだが、清吉にとっては邪魔者にすぎない。
主水「おめえみてえな野郎は地獄へ落ちろ」
このあと清吉は印玄によって地獄行きに。
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主水は清吉宅にいる志乃を訪ねる。
志乃は食事を作り、清吉の帰りを待っていた。
主水「岡崎さんは切腹しましたよ」
志乃「存じてます。あの人とは離縁しました。何の関わりもありません」
主水「奥さん、あんたそれじゃあ本気で清吉と…あんた騙されてるんだ」
志乃「うふふ…嘘です。あの人はそんな人じゃございません」
志乃はすでに清吉の虜になっているようだ。
主水「奥さん…清吉は帰ってきませんぜ」
↑岡崎の死にも全く動じない志乃。
「女の恋は上書き保存」-もう元夫のことは完全に眼中にないようだ。
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帰らぬ清吉を求め、志乃は彼を探し歩く。
志乃「清吉さんどこに行ったか知りません?
清吉さんがどこにいるか教えてください…」
↑一時の過ちから全てを失った志乃。
↑決して戻らない清吉を探す志乃を見つめる主水。
主水の心に去来する思いは一体どんな思いだったんだろう。
②主水殺しシーン
↑ものすごい殺気!夫婦の仲を引き裂いた三州屋に主水の怒りが爆発!
③ラスト
帰宅した主水にせんりつは食事もさせず障子貼りを命じる。
主水は文句も言わず二人の嫌がらせに応じる。
主水「いいんだ、いいんだ…これでいいんだ」
↑日常を喜ぶ主水で終わり。
やるせなさの残る回でしたが、主水さんの笑顔に救われました。
【ストーリー】
丹波屋の女房・おせきが自害した。
丹波屋の妾・おきぬは喪も開けないうちに丹波屋の後妻に収まるが、丹波屋の女中・おかよはおせきの自害が信じられず仇討ちをおこうに依頼。
赤ん坊だったおかよは母に捨てられ置き去りにされたところをおせきに拾われ、これまで育ててもらった大恩があったからだ。
そのおかよは丹波屋でおきぬと顔を合わせることになったが、おきぬにはおかよの素性に心当たりがあった…なんとおきぬこそおかよを捨てた産みの母だったのだ。
そして実はおきぬの兄・伝蔵こそおせき殺しの下手人であり、伝蔵はかつておかよの父まで手にかけていたのだ。
悪行三昧の兄妹の今回の狙いは丹波屋の身代であり、やがて二人は丹波屋も殺してしまう。
このままでは兄妹の思うつぼだが、今回の仕置は娘が母親を殺すも当然なので仕置屋たちは簡単に動けない。
おこうはおかよに「仇が母親でも殺せるか?」とそれとなく尋ねるが、おかよはおせきこそ母親だと言い、仕置の意思を変えることはなかった。
おかよの意思を知り主水たちもついに動き出すが、兄妹もおかよを怪しみだし彼女を始末しようと企んでいた。
【知ってるゲスト】
荒砂ゆき、長谷川明男、葵三音子
【名シーン】
①一筆啓上 三音子が見えた
主水はおはつの店に食事に行くが、おはつは謎の娘・おみねとのお喋りに夢中。
おみねはおはつにお嫁さんに行きたい男性について尋ねる。
おはつ「若くって…逞しくって…陽気で明るい人がいいわ!」
おみね「そうねぇ」
おはつ「いつもぼやーっとした人なんて頼りないじゃない!」
おみね「そうよねぇ…そいでさ、どんな顔かたちの人?」
おはつ「もちろん、丸顔よ!」
いつもぼやーっとした馬面の主水はげんなりして帰ろうとする。
おはつ「おじさん、帰っちゃうの?」
主水「今日は食う気になれんね…あの恋もぉ過ぎてみればぁ~かぁ」
おみね「おじさん、違うわよ!
あの恋も~過ぎてみれば♪…おじさん調子外れねぇ!」
主水「生まれつきだよ…」
↑接客はしてもらえない、悪口は言われる…散々な目にあう主水。
おはつと喋っているこの娘は一体誰なんだ!
↑おみねの正体はED「哀愁」を歌う葵三音子さんでした。
声の感じよりずっと若い娘さんでびっくり。
ていうか必殺のED歌手って若い娘が多くて驚くけど^^;
②おかよの意思
おかよ「あたしのおっかさんは、亡くなったおかみさんより他にいません」
おかよ「もしあのおきぬがあたしの産みの親だとしても、
きっとおばさんに同じように頼んだと思います」
↑非情な産みの親より、恩ある育ての母を選んだおかよ。
結果、おきぬは仕置されるけど丹波屋での死人は三人目。
おかよが死ななかったのはよかったけど、疑われそうで心配(てか依頼人…)。
③非情なる母親・おきぬ
おきぬ「おかよを殺そうよ…」
伝蔵「やっとその気になったか…実は俺は心配してたんだよ、おこま(おきぬの本名)。
おめえが世間並みの女みてえに、腹を痛めた我が子だからとかなんとか御託並べるんじゃねえかとな」
↑一時は娘・おかよの殺しをためらっていた節もあるおきぬ。
多少の親心はあるのかと思ったけど、結局金に目がくらみ恐ろしい本性を現す。
④どうでもいい一コマ
↑クソ同心がクソ坊主を追いかけるシーンに映る張り紙。
何かと思ったら「ハサミで切るぞ=立小便するな」の意味らしい。
⑤主水殺しシーン
主水「バカ野郎」
↑主水に仕置される二人はついさっき登場した雇われ盗賊。
伝蔵の話に乗らなければ死なずにすんだのに、本当に「バカ野郎」です。
【ストーリー】
松雲寺では住職・春慶の元で博打が行われ、寺社見廻り同心筆頭・榊はそれを見逃す代わりに賄賂を受け取っていた。
そんなある日、伏見屋の主人が賭場でイカサマを行ったため殺され、その遺体は寺の墓地の空き地に埋められてしまう。
寺は寺社奉行所の管轄ゆえ町方では手を出せないが、ひょんなことから主水は伏見屋の女房の依頼で伏見屋の捜索をすることに。
一方、榊家では、榊のおいであり寺社見廻り同心でもある清太郎が自害した。
彼の自害は病を苦にしたものであったが、榊の悪事に加担することに耐え切れなくなったのも原因のようだ。
榊には子がなくこのままでは家が絶えてしまう…そこで榊は口減らしのために町人に婿入りさせた清太郎の弟・清二郎を呼び戻すことになった。
その清二郎はすでに清吉と名を変え、お篠という女房もある身。
おじの命令は到底承服しかねるものであったが、結局お篠を捨て侍に戻る以外道はなかった。
が、清吉もやがて賭博のことを知ると兄と同じく嫌悪感を抱き、奉行に訴え出られたくなければ自分をお篠の元に戻せと榊を強請る。
危機を感じた榊は清吉を殺し、お篠は敵討ちを捨三に依頼…こうして伏見屋の女房とお篠、二人の依頼が結びついたが、その頃、南町奉行所が伏見屋の遺体探しに松雲寺に乗り込もうとしていた。
【知ってるゲスト】
戸浦六宏、吉沢京子、大橋壮多
【名シーン】
①特になし
↑江戸時代でも現場に綱張ってたりしてたんだろうか??
【ストーリー】
父である札差・浜田屋の自殺に衝撃を受け、正気を失った娘・おりん。
両替商の三原屋は彼女を引き取り、医者に診せながら面倒を見ていた。
そんな中、おこうは三原屋へ髪結に訪れるが、ふと家人がいなくなった刹那、おりんは真顔で「父の仇の三原屋を殺してほしい」と訴えると彼女が持っていた人形を託した。
おりんは正気を失ったフリをしている-にわかには信じがたい話であったが、主水はとりあえず三原屋の調査を開始した。
そんな主水の姿を見て三原屋とその手下・浅吉の方も警戒し始めた…実は浜田屋の自殺は彼の札差の株を狙う三原屋と浅吉の仕業であったのだ。
その現場を目撃したおりんは、父から預かった株を隠すために正気を失ったフリをした…これが事の真相だったのだ。
しかし三原屋は浅吉におりんを強姦させてついに彼女の仮病を暴くと、おこうの店から人形(株が隠してあった)を奪ってしまった。
真相を知った主水はおりんの安否を気にかけつつ、浅吉が主水に掴ませた金を仕置料に三原屋へ向かうが…。
【知ってるゲスト】
大関優子、稲葉義男、蟹江敬三
【名シーン】
①おりんの狂言
↑正気を失ったおりん。だけどこれには秘密があった。
おりん役・大関優子さんも必殺ではよく見る美人女優。
クモ膜下出血になり現在は療養中だとか…早く良くなってほしいですね。
②印玄殺しシーン
印玄は浅吉を外に誘い出すが、彼は投剣の名手。
印玄「やるぅ!」
次々に飛んでくる小刀で近づくこともできず、落とした仕置料一両まで串刺し!
やがて印玄のイラつきも頂点に。
印玄「あぁ~もう頭来た!」
浅吉が徐々に戸の外に出始める。
印玄「溜めて!溜めて!引いて!引いて!」
浅吉を誘導し、頃合いを見て印玄は持っていた縄を引く。
縄の先の浅吉は脚をとられ、見事に転倒!
印玄は浅吉を雁字搦めにし、屋根の上から転落死させる。
↑BGMがコミカルなvs浅吉戦。
↑屋根の上から普通に突き落とすパターンはすっかりなくなったなぁ。
③主水&市松殺しシーン
↑稲葉義男さん、彼もまた七人の侍の一人。
必殺では仏面した悪役が多い^^;
↑おりんは首を吊ってしまい、結局助けることはできず…。
【ストーリー】
南町奉行所の筆頭与力が亡くなった。
奉行・鳥居耀蔵の鶴の一声で後任は三人の有力候補の中から入れ札で選ばれることになり、奉行所内では激しい選挙運動が勃発!
この騒動に目を付けた泉屋の愛人・お袖は、候補の一人・日暮に近づき泉屋を彼の後ろ盾とさせたが、これには『日暮を筆頭与力の地位に就かせることで泉屋を奉行所御用達商人にする』という目的があった(それを手柄に泉屋の後妻になることが真の目的)。
だが投票までもう時間がない…そこで泉屋は殺し屋を雇い、別の候補の後ろ盾・檜屋を始末した。
その死は溺死に見せかけられたが、主水は遺体の首筋に刺し傷があることを発見し、市松に疑惑の目を向け始める。
この事件は檜屋の女房を頼み人とした仕置の案件となってしまい、市松との対決に気が滅入る主水であったが、当の市松には下手人の心当たりがあった。
その男は畳職人・勘助-彼は畳針を得物とする市松の殺し屋仲間だったのだ。
その頃、別の候補の後ろ盾・越後屋までお袖に殺され、主水たちはその悪事の証拠と彼らが勘助を使って檜屋殺しを行ったことを知る。
【知ってるゲスト】
志村喬、神田隆、稲野和子、内田勝正、近藤宏、花紀京、永野達雄
【名シーン】
①ついに鳥居耀蔵登場!
↑これまで話には度々登場した奉行・鳥居耀蔵が登場。
演じるは志村喬さん。
ちょうど「新仕舞人」の七人の侍回を見たところだったけど、
志村喬さんは七人のリーダー・勘兵衛を演じている。
②主水の予想
千里(ちさと)は三候補の投票数を予想する賭けをはじめた。
主水も声を掛けられるが…。
主水「恐らく一票も入らないんじゃないかな。
考えてもみなさい。
あんな馬鹿に大切な票を入れる奴が、どこにいるもんですか。
ま、入るとすれば己が己に入れる一票くらいなもんじゃないですか」
主水は一候補に一票と予想し、合わせて三文を賭ける。
↑大阪から来た研修に来た同心・千里に扮するは花紀京さん。
③市松vs勘助
市松は勘助を殺すため、飲みに誘う。
だが、用心深い勘助は鉄板を仕込んだ襟巻を身に着けていた…。
勘助「首切りの浅右衛門でも、年老いてからは一太刀では難しかったらしい」
市松「俺はまだ年は取っちゃいねえ」
勘助「俺のことだよ…夜の仕事は、あのわずかな隙間を掴みにくくなった…」
市松「そんなもんかね…」
竹串でちくわを食べていた市松は素早く勘助の胸を刺す。
勘助も畳針で市松の胸を突いていたが…針は市松の手に刺さって遮られていた。
↑仲間であった勘助との静かな対決。
EDの尺八アレンジBGM「沈痛」がいい味を出している。
↑老いを気にしていた勘助。
全盛期なら市松と相討ちだったかもしれない。
静かな対決のあと、いつもの殺しBGM「仕置」が流れるのもグッド。
④結果発表!
入れ札の結果発表が始まったが、そこに奉行がやって来た。
奉行は筆頭与力は自分が兼務すると言い出し、三候補は怒鳴られてしまう。
鳥居「村野、参考までに結果を読み上げろ」
村野「はっ…樋口又二郎殿、一票。水沼清之進殿、一票。日暮三吉殿、一票…」
鳥居「ふっふっふっほほほ…自選の一票だけか。人望がないの」
予想が当たり主水はガッツポーズ!
主水「ざまあみやがれ、見事な仕置だ。ところで配当は…」
計算高い主水さんで終わり。
↑村野様の司会が個人的に面白かったです。
↑「人望がないの」の一言で全てを終わらせた奉行。
最初と最後にちらっと出ただけなのに、すごい存在感でした。
↑珍しく賭けで勝った主水さん。
胴元の千里も寺銭二割もらえて大喜び。
【ストーリー】
隠岐島には祭りの時期になると海賊が上陸し、金や食料、若い娘を奪い、人々を虐殺していた。
しかし今年、村人たちは四人の浪人(勘兵衛、五郎次、久造、菊千代)を雇って海賊の撃退に成功し、ようやく村に平和が戻った。
それを聞きつけ京山一行も島を訪ねるが、なんと今度は浪人たちが島でやりたい放題!
居酒屋の娘・お民は五郎次と久造に犯され、それを恋人の平八(庄屋・儀作の息子)に知られたため身投げしようとするが、彼女を救ったのは浪人の一人・菊千代だった。
実は彼は元百姓で、浪人の中でただ一人、純粋に島の人々を助けようとしていたのだ。
五郎次と久造は海賊によって両親を失った哀れな娘・お春をも襲おうとし、それを邪魔した菊千代を殺した。
結局お春は犯され、彼女はショックで自ら命を絶ってしまう。
【知ってるゲスト】
上野山功一、五味龍太郎、高峰圭二
【名シーン】
①浪人たち登場…しかし
↑おい、てめえゴミリュウじゃねーか!あんたら本当に善人か!?
↑しかもモミアゲまで登場!これは猛烈に嫌な予感(笑)
ちなみに今回は邦画ながら日本語字幕がないと分からない名作「七人の侍」を意識した回。
勘兵衛、久造(久蔵)、菊千代、儀作、平八など登場人物の名前も「七人の侍」と同じ。
一つ違う点は、浪人たちが実は超絶悪党だった点!
②晋松殺しシーン
↑お春を犯したロリコンゴミリュウとの対決。
ふすまを突き破ってゴミリュウを引きずり出すダイナミックな技!
【ストーリー】
長崎で興行中の京山一行の元に羅紗緬の娘・おさよが『有田への手紙を預かってほしい』と頼みに来た。
しかし彼女は手紙を渡すこともできず、お付きの侍に連れ戻されてしまう。
その夜、鎌倉から権太が到着し、依頼の書いたこよりには『有田大川内窯 猫の籤(くじ)』という謎の言葉。
さらに、権太は小屋の近くでおさよが抱えていた猫を拾ってきていたのだが、その前脚にはべっとりと血が…詳細は分からないまま、一行は猫を連れて有田へ向かう。
有田に着いた一行は、陶工の頭・陶斉の世話になるが、陶斉の娘・お俊はおさよの猫に気付き顔色を変えた。
猫を拾うまでの経緯を聞いたお俊は『おさよは殺されたに違いない』と語り、『猫の籤』についての秘密を語り始めた-。
有田で作られる陶器は長崎のオランダ商人にも売り渡されるが、その際、彼らの妾になるために村から一人の娘が選ばれていた(御支配・牧内の企み)。
候補者の娘たちの中から一人を選び出す役目を負っていたのが一匹の猫であり、これが『猫の籤』だったのだ。
選ばれた娘は自分を選んだ猫と共に長崎へ向かい、一年後には勤めを終えるはずなのだが、誰一人としてその後の消息が知れないという。
おさよの猫だけが戻って来たこと、これがおさよが殺された証拠だと断言するお俊に同調し踊り子たちも騒ぎ出すが、かの猫はすでに殺されたようだ…。
一方、陶斉は密かに京山を訪ねて自分が本然寺への頼み人だと告白し、五日後に行われる猫の籤の日にそれを行う男たちを始末してほしいと頼む。
猫の首輪に隠されていたおさよの手紙を見つけ、羅紗緬になった娘たちの悲惨な行く末を知ったお俊は、籤の候補者に選ばれてしまったお甲に代わり密かに猫の籤に参加する。
【知ってるゲスト】
仁和令子、外山高士、田畑猛雄
【名シーン】
①踊り子たちの化け猫騒ぎ
↑お俊に協力し、おさよの幽霊騒ぎを起こす踊り子たち。
今作は彼女らの活躍が増えた分、直次郎の出番が激減…。
②猫の籤の秘密 その1
↑候補者たちの前に置かれた木彫りの魚…猫が選んだ魚の前の女性が羅紗緬に。
賄賂を渡さなければ魚はマタタビの匂い付き、つまり猫が選んでしまう。
↑覆面の下は猫より可愛い仁和令子さんでした。
正義感が強く気の強い娘・お俊を熱演!
③猫の籤の秘密 その2
猫の籤を行っていた男の一人はお俊をかばって仲間に斬られてしまう。
京山は斬られた男の面を取る…それはお俊の父・陶斉だった。
陶斉「おうちが仕舞人だったとですか…」
京山「あなたは自分も私たちの手にかかって死ぬつもりだったんですね」
陶斉「村のためだと騙されて、猫の籤で人身御供ば出しとったとです…
そん罪はこの命で…命で償わねば…娘たちにすまんかったとです」
京山「お俊さんは知らなかったんですね…あなたが手伝っていたってことを」
陶斉はうなずき、そして息絶えた。
↑悪役が多い外山高士さんが裏のある善人役を演じる。
「親の心子知らず」を描いた良回でした。
【ストーリー】
ヤクザの辰五郎一家によって上州藤岡宿は牛耳られ、一家に逆らった百姓・嘉助は責め殺され、その女房・おふみも宿場女郎に貶められてしまった。
一人残された夫婦の幼い娘・お千代は父親の遺言を頼みに仕置屋を求めて江戸へ向かい、ようやくおこうの元へ辿り着く。
ちょうどその頃、主水は辰五郎一家を調べに行くように奉行所から命じられたため、仕置屋一行は揃って上州へ向かうことになるが、彼らの行く先々には謎の男・疾風の竜(はやてのりゅう)の姿が。
竜の動きを怪しみながらも辰五郎を狙うため、捨三と印玄は一家の元に潜り込むが、辰五郎は女を抱いている時すら部下の四天王を身近に置くという警戒ぶり。
市松も辰五郎宅の上り框(あがりがまち)に潜み隙を狙うが、その頃、屋根の上には何かの機会を窺う疾風の竜が…。
果たして仕置屋たちは辰五郎を始末できるのか、そして疾風の竜の正体とは?
【知ってるゲスト】
中村敦夫、北村英三、島米八、阿藤海、古川ロック、蓑和田良太、松田明
【名シーン】
①謎の渡世人・疾風の竜
↑疾風の竜も方も主水たちを警戒しているようだ。
仕業人で共演する二大俳優さんでもあります。
②市松&疾風の竜殺しシーン
強風から辰五郎を守るため、四天王が壁を作る。
さらに草履を履きなおそうと辰五郎が腰を下ろした…。
その隙を狙って市松と疾風の竜が同時に飛びかかる!
↑疾風の竜、彼もまた辰五郎を狙っていた仕置人だったのだ。
③仕置屋と疾風の竜
帰り道中、再び疾風の竜が現れた。
市松「さっきはなかなか見事だった」
竜「なあに、おめえさんの腕には敵わねえよ。
俺はただ捨て身で飛びかかっただけだ」
主水「ところで、おめえさんの頼み人は誰なんだ?」
竜「その前に、おめえさんたちの頼み人は誰なんだい?」
主水「えっ…それは…」
竜「お互いに言えねぇはずだぜ…先急ぐんでな」
竜はクールに去って行った。
捨三「かっこいいなぁ!」
印玄「市松、おめえも負けそうだぜ!」
主水「じゃあ、あっしも先を急ぎますから」
捨印「えっ!?」
↑仕置屋が終わった後はもちろん仕業人をまとめます!
【ストーリー】
秩父の修行僧・全覚の元で荒行を行っていた油屋の息子が死に、その母親がおこうへ全覚の仕置を依頼した…が、主水は全覚の正体を知り二の足を踏む。
全覚(本名は木原)はかつて主水と同じ道場で剣を学んでいたがその後師匠・田所を斬って失踪した男であり、その剣の腕前は主水よりも上だったのだ。
主水は木原に直接会って師匠との斬り合いの真相を問いただすが、木原は語らない…。
一人先走った市松も木原の仕置に失敗し、師匠の仇を討とうとした田所道場の門弟・小出も返り討ちに合い殺された。
主水は田所の死の真相を聞きだし、木原との決着をつけるため決死の覚悟で残りの二人の門弟と共に秩父へ向かう。
【知ってるゲスト】
石橋雅史、田中弘、汐路章
【名シーン】
①首切り役・中村主水
↑珍しい主水の首切りシーン。
首切りって専門職かと思ったら、実は同心の当番制だったそうです。
そしてこの”侍”中村主水が仕置した件は、この回の主水に影を落とすことになる。
ちなみに殺され役は汐路章さん、これは名悪役の無駄使い(笑)
②木原の発言まとめ
木原「殺すか、殺されるか…道は二つに一つと子供の頃から教えこまれてきた」
木原「強い相手を求めて次々と倒した。私は剣に溺れていたのだ。
剣を持つ者がいずれは行きつく業苦の世界だ」
木原「あの業苦の世界から逃れるには、所詮己を殺す以外に道はないのだ」
木原「私は生きながら死ぬ道を求めて、仏にすがった。
だが、自ら地獄に落ちた男は仏すら救ってはくれぬのだ」
木原「一人でも人を殺してしまった者には、未来永劫、救いの道はないのだ。
どうすればいいのだ、私はどうすればいいのだ…」
ひとしきり語った木原に、主水は声をかけた。
主水「そういうあなたが、なぜ小出を斬ったのですか?
木原さん、逃げてください…お願いだ」
↑師匠・田所を斬ったのは木原だが、先に仕掛けたのは実は田所だった。
↑どうして主水は木原に「逃げろ」と言ったのだろうか。
木原に半ば同情を寄せる主水には彼を斬ることはできないし、
挑んだところで勝ち目はなく、それはまた木原が業苦に身を焼かれるということだ。
だがこの場に留まれば、やがて二人の門弟も斬ってしまうだろう。
その果てに待っているのもまた業苦の世界だ。
右を見ても左を見ても業苦しかないから、この場をやり過ごす最善の選択
(木原も門弟も助ける)は、「逃げろ」しかなかったのかも。
しかし、木原は逃げたところでまたいつか人を斬るだろう。
彼の言う業苦から逃れるには、一体どうすれば…。
③主水vs木原、その結末
木原は襲い掛かって来た二人の門弟を斬り殺した。
そこに現れた主水であったが、木原に斬られるイメージしか沸かない…。
木原「斬れ!!」
背を向ける木原にそう言われても主水はどうしても斬りかかれない。
やがて木原は自らの首を刀で掻き斬って自害…。
木原の亡骸を前に、主水は片合掌する。
↑再び人を斬ってしまった木原…その姿は市松の言う通り鬼だった。
↑仏の道でも、殺しのプロである主水でも木原を救えない。
それを悟った木原はついに自害の道を選んでしまう。
いつもの必殺らしからぬ、一風変わった回でした。
【ストーリー】
香具師・巳代吉は元締・喜三郎の逆鱗に触れ破門された。
巳代吉は親しくしていた女郎・お仲に泣きつくが、彼女たち女郎にとっても喜三郎は恨むべき存在-喜三郎は代官・大山と手を組み騙して連れて来た娘たちを女郎として売り飛ばしており、お仲もその一人だったのだ。
お仲はおこうに喜三郎の仕置を依頼してしまうが巳代吉にとっては寝耳に水…彼は親分の喜三郎を殺したいほど恨んではいなかったのだ。
そんな時、藤造という男がお仲を訪ねて来た。
藤造は喜三郎の悪行を密かに調べている代官所の役人で、お仲にも話を聞かせてほしいと言うのだ。
巳代吉は藤造の話を土産に喜三郎に許しを請いに行き、喜三郎の命じるまま藤造を殺し、お仲に心中を持ち掛け自害させると、藤造とお仲の心中に見せかける。
お仲はなんとか命が助かるが、巳代吉のことを知らぬまま心中者の片割れとして晒され、奴女郎にまで落とされてしまう。
【知ってるゲスト】
石橋蓮司、横山リエ、長谷川弘、五味龍太郎
【名シーン】
①ラスト
↑お仲は最後まで巳代吉のことを知らず。
同情はするけど、ちょっと見る目がなさすぎ。
【ストーリー】
河内へやって来た京山一座は木綿問屋を営む庄屋・百舌屋丑造の世話になることに。
が、この百舌屋、織り子たちに片っ端から手を出す女好きの助平で、早速踊り子たちにも手を出そうとするが彼女たちを救ったのは百舌屋の女房・おこのだった。
夫婦には子供がなく夫婦漫才のような喧嘩が日常茶飯事であったが、百舌屋は織り子に手を出す一方でおこのが子供を産めるよう鍼医者・玄敬に治療させ、おこのの方も百舌屋に内緒で彼が手を付けた織り子たちを玄敬に診せ、鍼で不妊治療を行っていたのだ。
そんな中、百舌屋が手を付けておこのが玄敬に治療させた織り子が突然変死…同じように変死した織り子はすでに三人目らしく「百舌屋が織り子を責め殺した」という悪い噂も立ち始めた。
しかしこの織り子たちの変死は、代官手代・谷の指示で玄敬が鍼によって引き起こしていたものであった。
百舌屋の身代を狙う谷たちは、百舌屋の悪い噂を本然寺へ伝えることで彼を仕置させようとしていたのだ。
そんなこととはは露知らず京山たちは百舌屋とおこのを仲直りさせるが、ようやく受け取った本然寺からの依頼には谷の企み通り百舌屋の名前が…。
決して悪人ではない百舌屋が標的になっていることを訝る京山であったが、その頃夫婦は谷たちの企みを偶然聞いてしまい口封じに殺されていた。
【知ってるゲスト】
藤岡重慶、正司花江
【名シーン】
①百舌屋とおこの
↑正司花江さんとの掛け合いに違和感がないと思ったら、
藤岡重慶さんも関西(兵庫)出身だったんですね。
【ストーリー】
桑名に入った一行は、名主の許可を貰い河川敷に小屋掛けをするが、そこへヤクザたちがやって来て「ここは鳴海屋の私有地だ」と言って小屋を破壊。
京山は話を付けるために鳴海屋を訪ねるが、なんと鳴海屋は京山に一目惚れし彼女を妻にしたいと言い出した!
強引な鳴海屋に押し切られ彼の屋敷に厄介になることになった京山は、そこで権太の到着待ちつつ、先日のヤクザたちの親分・辰五郎を見張ることに…鳴海屋によれば彼は竹馬の友らしいのだが、京山には怪しく思えたのだ。
事実、辰五郎は「鳴海屋の仕事を紹介する」と言って他所から海人たちを連れて来ては彼女らを女郎に貶めていたのだが、それを知った鳴海屋の娘・お美津は父親を毛嫌いし家を出て行き、今は女船頭をしながら海辺の小屋で一人住まい。
お美津は京山や晋松に心を閉ざし詳しくは話さなかったが、ようやく届いた本然寺からの依頼(依頼主は女郎たち)には悪徳役人や辰五郎と共に鳴海屋の名が入っており京山も驚く。
だが、実は鳴海屋は悪徳役人や辰五郎に名前だけ使われていただけで、女郎のことなど何も知らなかったのだ。
騙されていたことにようやく気付いた鳴海屋は折しも運ばれてきた出稼ぎ海人たちを助けようとするが、ヤクザたちにお美津と共に刺されてしまう。
真実を知りようやく親子は和解するが、その時すでに二人の命は尽きようとしていた。
【知ってるゲスト】
織本順吉、北見唯一、出水憲司、大橋壮太
【名シーン】
①京山と鳴海屋
↑鳴海屋が殺されたことで、恋は実らず。
もし何事もなければ京山師匠はどうするつもりだったのかな。
【ストーリー】
京山の元に向かっていた権太は女渡世人・おきんに博打で負け、身ぐるみ剥がされた上に、勧進興行の許し状まで巻き上げられてしまった。
許し状を返す代わりに鳥取での興行はおきんが仕切ることになり、やがて一行は大山山伏領へ到着し大先達・弁信に興行の許可を願い出る。
貧しい漁民たちが多いため手踊りを見に行く金も暇もないと言って許可を出し渋る弁信に対し、京山はなんとか一晩だけの興行許可を貰うが、貝殻節を聞いた漁民たちはすすり泣くばかりで、興行は山伏たちによって打ち切られてしまう。
そんな中、晋松はおきんが持っていた許し状からこよりを回収するが、その中には弁信たち山伏の名前が…翌朝、京山は漁村に赴き老婆・お勘に話を聞く。
お勘によれば、当地では山伏たちが権力を笠に幅を利かし、娘たちを犯していた-さらに娘が孕んでしまうと無理やり流産させられ、命を落とした娘も多いという。
本然時に訴えを出したのも漁村の人々であり、お勘もまた娘を失いなんとか生き残った孫娘・おきぬも三歳の時に里子に出していたのだ。
一方、京山と漁民が接触したことを知った弁信たちは先手を打ち(彼らは自分たちの悪事が本然寺にバレるのを恐れていた)、おきんを利用して一座を捕らえた。
一座は晋松に助けられなんとか逃げ出し、京山はおきんに真実を伝える-おきんこそお勘の孫娘・おきぬだと。
京山は改心したおきんに一時的に逃げるように説得するが、おきんはお勘に会いに行ってしまう…。
【知ってるゲスト】
佐藤万理、石橋雅史
【名シーン】
①今回のゲスト
↑可愛らしい佐藤万理さんがおきんを好演。
後半はけっこう悲惨な展開になり、明暗の激しい回でした。
ちなみに老婆・お勘役の女優さんは当時47歳で本当は老婆じゃなかったりする。
【ストーリー】
お蝶とお雪姉妹による卑猥な水芸が評判のあけぼの座が火事となり、座長で姉妹の父親でもある六兵ヱが焼け死んだ。
しかし、その遺体の胸には刃物の刺し傷があり、日乃本座の木戸番・紋次の証言によりあけぼの座の裏方・弥吉が下手人として捕らえられ、与力・向坂(こうさか)の手で死罪に。
弥吉の恋人だったお雪は彼の無実を訴えながら首を吊り、それを知った市松たちはお蝶におこうを紹介して、この一件は仕置の案件となった。
実はこの一件は、六兵ヱに恨みを持つ向坂と商売敵の日乃本座の座長・羽左衛門が結託して仕組んだものであり、本当の下手人は紋次だったのだ。
お蝶は引退披露として日乃本座の舞台に立つことになり、そこには客として向坂も来ることに…しかしこれは全て主水たちの企みだった。
【知ってるゲスト】
上野山功一、浜田寅彦、田畑猛雄、千代田進一
【名シーン】
①あけぼの座の本芸
姉妹は水に濡れ、白い着物の下の裸体がスケスケに。
せん「まっ!これが本芸とは、なんと淫らな、なんとはしたない!」
りつ「見せる方もなら見せる方なら、見る方も見る方ですわ!」
せん「りつ、帰りましょう!」
りつ「そうしましょ!」
しかしその時、客席からどこかで聞いたような声が…。
主水「胡蝶さん!」
りつ「!」
胡蝶はその声で花を放り投げ、主水はその花をくわえて拍手!
せん「ムコ殿!!」
せんに怒鳴られ愕然とする主水。
↑二人とも脱ぎシーンが多かったけど、ポルノの人なのかな?
↑卑猥な水芸に呆れるお二人。前に座る八郎もびっくり!
↑役人として視察に来てたわりには、ずいぶん楽しんでました(笑)
②お蝶とモミアゲ
↑お蝶さんが脱ぐシーンは下手な素っ裸よりよっぽどエロい。
そばで見ていたモミアゲも大喜び(笑)
③主水殺しシーン
↑皆が舞台を見ている隙に後ろからブスリ!よくバレなかったな^^;
↑おいモミアゲ、特等席でお蝶さんの芸が見れてよかったな(笑)
モミアゲモミアゲと連呼してるけど、上野山さんは好きな俳優さんです^^;
↑羽左衛門の血水が噴き出す中、モミアゲと紋次の遺体の前で水芸をするお蝶さん。
ちょっとシュールなシーンなんだけど、よく見ると泣いてるんだよね。
復讐はかなったが、父と妹はもう返らない。