名古屋北部青年ユニオン  2012/8/13~

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「夢は正社員」が不評だった本当の理由(わけ)/日野 照子

2015-01-22 | 労働ニュース
民主党CM女性の味方編「夢は正社員になること」に疑問を抱いた人は多いが、実際はどうなのか。イメージ論より、データを見てみよう。

 2014年12月、にわかに降ってわいたような衆議院議員総選挙の選挙戦さなか、テレビ放映された民主党CM女性の味方編。(https://www.youtube.com/watch?v=-ZegL8KOtTM)「夢は正社員になること」「安心して子育てしたいです」「お金を貯めて結婚したいです」という3人の若い女性が出てくる。結婚して子育てしたい、という女性がいてもいいが、"働く女性"に「夢は正社員」と言わせるのは、いくらなんでもセンスが悪い。 案の定、放映直後から、いろいろなところで批判コメントが続出したので、目にしたこともあると思う。いわく、多様性を否定している、非正規をダメなものと決めつけている、正社員を理想化しすぎている、云々。「小さい夢だな」と嘲笑う高度経済成長世代に、「夢が正社員で何が悪いのか」と反論する若者、という派生型も見かけた。 いまさら、そのまま蒸し返しても仕方がない。このCMは、ターゲットが狭すぎたということと、本質的な問題からズレているという二重苦でダメだったというだけのことだ。それよりも気になったのは、当のCMもネット上の反応も、あまりにもイメージ論に過ぎないか、と言うことだった。 総務省の「労働力調査」*1によれば、2013年平均で非正規の職員・従業員は全労働者の36.7%、1906万人おり、その内68.0%、1296万人が女性である。確かに人口の1割もいるのだから無視はできないと思うかもしれない。しかし、この中で「正規の仕事がないから非正規」という人は172万人(14.1%)しかおらず、「転職等希望者」も290万人(22.4%)しかいない。素人目にも、テレビCMでアピールするには少ないような気がする。 そもそも、非正規雇用の女性が、現在の雇用形態についた主な理由を見ると最も多い「家計の補助・学費等を得たいから=328万人(26.8%)」以外の主だった理由は、552万人(42.6%)の人が選ぶ"時間的な自由"*2なのである。非正規雇用の女性の半数以上が35歳以上であり、家事・育児・介護等を支える人が多いと言うさらに根本的な社会問題のせいもあるが、働き方の問題で重要なのは賃金より勤務形態に見える。どうしても拘束時間が長くなる正社員が夢にはなりえない。 結局、正社員が夢、という発想が生まれるのは、非正規雇用者の待遇が悪いというイメージだけなのだ。同一労働同一賃金とはほど遠い賃金格差で年収は低く、

「夢は正社員」が不評だった本当の理由(わけ)/日野 照子

アデランスは相場4倍で和解 セクハラ代償1億円時代へ

2015-01-22 | 労働ニュース
もう魔が差したなんて言っていられない。アデランスの男性店長から受けたセクハラでPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症、退職に追い込まれた元従業員の女性が同社に約2700万円の損害賠償を求めた訴訟は、同社が女性に解決金1300万円を支払うことで和解した。
 セクハラ訴訟の賠償額は100万~300万円が相場だったが、女性の苦痛を考えれば少ないといわれていた。賠償が高額化していたのは事実だが、一気のアップはすごい。しかも、和解金の半分は男性の負担だ。

 ブラック企業アナリストの新田龍氏が言う。
「これまで弁護士と共同で、セクハラやパワハラの被害者の救済に努めてきましたが、男性に半分の負担を求めている上、男性の勤務地を女性の居住エリアから遠ざけるよう求めているのが画期的です。同様の裁判で、このような判決はあまり例がなく、男性にとってはかなり厳しい」


アデランスは相場4倍で和解 セクハラ代償1億円時代へ

職人の世界に労働基準法は適用されるのか? (榊 裕葵 社会保険労務士)

2015-01-22 | 労働ニュース
■職人の世界と労働基準法
ここで私がひっかかったのは「職人の世界」という言葉だ。

料理、大工、工芸といった世界では、確かに通常の会社にサラリーマンとして勤務するのとは違った慣習やルールがあるというのは私も想像がつく。

だが、我が国の労働基準法は、決して「職人の世界」を特別扱いはしていない。

まず、労働基準法第9条では、「労働者」を定義しているが、「職業の種類を問わず」「使用される者」は「労働者」であると言っているので、職人も労働基準法上の労働者に含まれることは明らかだ。

(労働基準法第9条)
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。


また、同法は、第69条1項で、徒弟制度による酷使も明確に否定している。

(労働基準法第69条1項)
使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。


■職人の方自身が気付いていない
しかしながら、これまで私は何人かの職人の世界で働く人と話をしたことがあるが、残念なことに、当事者の職人の方たちが、自分たちが労働基準法に守られているのだということを知らないことのほうが多いようだ。

もちろん、「早く一人前になるために、厳しくても働きたい」とか「まだまだ自分の腕は未熟なので、賃金を受け取るのはプライドが許さない」とか、職人気質ならではの考え方もあると思う。

だが、私が懸念するのは、勤務する店舗によっては、そういった職人気質のまっすぐな気持ちを逆手にとって、使用者から都合のいいように酷使されてしまわないかということだ。

職人の世界に労働基準法は適用されるのか? (榊 裕葵 社会保険労務士)