London徒然草

「ばく」のロンドン日記

父への詫び状

2007-11-26 | 飼い主ネタ




3歳から13歳まで、10年間ピアノを習っていました。
毎日、最低30分練習するように,いわれ続けました。
いつも、「まだ,ピアノの練習、おわってないでしょ!」

実は,ピアノがキライでした。
当時、どうしても楽しめなかった。

でも、母に、
「お父さんの夢なのよ,娘がピアノを弾くのが」
といわれて育ちました。

狭い家に不相応な,大きな真っ黒のYAMAHAのピアノ。
当時の我が家の家計を考えると,どんなに高い買い物だったことでしょう。

私が受験を言い訳にピアノをやめてから
実家の客間に誰にも触られずに約20年間、
放置された、あのピアノ。

結局,家を立て直す際,差し上げますという申し出にも,
誰にも見向いてもらえず
古い家とともに、取りこわされました。

当時,私の子供達は、まだ小さく,また,小さなマンションぐらしで、
とっておきたくても,場所がありませんでした。

それからロンドンに引っ越し、子供達がピアノを習いたいと言い出し、
とりあえず手に入れた小さい茶色いピアノ。
私が弾いていたピアノとは比べ物にならない代物でしたが,
5年近く,がんばってくれました。

でも、鍵盤は欠け,ペダルはきかず、そのせいで、ピアノの試験でも、
ペダルがうまく出来なかったと、No3に、試験後に号泣され,
ついに,新しいピアノをクリスマスのプレゼントのひとつとして、
オットさんが買ってくれました。

「好きなピアノを選んでいいよ」
といわれ、私が選んだのは、
YAMAHAの黒いピアノ。
日本からの輸入品です。

音も自分のピアノに近い音をどうしても選んでしまいます。

配送されてきました。
no2とno3は、まちきれずに、窓際で首を長くして,見ています。



私は、父の期待を裏切って,途中でやめてしまいましたが,
ピアノのおかげで、その後,ギターや,マンドリンなども
習うことが簡単だったし、大学まで音楽に関わっていたのだと
信じています。

今,我が家に届いたピアノは、3歳のとき、せっかく買ってもらった,
あのピアノの生まれ変わりとして,大切にしよう。

来週のコンサートで,
no2は、子犬のワルツと、くるみ割り人形の、花のワルツを、
no3は、トロイメライと、サティーを弾きます。

動画に撮って送りますので,見てやってください。

そして,期待に応えられなかった私から、
今まで,面と向かっては言えなかったけれど,ごめんなさい。

でも,あなたの孫達が、私のレベルをもう、超してくれました。








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36 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
じんとしました。 (理恵)
2007-11-26 09:38:10
いいお話でじんとしました。
お父様もきっとお孫さんのピアノの音色を喜んでおられるでしょうね。
ピアノはやめてしまったけれど、マンドリン、ギターとされたって事は、きっと音楽はお好きなんですね?ばくさん^^
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Unknown (ちょろひこ)
2007-11-26 10:32:48
ああー経験がダブりますねえ。。
私もオルガン教室に通ったものの、どうしても上達せずにやめてしまった。。しかし高校時代にギターをすんなり弾けたり、音楽好きになったのはその影響でしょうね。
親って子供のために、、と思ってしたことも時には全然分かってもらえないけど、いつかこうして感謝するときが来るもんだなあ、、としみじみ思います。
自分も反省文たくさんありますが、息子もいつか分かってくれるかなあ。
素敵なピアノ、きっと素晴らしい音色でしょうね!
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ウチにも (kitkat_jp)
2007-11-26 11:01:48
YAMAHAのピアノがありました。 幼稚園の時からオルガンを習い始め、その流れでピアノへ。 ウチの場合は母が習わせたかったようで、父はピアノの音をうるさがるので(ヘタクソだったから)、父がいない時に練習していました(苦笑)
そして父の転勤で浜松へ。 そこにはYAMAHAのピアノ工場があり、何やら「ピアノに熱い」街でした。 今までそこそこやっていたのに、いきなり指の練習曲ばかりやらされ、嫌気が差してやめてしまいそれっきり。

でも、子供の時にオルガン~ピアノをやっていたので、楽譜を見て初見がきき、すんなり音楽に入っていける(その他の楽器を含む)のには助けられました。
また、ピアノを弾き始めるかも知れません。 というのも、ぶり太郎が小さなピアノを持っていて、それは今、他の所で保管しているんですが、それを近々運び込むらしく。

ばくちゃんの「父への詫び状」、じんときました。
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よく似た話です (kayo)
2007-11-26 12:44:41
なんだか自分のことのようにじんと来ちゃいました。
私も小学校に入学するときに、やっと自分のピアノを買ってもらいましたが、あんまり熱心に練習しなかったなあ。
私が家をでて何年かして、うちのピアノは親類の家にもらわれていきました。

その後、子どもたちがピアノを習い始めて、今や日本には不可欠な消音機能のピアノを買いました。
息子は高校受験の歳になった今も、ピアノは続けています。

バク家のお子たちは、二人ともずいぶん上手になったんですね。
うちの息子たちにも言っておきます。きっと張り切ることでしょう。

動画、楽しみにしています。






新しいピアノを、きっとこれからたくさん弾いてくれることでしょう。
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私もです (そらもも)
2007-11-26 13:27:19
幼稚園から中学2年まで習い、受験を理由にやめました。練習がキライだったので、やめたときは「せいせいした」って思いました。

高校3年間、楽器を触らずに過ごした後、寂しくなって、大学でオーケストラに入って(無謀にも)バイオリンはじめたりしたのですが、音感で苦労しなかったのは、キライだったピアノのお陰かもしれないです。(結局そのバイオリンも忘れ去られたお荷物状態ですが・・・)

ばくさんが選んだピアノが、かつての自分のピアノに似たもの、というところ、その気持ち、分かるような気がします。私もきっとそうなります。・・・その前に、ソラトは「ピアノやりたい」なんて言ってくれるかしらん?!
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キモチは伝わってるよ~ (ponchi37)
2007-11-26 13:34:07
ジャックラッセル爺サマはきっと
ばくさんのキモチをわかっているわよ~
そして孫たちがピアノを弾く姿を
うるうるしながら見るんじゃないかしら。

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Unknown (クー)
2007-11-26 14:00:20
素敵なお話でしみじみしちゃいました!
うちの父も私が一人娘だったので、「これやれ!」と言われることはなかったけど、私が「これやりたい!」と言えば何でも通わせてくれました。
親の心、子知らずで飽きっぽい私は何でも途中で投げ出しちゃったけど、今思えば申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
うちも経済的に豊かだったわけじゃないし、いろんな意味で苦労をかけてきましたから。。。(><;
いなくなって初めて気付く親のありがたみです!
生きてるうちに親孝行してあげられなかったのが今も心残りです。。。
ぱくさんのお父様は娘では叶えられなくてもお孫さんで夢がかなうのだから幸せですね~♪
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ウチは息子が (虫主婦)
2007-11-26 16:22:15
ワタシは早くにオルガン教室をやめたので、全然楽器は弾けないし楽譜もゆっくりしか読めません
今、息子が練習が嫌いで嫌いでしょうがないところです。
電子ピアノなので、場所はとりませんが、それなりにお金がかかったものなので、息子にはがんばって欲しいのですが。
ピアノ自体は嫌いじゃないみたいなのですが、どうしても新しい曲に入ると、レベルとしては弾けるはずなのに「難しすぎる!」と言ってなかなか弾こうとしません。
ピアノの先生にも、色々教本を変えてみたり工夫してもらっているのに、どうして少しでいいから練習してくれないのか、もうほとほと嫌になります。

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いいお話 (ままま)
2007-11-26 23:29:30
またまたばくちゃんから、いいお話聞かせていただきました。
子供の頃は強制しなければやらないお稽古事もあるけれど本人の意思との兼ね合いが難しいね。
でも何であれ、いつであれ、何かの糧にならなかったと言うことはないですよね。
特に音楽のある人生は格別です。
お父様はこういう日が来るのを待っていらしたのかもね♪

ばくちゃん、お見舞いありがとうございました~。
必死にリハビリ中なりよ(笑)
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うちのピアノ (いちご)
2007-11-27 02:57:59
うちの実家にもアップライトピアノで最上級レベルのピアノがあります。もちろん黒のYAMAHAです。
そんなにいいものを買ってもらっていたとは全く知らず、恩知らずの子供でした。
私がまだ3-4歳の頃に近所の友人がピアノを習い始めたのを機に私も習いたくなり頼んでみた所、
どうやらうちの父母よりも祖父母がかなり援助をしてくれて買ってくれたようです。
自分でピアノを習いたい、と言い出したくせに
いざ家族と祖父母でピアノを見に行った時に
ものすごくつまらなくて本当に飽きてしまい、
早く家に帰りたくて仕方がなかったのを覚えています。
(私って本当に親不孝者)
練習はしたり、しなかったり、という時期もありましたが、
最終的には腱鞘炎になってしまい、
趣味程度にしか弾けなくなってしまいました。
一時期見るのもつらくて、
「ピアノ売る!」
と言い張った時もありましたが、父に
「祖父母がいっぱいお金を出していいピアノを買ってくれたのに、勝手に売るなんて言っていいのか」
とたしなめられ、なんて身勝手なことを言ったものかと気づかされました。

うちのピアノも今では母がたまに弾いてるくらいでしょうか。
イギリスに来てから、ピアノがほしい、と思うことが多々あるのですが、
本物のピアノはもとより、安い電子ピアノでさえ
高くて手が出ません。

自分が大人になってはじめて親、また祖父母のありがたみに気づきました。

ばくさん、お父さんはNo2、No3ちゃんたちを通して
夢がかなって嬉しいと思いますよ。
こっちに来ていろいろなピアノを見ましたが、
私の中ではYAMAHAの黒く光ったピアノが
私のピアノ、という気がします。

来週頑張ってね。
(実はお母さんの方が緊張してたりして?)
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