終わりなき旅の途中

地球上で見聞きしたこと

落ち込むより今できること

2008-02-27 01:11:30 | movie freak
作品:潜水服は蝶の夢を見る
原題:Le scaphandre et le papillon
英題:The Diving Bell and the Butterfly
[監]ジュリアン・シュナーベル 
[原]ジャン=ドミニク・ボビー 
[撮]ヤヌス・カミンスキー 
[出]マチュー・アマルリック エマニュエル・セニエ マリ=ジョゼ・クローズ 
[制作データ] 2007仏.米/アスミック・エース  [上映時間] 112分

ELLE編集長と言う華やかなステイタスを持った順風満帆の人生から、脳梗塞による閉じ込め症候群(脳は正常ながら全身麻痺で動けない状態)に陥ったジャン=ドーは唯一動かせる左目のまばたきだけで自分の半生を綴った。

最初は自暴自棄になったジャン=ドーも、次第に自分にはまだ出来る事があると思うようになる。潜水服を着て身動きが取れない自分も、記憶と想像力を駆使して蝶のように飛び回れると。まばたき一回はYes、二回ならNo。アルファベットを読み上げてもらいまばたきで合図した言葉を書き出してもらうという気の遠くなるような作業を繰り返し、彼はコミュニケーションの手段を得る。話し手聞き手両者の辛抱強さがあって初めて成立する話法だ。

20万回のまばたきで美しい言葉に満ちた自伝を出版した十日後に、彼はこの世を去る。

「自分の人間性にしがみつけば生き延びることが出来る。」
彼を励ました印象的な言葉だ。


足が悪くてお出かけできなくなったお父さんを訪ねて髭を剃ってあげるシーン。粋な会話と親子の絆の描写が好き。他にも目に優しい風景にあふれていて、見終わったらリラックスできてた自分がいた。

北欧の歌姫に会った日

2008-02-25 08:12:56 | オンガク
ハードロックカフェでバイトをしてた時、よくビョークが流れていた。印象的な声、メロディー、ビジュアルで一度聞いたら忘れられないアーティストだ。ppの誘いでコンサートに行くことになったが実はアルバムで聞いた事は無かった。大阪公演は実に12年ぶりらしい。近年特に話題になってた風でも無かったが大阪城ホールは満員だった。

彼女の音楽は打ち込みが多く、ライブでどう表現するのかと思えば、マーチングホーン隊とドラム、キーボード、マニピュレーター?コンピューター系をいじる人みたいな編成。

暗転から序曲、ステージ中央には金のアルミホイルみたいな素材のワンピースに民族的色彩のバンダナを額にまいた彼女が現れた。予想通り小さい体。しかしその声は唯一無二の心に刺さる圧倒的な声。独特の間、自由奔放な振る舞い、音源で聞いてたより遥かにクオリティとうねりは高く、ボクらの心臓を鷲掴みにした。ホールは幻想世界になった。画面上で操作するテルミンみたいなのがスクリーンに映し出されていて目にも楽しい。

ボクのいたスタンド席からは、アップビートな曲でアリーナの前半分がトランストリップしてる様子が嫌と言うほど良く見えた。正直羨ましい。あそこに混ざって踊りたかった。Raveで体感したいサウンドだ。アイスランドという出身国の特性なのか?ほとんどがダークなマイナー調だけど嫌にならない。どころかその非凡さを目の当たりにして震えた。声が胸の深いとこを突き抜けていって涙が出た。
今更ながらアルバムを聞いてみようと思う。