鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つけることができる「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

川上洋一さんの『東京 消える生き物 増える生き物』

2012-01-30 20:16:53 | 日記
    
                          ぷっくりしたぬいぐるみみたいな愛さらしさ―去年5月に見たオオシマカラスヨトウの幼虫。
                            
 5月の光と緑が、春を待つ目に染みる。





 去年、奥多摩でのライトトラップや横沢入の観察会でごいっしょさせていただいた
川上洋一さんの『庭のイモムシケムシ』につづく新刊は、
『東京 消える生き物 増える生き物』(メディアファクトリー新書 740円)



 少年時代から生き物が大好きだった東京生まれの川上さんは、
自然観察のインストラクターを経て、自然科学を専門とする書き手として多数の著書を出版し、
日本昆虫協会、トウキョウサンショウウオ研究会などの要職もつとめている。
子どものころから、東京の生き物を見つづけてきた人なのだ。

 『著者がいう「自然」とは、
「多くの生き物が生息し、捕食や共生関係など互いにつながり合って暮らしている状態』という箇所にまず共感。
特に東京では、一見緑が多く見えても、あれ?うそ、もっといてもいいのに、
というくらい生き物の影が薄い場所も多いから。

 主に都内で虫さがしをしている私にとっては、
ふだん見ている虫や、現象のあれこれに感じていたことが、
「そうそう、私も感じている」と共感したり、
「そういう意味があったんだ」と納得したり、
「そういうワケがあったのね」と謎が解けたり、

 たとえば、2011年秋に東京郊外の公園で撮ったこの写真。



 白いチョウというと、まず浮かぶのがモンシロチョウの名前ですが、
実際には、ちょっと見が似ているスジグロシロチョウがほとんど。
写真のチョウもはじめスジグロかな?
あ、でもよく見ると、これモンシロチョウ。
考えてみると、モンシロチョウの写真撮ったのはじめてかも。
あらためて、薄い微妙な色合いがきれいなチョウだなあ、と。

 考えてみるとモンシロチョウって、ほとんど見ていないような気がする、
と思っていたら、この本に、「昭和30年代モンシロチョウが消えた」というくだりが。
 昭和30年代後半、東京オリンピックに向けた開発で、都内の環境は激変した。
それまで日当たりのいいキャベツや小松菜の畑にたくさんいた身近なモンシロチョウは、
増えていった住宅やビルの日陰を好み、道端のイヌガラシやオオアラセイトウを食べるスジグロシロチョウにとって代わられた、
とあります。
なるほど、そうだったんですね。

 またアンタか、といいたくなるほど、年々たくさん見かけるようになったアオドウガネ。

アオドウガネは2000年代に、ドウガネブイブイという、形はそっくりだけれど鈍く光る銅色をしたコガネムシを追い出して
東京で増えている虫のひとつだという。
ドウガネブイブイの写真もあったはずなので、さがしたけど見つからない。
やっぱりアオドウガネに比べて出会った数が少ないのです。

 こんなところにいるの?と不思議に思ったカワセミ。
清流の鳥、というイメージが強いけれど、けっこう思いがけない公園のなかの小川などでも見かける。
水質汚染でエサのタナゴなどが減るのにつれ、いったん都市から姿を消したカワセミは、
80年代以降、急激に東京に返り咲いた鳥なのだそうだ。
しかしこれは決して東京の河川の水質が改善されたからではなく
いなくなったタナゴの代わりに、汚れた水に強いモツゴや銀ブナといった魚を食べ、
都市の環境に合わせ、慣れてきたというのが理由らしい。

 この夏、こんなところにも!?と思ったアオスジアゲハも、
都会の街路樹を利用することで、増えてきているチョウだという。

 このひとも増えているように感じますよ、

オジロナガアシゾウムシ。今年はクズの茎などでよくお会いしました。

 もともとはスミレなどを食べていたこのひとも、人間が栽培する園芸種のパンジーが増え、
加えて温暖化の影響もあって、すっかり関東地方に定着した感が。

ツマグロヒョウモン。

 増えているものは目に付くけれど、もちろん減っている生き物はそれ以上に多いわけで
東京都が発表している「2010年版東京レッドリスト」によれば、
500種類を超える生き物たちが東京から姿を消そうとしているという。
 
 生き物が増える、消える、もどってくる、といった現象はすぐ温暖化のせいされることが多いけれど、
その理由はじつにさまざまで、
環境が生き物たちに与える影響は複雑だ、
ということを教えてくれる本でもあります。

 東京はもちろん、生き物を観察するのを楽しんでいる人に、
ぜひおすすめしたい一冊!



 
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 気持ちのいい4月の草原で
白いクモが巣を張るようすに見入っていたカイサ。
「ちょっと、そこのアナタ!きこえないの?」
という声に振り向いてみると・・・・・・。
 ココから↓



 

トホシテントウといっしょに新しい年

2012-01-17 14:30:56 | 日記

                                       2011年7月裏高尾で見たマルウンカ。



 野外で虫が少ないさびしさをまぎらわそうと
初冬に採集しておいたトホシテントウの幼虫と
新年を迎えました。


 今年は辰年ですが、『むし探検広場』の園長さんによると、
「龍」は中国の百科事典カテゴリーでは
虫の親分格なんだそう。今年は虫年だあ〜。

 わたしはウニとかサボテンとか、生理的にトゲトゲのある形に
惹かれてしまう性向があるので、
この分岐したトゲをもつトホシテントウの幼虫は大好き。



 成虫は、ナミテントウなどと比べると、こんもりと盛り上がった丸っこい体つき。
去年はこんな風に一家そろって、アジサイの葉でひなたぼっこしているのを見かけました。



 11月。トゲトゲの幼虫を採集したのは、家から5分ほどのところ。
近くだから、食草の供給もオッケー。
越冬のために、栄養をつけてもらおうと、せっせと新鮮な葉をあげました。

  室内だと春が来る前に羽化してしまうといけないので
ベランダにだして、毎日ようすを見ていました。
たくさん食べて、ほどなくサナギに。


 そしてこの姿のまま春までじっと過ごすはずだったのだが。
12月。
飼育容器を掃除してカラスウリの葉をいれてあげたあと、
外に出すのを忘れたまま出張に出かけてしまった。

帰ってきたら・・・・



羽化進行中。
かわいい!


次々と羽化。
羽化したては黄色くて、
やがて黒い点が出てきて、
5日ほどかけて、黄色かった部分が赤くなった。

 しかし・・・・・・困った。
標本をつくる場合は早く羽化してしまってもいいけれど、
わたしは生きている様子を観察して、
なんとか繁殖までもっていきたい。

 でもこれからカラスウリの新しい葉が出てくるまで約5か月もある。
羽化させてしまった責任上、とにかく近隣でまだ残っているカラスウリの葉をあつめて
冷蔵庫にストック。
 でも5か月は無理だよなあ。

 トホシテントウはすごく食欲旺盛で、1枚の葉が、3日たつとこんな風に。
すみからすみまで、葉脈だけを残してレースのように、独特の食痕を残し、
きれいに食べきってくれるので、あげがいがある。

 
3日で1枚でがまんしてもらうとして、5月までに必要な葉の数を考えて頭をかかえる。


 悩んでいたとき、ベランダの鉢に、
妹からもらったリュウキュウスズメウリの種をまいておいたのが
芽をだして、20枚くらい葉がついているのを思い出した。
あげてみると・・・・

リュウキュウスズメウリでもいいみたい。
よかったぁ。
葉脈をきれいに残すので
葉が違うと、食痕もちょっと違うのがおもしろい。

 でもこの葉もいつまでもつか、心もとない。
ウリ、ウリ、ウリ・・・・・・ウリはないかなあ。
そこで思いついたのが、このところ農協で売っている世田谷そだちハヤトウリという
漬物にするらしい野菜。
これもウリだから、もしかして。

 2個で100円のハヤトウリを買ってきて
スライスし、祈るような思いであげてみる・・・・・・・
と、これも食べたー!!!


茶色く見えているのは果肉に含まれるスジ。
葉でも果肉でも、スジは絶対食べないことにしているらしい。

 ハヤトウリは日持ちしそうなので、とりあえず、
店頭からなくならないうちに10個ゲット。
なんとかカラスウリの葉が出てくる季節まで、
ハヤトウリのスライスでがまんしてほしい。
トホシテントウともども、春までがんばらなくては。


 虫の親分―龍の年が、
平穏でいい年になりますように、
願ってやみません。



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カメムシの本を読み返しながら

2011-12-28 18:01:22 | 日記

                                                   12月にみたコミミズクの幼虫                             

 さすがに12月はいそがしい。
 森林公園の手すりに集まる虫観察も、
寒いのと、虫が少ないのでつらくなってきました。

 なのでこの季節はいそがしい合間に家のなかで
虫本を読んだり、今年見ることができたカメムシの写真まとめてみたりしている。



『カメムシ図鑑』をはじめ、『カメムシはなぜ群れる 離合集散の生態学』(藤崎憲治著)という本を、
久しぶりに引っ張り出して読み直してみたら、
へえ〜、そうだったのか、ということがいろいろ。
たとえば・・・・・

 <カメムシは昔、「ホウ」と呼ばれていた>

ホオズキカメムシという、ホオズキにつく地味なカメムシがいます。
ホオズキというのは、誰でも知っているあのオレンジ色の袋のなかに
まん丸の実ができる植物ですが、ホウズキという名前は、ホウ―つまりカメムシがつく
植物、ということからついた名前なのだそう。

 江戸時代に刊行された貝原益軒著『大和本草』には、
『ホオズキという名前は、ホオという臭い虫がこの葉っぱを食べることからついた』とあるそうで、
カメムシは昔(江戸時代ごろまで)はホウと呼ばれていたんですね。
 

<ホウズキカメムシの一齢幼虫は、カレイドスコープの模様のように集合する>

 ホウズキカメムシは、成虫はごつごつしたイメージの、あまり飼育意欲をさそう
カメムシではないけれど、幼虫時代の生態がおもしろい。
1齢幼虫は集合する習性をもっていて、いっせいに顔を外側にして、
円形状に広がる体制をとるのだそうです。
写真で見ると、カレイドスコープの模様のようなものが、できあがっている。
外敵がきたときに、外側の1匹が攻撃されると、
警戒フェロモンが発動されて、他の幼虫はいちもくさんに逃げられるということらしいけれど
・・・・・・いちばん外側にはいたくないなあ。
 
 <スコットカメムシは、越冬中でも交尾する>

また、山小屋などに冬季集合するスコットカメムシはというのがいます。
このひとたちは、越冬中でも交尾するのだそうです。
でもこの交尾行動は、精子だけではなく、
婚前贈呈という、メスにとってありがたい栄養分もいっしょに贈るためなのだそう。

<カメムシも縄張りやハレムをつくる種がある>

 カメムシのなかには、繁殖のための縄張りやハレムをつくるものもあるという。
そういえば、ミナミアオカメムシを飼育していたときに、
成虫をあつめた飼育ドームのなかで、
ときどき、ブーンと翅を激しく震わせる音がして、
かすかにカメムシ臭がしたことがある。
ふつうに悪臭を出している、というのとはちょっと違う
人間からみても、あ、これは性的な興奮状態なのでは?と感じ取れる独特の雰囲気があった。
これも縄張りやハレムに関係していることだったのかもしれない。


 <人間にとってカメムシの集合は大迷惑!>

 東北地方の旅館などでは、春と秋のカメムシが集合する季節には
一時営業をストップするところもあるとか。
こんなところでは、とてもカメムシは好かれそうもありませんね。
カメムシ被害にあっている旅館に泊まったことがある知人の話では、
しかたがないので、匂いをがまんしたそう。
いくらカメムシ好きな私でも、これはいやだ。

<それでも、カメムシが群れるワケ>

 人間にとってはこのように大迷惑きわまりないカメムシの集合は、
なぜ行われるのか?
それにはカメムシとしても譲れないいろいろなワケがあるらしい。

1:生存や生育にかかわる集合効果。
2:カメムシの臭い匂いには、フェロモンの役割があり、低濃度なら集合フェロモンとして、
  高濃度なら捕食者が来た!逃げろ、という警戒フェロモンとして、また捕食者を
  撃退する働きもある。
3:交尾縄張りやハレム形成のための集合。
4:越冬時に集合することで、湿度、温度などを適度に保ちやすくなる。

 などなど、カメムシもワケもなく集まっているわけではありません。
人間には人間の都合が、カメムシにはカメムシの都合があるようで。

 また大阪府立自然史博物館の便覧に、桂幸次郎、宮武頼夫氏による
『ウシカメムシの幼生期、分布および生活史の概略について』という研究資料があるのを知り、送っていただきました。

 今年は念願のウシカメムシに何回も会えた年。
来年はぜひ卵をゲットして、1齢から成虫までの生態をみてみたい。
この資料によると、ウシカメムシの分布域は1月の平均気温が2℃以上の地域であり、
春と秋の年2世代以上ということなので、時期をみて卵さがしをしてみよう。


  今年みた虫でちょっと1年を振り返ってみると・・・・・

 1月は、赤穂のアース製薬研究所の有吉さんからわけていただいた
憧れのミナミアオカメムシの飼育からはじまり、




  思いがけなく出会った1,8センチもあるトホシカメムシ。

ひとのよさそうな人(ムシ)相に、見ているだけで癒される。

 青とムラサキ色の光沢が美しいツマジロカメムシも忘れられない。


そしてもちろんウシカメムシ。
(4齢幼虫)                                                   
(5齢幼虫)


 あ、アールデコ様式の幾何学模様を思わせるアカアシカスミカメもきれいだった。

・・・とやっぱりカメムシが心に残っているみたいだ。

 5月には、集中的にオトシブミさがしをして、

ヒメクロオトシブミ


ヒゲナガオトシブミ


ゴマダラオトシブミ。


コブオトシブミ。

西陽を反射して光っていた金ピカのジンガサハムシ。



 時事通信社の昆虫記者氏や川上多岐理さんにごいっしょさせてもらったライトトラップでみた華麗な蛾たち。

アカスジシロコケガ。


ノンネマイマイ。

 6月4日「ムシの日」に京都吉田山で見たマエアカスカシノメイガ。


 有吉さんにいただいたオーストラリア産のニジイロクワガタは、
樹木蜜ゼリーを1日1個食べる大食漢。


 池内美絵さんと行った大阪箕面昆虫館でみたイシガケチョウの幼虫。


むこうみずな歩きっぷりにハラハラしたっけ―ナナフシのこども。

無事におとなになった?

 内気そうなまなざしが忘れられないカラスハエトリ(メス)。



 トリノフンダマシもね。

妖怪顔のオオトリノフンダマシ。


アカイロトリノフンダマシ(黒色型)。

 
 そうそう、モミジの葉の上で身づくろいのあと、
後ろに倒れないように肢をつっかえたくつろぎ(?)ポーズを見せてくれたコフキゾウムシもかわいかった。


  
 日本人が価値観や生き方を変えざるを得ないような災厄の年。
「えっと、来年はぁ、この虫とあの虫をみたーい!」などと、
無邪気100パーセントにいっていられたときはもう終わったのだなあ。
震災のもたらしたものはあまりにも大きい。
その影響の大きさは、時がたつにつれ、さらにふくらんでいる。
それでも―
次の春を待ちこがれる年の瀬です。

 





  

バグズ・ストリートの不思議ちゃん

2011-12-11 13:28:11 | 日記

                                         トホシカメムシ 2011年9月24日 裏高尾にて



 森林公園のバグズ・ストリート通いがやめられない。
こんなに寒くなったのに、まだ虫が見られるんだもん。

 いつも更新を楽しみにしている『鎌倉発 旬の花』というHPがあります。
鎌倉を中心とした植物と虫の観察が中心のサイト。
好きな虫が私と似ていること、また植物の検索をしたいとき、その四季の姿がわかるようにつくられているので、いつも参考にさせていただいている。


 きょう(12月10日)は、このHP管理者「一人静」さんから、
『道端自然観察館』というグループの12月観察会が森林公園のバグズ・ストリートで行われるときき、
手すりになぜ虫が集まるのか、という謎を解く絶好の機会、
とばかり飛び入り参加させていただいたのでした。
(*バグズ・ストリート・・・私が勝手に虫が特に多くみられるこの森林公園の手すりの一部分をこう呼んでいる。
 実際にはこの公園の手すりはもっと長くつづいている)

 『道端自然観察館』は先ごろ通算60万アクセスを達成したという人気のサイト。
管理者の「花虫」さんは、東京、神奈川の虫のいそうな場所はすべて踏破しているのではないか、と思われるほど。
 また私がいつも行く森林公園の近くに住んでおられるMさんとOさんも参加されるという。
おふたりは、なんともう5年間もこの手すりの虫を一年を通して観察してこられたとうのだから、
お会いできるのが楽しみ。

 10時の集合なのに、みんな待ちきれなくて9時半にはもうそれぞれに虫さがしをはじめている。
参加者は10名。

 公園内の林縁に沿って、延々とつづく手すりをゆく、
いずれ劣らぬ虫目のひとびと。



 雲ひとつないお天気だけれど、気温はかなり低い。
でも、バグズ・ストリートの手前から
「いるいるー」という花虫さんの声。
オオツノカメムシがさっそく見つかる。


 この間も見たゴミをいっぱいくっつけたクサカゲロウの一種の幼虫ですが、


きょうはオナカの側を見てやろう、と手のひらに載せていたら・・・・・
チクッ!
咬んだ―!案外気の強いやつだと思ったら、
『虫探検広場』の園長さんから、クサカゲロウは肉食だと
教えていただきました。
肉食の虫らしい行動だったわけです。

 きょうもクヌギカメムシがあちこちに。
これはオス。


腹部の横から、皮ふくろみたいなのが横にはみ出しているのは
卵をもったメス。

ふくろ部分がぶよっとしていて・・・・気持ちわるい〜。

3ミリと小さいけれど、よく見るとオトボケ顔のこの虫は、
ヨツモンホソチャタテ。


これも3ミリくらいの、ゾウムシ?

体表一面毛がはえている。

きょうも会えたね、キイロテントウ。


手すりの下側もチェック。
翅がほぼ退化して飛べないコナミフユナミシャクのメス。

自分は飛ばないでフェロモンを出しながらこうしてじっとしていると、
翅のあるオスが寄ってきてくれるらしい。
婚活としては楽?
でも誰もきてくれないかもしれない。
そんなとき自力でどうにもできないっていうのは、さびしいなあ。


1,5ミリもある初めて見る立派なカメムシは、
オオクモヘリカメムシ。

緑のさし色が鮮やかです。
*後日、このカメムシは青りんごの匂いがすると、一部で人気(?)との情報が。
匂いかいでみれば良かったー。

 オレンジ色で翅のあるミツバウツギフクレアブラムシ。


 寒さに縮こまっているような態勢のこのゾウムシは
ノミゾウムシの仲間か。



 参加者の一人静さんが、
コミミズクが見たい、と。
コミミズクって、フクロウの一種では、と
?になりながら、後をついていくと、
Oさんが、見つけましたよー、と。
行ってみると・・・・・
手すりの上に、まるでたれた液体が固まったような
1センチくらいの細長いもの。

ぺったりとはりついている。

しばらくすると、あっ、動き出した。


なに!?これ・・・・・。

一見エビみたいな、
海へお帰り、といいたくなるような、
ここにいるのが不思議な生きもの。

色違いの薄茶のもいた。


 コミミズクはヨコバイ科の虫だったんです。
(もちろん、ミミズク、コミミズクというフクロウもいます)
これは「ヨコバイの仲間のコミミズク」の越冬幼虫でした。

コがつかない、ミミズクというヨコバイもいて
成虫を見るとなるほど、だからミミズクという名前なのか、と
思うのですが。
(ミミズクの成虫はここで見られますhttp://www.insects.jp/kon-mimizuku.htm )
ヨコバイのコミミズクの幼虫は・・・鳥の名前をもった、エビのような姿の不思議ちゃんでした。



 そして、きょうのいちばん人気は、
カラスハエトリ。

ひさしのような前頭部からきらっとのぞく眼に魅入られたように、
みんな写真を撮るのに夢中に。

これはメス。


黒いのはオス。
フラッシュをたいた一人静さんの写真には、
なんとカラスハエトリの眼玉に、撮影者の姿が写りこんでいた。

 手すり周辺も見てみると、大きな切株にはキノコや菌類がいっぱい。

夢中で菌を食べているアカハバビロオオキノコムシ。

 見上げれは50センチ以上ありそうな大きなボール状のヤドリギがあちこちに。


 マユミの葉裏には、キバラヘリカメムシのアーモンド形の卵が。


 ヒツジの顔に見える冬芽の見つけ方も教えていただきました。




 いつも見て歩くバグズ・ストリートだけでなく、
園内すべてのく手すりをみてまわったので
10時前に見はじめて、昼食をはさんで、終わったのは3時(それでもまだみんな未練ありげ)。
手すりだけで、5時間くらいも!
さすがに、夢中になっていると忘れていた寒さがじわっと感じられて、
近くのカフェでお茶。

 なんでここの手すりに、四季をつうじてこんなに虫がいるのか、という謎を解くべく、みなさんにきいてみると、

○植生のゆたかな林縁に沿っていること。
○金属製の手すりであること。
○焦げ茶色に塗装されている(温まりやすい、滑りにくい。園内には一部ステンレスのぴかぴかした手すりもあるが
              こちらではほとんど虫はみない)
○太さが同じで、長くつづいている。
○手すりの上は葉っぱの影などより、虫が目につきやすい。
○手すりのなかが空洞なので、中には(越冬中も含め)虫がいっぱいいるのでは。
○ところどころの支柱に隙間があるので、そこから虫が出入りできる。

などなど、日ごろの観察の実感のこもった意見がいろいろ。
木製の手すりのほうが虫が集まりやすいと思うのですが、
案外、虫はこういった人工物を利用しているのですね。
もし、身近にこんな条件に合う手すりがあったら、
虫目になってみては?


 主催者の花虫さんはじめ、みなさんのお人柄なのでしょう、
とてもリラックスできて、ゆずりあって心行くまで写真も撮れる
楽しい観察会でした。



 姉妹サイト『バニャーニャ物語』その11 「フェイの錬金術」
更新しました!
 バニャーニャはもう早春。
錬金術に夢中になったフェイは、
なんとか釜を手に入れようと・・・・・・。
一足早い春のバニャーニャに遊びに行こう!
ココから↓

福音館書店の取材でまたバグズ・ストリートへ

2011-12-06 20:13:04 | 日記

                                 シロスジショウジョウグモの赤色変異型。

 福音館書店から出ている『ちいさなかがくのとも』
というかわいい絵本月刊誌があります。
対象年齢は3〜5歳。
幼稚園生ぐらいですね。


虫がテーマの号もたくさん。


この月刊誌にはさみこまれている小冊子はお母さん、お父さん向けで
毎回テーマにそったインタビューが載っています。
編集部からこのインタビュー取材の依頼があり、
虫好きな子どもを育てるには、
おかあさんたちの虫への対し方がカギを握っている、
と常々思っている私は喜んでお引き受けしました。

フィールドで同じものに興味をもっている人に出会うのは楽しいものですが、
特に子どもたちは、「なに見てんの?」ときいてきたり、
捕まえた虫をうれしそうに見せてくれたりするので、
虫を見ながら、横目で、あ、あの子、虫好きらしいな、
などとうれしい気持ちになることもしばしば。
特に、いっしょにいるおかあさんやおとうさんが、
自分たちも虫に興味があるような様子の時は、いいな〜と思います。

 取材のときは、必ずまずは「虫目で歩く」ってどういうことか、を実感してもらうために、
記者の人と虫目歩きをすることにしています。
今回はもう虫が少ない時期ですが、
あそこなら完全オケラということはないだろう、と
またまた森林公園のバグズ・ストリートへ。

 取材の2日前(11月20日)、気温が高かったので
下見に行くと、
えっ、ストリートの入口で、
いきなりウシカメムシ5齢幼虫ですよ!

採集。
今年ウシカメの4齢幼虫を見つけて狂喜したのもこの森林公園でしたが、
バグズ・ストリートのほうで見るのははじめて。

 一気に気分がよくなり、これならあさっての本番もだいじょうぶだろう、と。
つづいて、メスはよく見るものの、オスははじめてのカラスハエトリ。

立派な成熟個体です。
ごつくて、腕がぶっとくて強そうで、カッコいいです〜。

 ブログのトップにも貼っているシロスジショウジョウグモの赤色変異型も
ストリートにいました。

もともとは黒い体色のクモですが
きょうも赤色変異型を見たということは
けっこう赤ヴァージョンが多いっていうことでしょうか。

 あっ、あっ、この虫のフンみたいのは、
もしかしてムシクソハムシ?

ずっと見たかったんだあ〜。
たった2ミリだけど。

ダックスブンドみたいなずんどうの体に、ちょこちょこ動く足がすごくかわいいの。
それにしても、あまりに芸のないヒドイ和名です。
目視で虫のフンにしか見えなかったものが、
ルーペでのぞいた瞬間、
かわいい生きものに変わる―これも虫さがしの魅力です。

 この日は他にもクヌギカメムシやアカスジキンカメムシの幼虫もいて、
ストリートはにぎわっていました。

 さて、取材当日。
陽はでているものの、2日前と比べて気温がぐっと下がりました。

虫はいるのですが、3ミリ以下のハエトリグモの幼体とか、
ルーペが要るサイズばっかり。

この日の最大サイズはこのクヌギカメムシ。
赤い肢がチャームポイント。



手すりの下にはクモの卵のう。
色が白いので、
ジョロウグモではなさそう。

それでも数だけはけっこう見られて、
さすがバグズ・ストリートだ、と思ったのですが、
手すりを全部見終わると、
「あっ、もう1時間たってます!」と
編集の方が驚いていました。
『虫目で歩けば』の「虫目のつくり方」というページで
「その1 カメよりゆっくり歩く」と書いたのを実感してもらえたようです。

 週末には気温がまたあがったので
もういちど、バグズ・ストリートに行きました。
この日ははじから見る虫を、全部写真に撮ってみることにしてみました。
小さい虫ばかりでしたが、なんと写真が撮れただけでも35種類も。

やったーっ!
たまご見つけちゃった。

たる型のカメムシの卵っぽいので
採集。

 菌食だといわれているムーアシロホシホシテントウが
ウスキホシテントウを襲って、食べてる現場を目撃した。



 ちゃんと鼻はゾウムシしている
2ミリの茶色のゾウムシ。


 体中にそこいらのごみをつけて擬態しているこの虫。
よくみかけるものの、そもそもどんなカテゴリーの虫なのかわからなくて、
名前を調べる手がかりがない・・・・ゴミだと思っているものが動き出すのが面白いのだけど。

もこもこ歩いていた。
 *後日、クサカゲロウの一種の幼虫、と判明。正体がわかると愛しさも増す。
 *さらに後日、おなかのほうをみてやろうと、手に乗せていたら、なんかチクッと・・・
  咬まれたー。

 ある方から、この森林公園の手すりの観察を
一年以上もつづけている方がいらっしゃるときいたのですが、
その方によると、ここでは冬も虫をみかける、と。
冬のあいだも、観察をつづけ、
どうしてここに虫が集まるのか、
その謎を解きたい!


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今回は連載10回目。
『バショーの落としモノ』
バショーが飛べなくなったのはなぜ?
モーデカイの不思議な卵から生まれたものは?











森林公園の「バグズ・ストリート」

2011-11-06 16:30:37 | 日記

                             シロスジショウジョウグモの赤色変異型。



 11月とはいえ、この暖かさ。
とはいっても、多くの虫は気温だけでなく、日長(昼の時間の長さ)でその生活のリズムを決めることが多いので、
暖かい=まだ虫がいる、というわけにはいきません。
見える虫の姿は日を追うごとに減っている。

 でも、あそこに行けば、まだ幾種類かの虫が見つかるに違いない、
と思ってきのう行ってきたのが、川崎のほうの森林公園。
ここには私が勝手に「バグズ・ストリート」と呼んでいる、長い手すりがある。
 弥生時代からのシラカシ林やクヌギ、コナラ、ミズキ、エノキなどなどがつくる古い林に沿って、
ゆるやかな勾配があり、そこに設置されているのがこの金属製の手すり。


 この手すりの上には、そばの木々から降りてくるらしい虫がたちが集まり、
忙しく行き交う場所になっているようで、最近の好きな観察ポイントのひとつ。


 きょうも、

 渋い色合いと抽象的な模様が静かで上品な雰囲気をもっているミヤマカメムシ。
8ミリ。



ルーペで見たらちっちゃなゾウムシだった。2ミリ以下。

かわいいなあ、ゾウムシって。

これも2ミリのゾウムシ。顔じゅう眼!


わりと最近日本に入ってきたらしいウスキホシテントウ。

3ミリくらい。体型がちょっと細長目、黒地に薄い黄色の水玉。
テントウムシというと赤い色の入っているものを思い浮かべますが、
こういったモノトーン系のテントウムシも渋くていいな。

この時期、外傷を負った個体を多く見かけるエサキモンキツノカメムシ。
それでも交尾している。

傷を負っているものを多くみるのは、メスが卵や幼虫を守る習性があるから?


ここに来ると必ず会える白っぽいハエトリグモはチャイロアサヒハエトリ。

眼の色も薄めで外人っぽい。

ひゃあ、鮮やかな黄緑色に黄色の筋がはいったこのクモは、
サツマノミダマシ。

よく見かける似た名前のワキグロサツマノミダマシより、
こっちのほうがふたまわりくらい大きくて美しい。


あ、気がつくと、まだセミが鳴いてる!



アカスジキンカメムシの5齢幼虫も虹色光沢のあるオシリを振りながらストリートを闊歩。
横にあるミズキの木から降りてきたのかな。


この虫通りでは、いろいろな虫が出会うので、虫どおしのそのときの行動を見るのも面白い。
たとえば、ハエトリグモがアリを跳ね飛ばしたり、
ケムシがテントウムシの匂いを嗅ぐような行動を見せたり、
もちろん食べるものを探して、戦いが行われるシーンも。
でもたいていは、あまり干渉しないで、てきとうに進路をよけながら往来しているように見える

 お互いに知らん顔のエサキモンキツノカメムシとゴマフリドクガの幼虫。


・・・・で、いろいろ見ながら坂をのぼり、上の広場に出て、
クスノキの下でおべんとうとトイレ休憩。

 昼食後は近くの雑木林を少しみて、復路もバグズ・ストリートを見て帰るという予定。

ところが・・・・・・この後、バグズ・ストリートに危機が!

 ツレが「クモを採ってるみたいな人がいたよ」という。
「割り箸でクモの巣からクモをつまんでた」と。
???
空中の円網からクモをつまむっていうと、
いま園内には産卵前の成熟したメスのジョロウグモがたくさん巣を張っているから、
ジョロウグモを採集しているんだろうか?
ジョロウグモの研究をしている人?

 と思いながら帰りのバグズ・ストリートにさしかかると・・・・・
・・・・・・いた。

 スーパーのカゴみたいのをさげて、
手にはメダカをすくうような小さな網を持っている男性。

男はバグズ・ストリートに沿って、
ときどき網で虫を捕え、カゴのなかにぎっしりはいっている容器に入れているもよう。
私たちの先を歩いているので、何気に追いついて、
「クモをとってるんですか?」と訊いてみる。
「ええ、クモとかハエとか」と男。

クモとハエ?その組み合わせって・・・・はて。
すると男はこともなげにこう言った。
「カエルのエサにするんです」

 なぁぬぅぅぅぅぅっー!

 世の中にはいろいろな人がいることはわかっている。
バッタが好きな人もいれば、
ダニが好きな人もいるし、虫は総じて嫌いという人、
ヘビやカエルが死ぬほど好きという人も。
虫好きひとつとっても、虫の写真を撮るのを目的の人と、
採集を目的とする人が、いっしょに虫さがしに行くと困ることある、
と聞いたことがある。
写真を撮ろうとすると、先にさっと捕まえられてしまうというのだ。
お互い虫が逃げないうちに、と思うから、すばやく体が動く。
このふたりの組み合わせの場合は、「撮る」ほうが圧倒的に分が悪い。
でも、どのみち虫が好きでやっていることだから、話も合うし、
まだ許せるという気持ちにもなる。

 でもさ、カエルのエサにするために虫採りをしている人と同じポイントを歩くことになるなんて・・・・。
私もカエルは好きですよ。
オタマジャクシからカエルに育てたこともある。
カエルを飼っている人は、エサが要るのは当然だし、
ネットでコオロギ300匹パックなんていうのを買わずに自分で捕獲したごちそうを愛蛙に食べさせたい、
というその気持ちはわかりますけど。
虫好き的立場からすると、こっちがなにをやっているか一目瞭然なんだから
「アタシの前を歩くな〜っ。「撮」ってから「採」る気くばりしろっつーの」
なのでした。

 気持ちを泡立たせながら、
なんとかカエルのエサ採り男(ディズニー風にいうと、バグズ・ストリートの悪漢)
に先を越されないように、しぶとく虫を見る。

 
 久しぶりに会ったね!キイロテントウ。

キイロテントウは私のハッピー・バグ。いい思い出があるから。

 バグズ・ストリートでは、よくアリグモを見かけるのだが、
これもその一種。

一見アリ?って思うのだが、後から見ると、アリとはなんか雰囲気が違う。



アリに擬態しても、その眼はまぎれもないクモでしょ。


この前、飼育して名前がわかったチャバネアオカメムシの5齢幼虫が、そそくさと歩み去る。



わっ、かわいい!クリシギゾウムシだ。


体と同じくらい長い口吻をもっていて、折れないか心配になる。
もうすぐ、カエルのエサ採り男がくるから、逃げたほうがいいよ。

飛んでった。

これはデーニッツハエトリ。
頭のまわりが眼だらけ。8つも。
このストリートではいつもハエトリグモをたくさん見る。


こちらはキンイロエビグモ。


シラホシテントウも。

カエルはテントウムシを食べるだろうか。

これはもしかして、リリ、っといい声でなくというカンタン?

*道端自然観察会のまいたにさんから、これはトビナナフシという
ナナフシの仲間、と教えていただきました。

丸模様が大きかったり、ゆがんでいたり、斑紋がすごくいろいろなナミテントウ。


こちらは3ミリと小さなヨツボシテントウ。

バグズ・ストリートにはテントウムシも多いようです。

前肢で威嚇するワカバグモの幼体。


名前調べ中のカメムシ。

肢が赤、緑、黄色のアフロカラー。

これはみなさんが大っ嫌いなダニ(笑)。
でも動きがかわいいんだけどな。

日向をちょこちょこしている、よく見かけるダニなので
すぐ名前がわかると思ったが、同じく赤いタカラダニより体が丸いし、
もう少し、調べてみよう。
いずれにしても、人間には害を及ぼさない種じゃないかと。

体の内部が赤く透けて見える、たぶん孵化したばかりのガの幼虫。


あっ、あっ、これはアカイラガの幼虫では?

一部、肉棘が取れてしまっているけれど、
グミキャンディーみたいできれい。大きさは1,2センチ。

ん、背中にいやな気配。

気が付くと、カエルのエサ採り男が迫ってきていたので
急いで葉っぱの上に幼虫を避難させた。
カエルに食べさせるには可愛いすぎるでしょ。
カエルはイラガの幼虫なんか好きじゃないとは思うけど。

 エサ採り男の脅威にもめげず、
なんとか帰りもたくさんの虫を見られたなあ、と出口に向かったとき、
アジサイの葉に素敵なものが!
これは、たぶん・・・・・・

やっぱり、この天幕状の住居の中にいたのは、ビジョオニグモでした。
1センチくらいのころころした体型の、一度みたら忘れられない印象的なクモです。

 でも、これのどこが・・・美女?
新海栄一さんの『日本のクモ』によると、
『腹部は白色で後方に行くにつれて青緑色が増し、
さらに黄色の横条と黒色の点班が横に並ぶなど
美しい模様から美女オニグモと呼ばれる』とある。
確かに横から見ると、

色の変化がきれいだけれど、

でも、

私には、鼻水が止まらなくて困っている河童の顔に見えますが・・・・・・。

 バグズ・ストリート、また見にこよう。
 



このブログの姉妹サイト、『バニャーニャ物語』も
更新しました。
今回は連載10回目。
『バショーの落としモノ』
バショーが飛べなくなったのはなぜ?
モーデカイの不思議な卵から生まれたものは?
こちらから、どうぞ。

謎解きは脱皮のあとで

2011-11-01 13:37:15 | 日記


 「なんでカメムシが好きなんですか!?」
と、よく訊かれます。
それもかなりな詰問口調で。
そういうとき、私はこう答えることにしています。

「虫には、チョウのように卵、幼虫、サナギ、成虫というように、
幼虫時代と成虫時代では、すっかり形態も行動も変わる完全変態をするものがあります。
イモムシとチョウチョでは、まったく形態が違いますよね。

 一方カメムシは不完全変態という形で成長します。
こちらは劇的に変化するサナギ時代がなく、
卵から孵化して1齢幼虫になり、5回くらい脱皮しながら最後に羽化して成虫になるんです。
カメムシの面白いのは、この変態の過程で、各齢で大きさ、色具合、模様などなどが
どんどん変化していくことです。
種類にもよるけれど、そのそれぞれがデザイン的にとても素敵なものが多いんです。
私にとって、カメムシの魅力とはこのメタモルフォーゼの、
ヴィジュアル的な変化の面白さでしょうか」

 相手に言葉をさしはさむ余裕を与えないように、
上記のように一気にまくしたてます。

そうすると、たいていの人が、最後には「ほーっ」といって納得してくれるようなのです。
完全変態とか不完全変態とか、ちょっと専門用語みたいな言葉も出てくるので、
なんとなく納得した(あるいはケムにまかれた)ような気になるらしいです。

 そして、次に出てくる言葉はというと、
「なるほどぉ・・・・・でも、臭いでしょ?」
です。
これに対しては
「服に着いたのを振り払うとか、そういった刺激を与えなければ、大丈夫。
やさしく、そっと扱えば、カメムシは匂いを出しません。
私はなんども居間でカメムシを飼っていますが、
交尾のときなどに興奮すると多少臭うことがあるけれど、
家族も全く気にならないという程度だし」と説明します。
悪臭をかがされるかもしれないというリスクよりも、
脱皮で変態していく無脊椎動物の不思議さや美しさを見る楽しみのほうが勝る、と強調します。
これを聞いた相手は、「ほんとかなあ・・・」という目で私を見ますが、
これ以上は「カメムシなんていう臭い、嫌われものを好きだとは
いったいどういうわけなのか、はっきりさせてもらおうじゃないか」
と詰問する意欲を失うようです。


 カメムシが嫌われる最大の理由は、
かなり強烈な油臭いような悪臭(カメムシ好きの人にはいい匂いに感じる人もいるらしいが)を出すからですが、
これは、成虫では中胸の腹側に、
幼虫では腹部背面にある臭腺というところから出るそうです。

何のためにこんな臭いにおいを出すのか―
その第一は鳥などの捕食者を遠ざけるため。
と言われているものの、実験では必ずしも臭い匂いが鳥という捕食者から身を守ってくれるとは限らないと結果が出たそう。

そして確実にカメムシの匂いを嫌うのはアリであるという。
私もメスが体をはって卵と幼虫を保護する習性のあるエサキモンキツノカメムシが、
集団で襲ってきたアリを撃退したシーンをみたことがあります。
その様子からすると、物理的に戦うというより、化学戦に重きが置かれているように見えました。

 でもカメムシの悪臭は、けっこう強力で、
 直接捕食者を殺すくらいの効力がある場合もあるのじゃないか、と思います。
というのは、前にも書いたことがありますが、松の幹でずっと見たいと思っていたウシカメムシの幼虫と成虫の集団を見つけ、
急いでいたので少々荒っぽく(追いかけまわしたので悪臭を出し始めていた)、
空気穴を開けていないフィルムケースに採集して、
15分くらいしてみたら、自分たちの出した臭気で、全員がころっと死んでいたという悲しい体験から。
自然界で密封されるということはほとんど起こらないかもしれませんが、
条件によっては殺傷力のある臭気でさえあるように思われます。


 春と秋は、カメムシが目につく季節なので、
このところネットには、布団にはいったり、洗濯物についたりして悩まされて
カメムシ退治の方法を知りたいという書き込みがたくさん見られます。
こういう方が、ときどきカメムシ大好き!と言っているこのブログに間違って来ちゃうことがあって、
さぞ腹が立つだろうなあ、と申し訳なく思うのもこの季節。
特に今年は例年より、ちょっとカメムシの数が多いような気がしています。

 カメムシの魅力はその成長過程の形態や色の変化、といいましたが、
これはいっぽう、カメムシの名前を調べるのを困難にしている原因でもあるわけで。
図鑑などでは、成虫でないと名前がわからないものも多く、
1種で5段階の変化があるのですから、幼虫だと名前にたどり着くのはなかなかたいへん。

 今年も「この幼虫はカメムシであることは確かだけれど、名前は?」と思うことが何度もありました。
こういうときは、採集して飼育し、脱皮を繰り返す過程を観察しながら、
最後の脱皮をして成虫になった後で、やっと謎が解ける。
謎解きは脱皮のあとで―これもまたカメムシ観察の楽しみのひとつです。

 たとえば、
10月上旬に鎌倉中央公園で見つけたこれ。

全体にまるっこくて、ヒゲをぴんとたてた黒猫の顔のよう。


1回脱皮したらこうなりました。これで5齢かな。


そして、羽化してみると、あのどこにでもいるチャバネアオカメムシ!?

あれっ、でも・・・・・『日本原色カメムシ図鑑』のチャバネアオカメムシの幼虫とは違うようなんだけど・・・・・・
1匹だけを飼育したので、ほかの種が混じることは絶対ないと思うんだけど・・・・・
かえって謎が深まってしまった。


 こちらはきれいなピンクとつやつやした緑色の配色が美しい幼虫。(右側)

まるで若い銀杏の実のようなみずみずしい緑に差し色のピンクが効いている。

脱皮して成虫になったので、ツヤアオカメムシとわかりました。



 そして以前紹介した、10月中旬に見つけて狂喜したウシカメムシの4齢幼虫。

6日後に5齢幼虫に変身。

まるで帽子をかぶった小学生のように見えた4齢が、
白い髭をはやした北欧の神様みたい(『むし探検広場』の園長さんのみごとな見立て)ないかめしい顔の模様に。



さらに10日ほどで羽化し、めでたく成虫になりました〜。


ウシカメムシは小型なので、成虫になっても6、7ミリほどの大きさです。

 ところが、この小さくてちょこちょこ動くウシカメムシには意外な習性があるらしい。

 私は見たことがないのですが、昆虫写真家の新開孝さんのサイト『ひむか昆虫記』によると、
なんと、ウシカメムシは産卵のための栄養補給に、
ツバキの枯れ枝の幹に産み付けられたセミの卵を探して吸う!というのです。
この記事が出たのが9月半ばですから、この時期に産卵の準備をしているということは、
越冬前に産卵するのかな?!

 木枯らしが吹こうというこの季節にも、
セミの抜け殻が残っているようなツバキの木を見ると、
じいっと目を凝らしています。
卵(ウシカメムシの卵は白くてまん丸)、みつけたーい!

 きょうは虫をモチーフに作品をつくっている川上きのぶさん作、シャクトリマグカップに
大好きなクサギの実を活けてみた。



 ところできょうは11月1日。
姉妹サイトの『バニャーニャ物語』更新の日ですが、

今月から15日更新に変更させていただくことになりました。
11月15日の更新日には、ぜひどうぞ!






 

『むしむし探し隊』主催 池田清彦先生の講演会

2011-10-18 20:32:51 | 日記

 

 10月15日、『むしむし探し隊』の監修者のおひとりである池田清彦先生の
講演会へ行ってきました。

池田先生は、同じく監修を担当していらっしゃる養老孟司、奥本大三郎両先生との共著で
『ぼくらの昆虫採集』(デコ出版刊)も先ごろ出版されています。

 主催のNPO法人『むしむし探し隊』は、
今までもセミの鳴きはじめ、鳴き治め調査などの情報収集活動をやってきましたが、
これからは観察会や講演会にも力を入れていくということなので、楽しみです。

 さて、このところテレビでの怪演ぶりで、虫に関心のない人にも知名度うなぎのぼりの早稲田大学教授、生物学者の池田先生。
この日の演題は『虫は人間(ヒト)よりおもしろい!
― 放射能から見た人と虫の違いについて考える』でした。




 以下、メモからこの日のお話の一部をまとめてみると―

*虫はなにがおもしろいか、というと、採りにいくと、思ってもみなかったものがとれること。

*「神は細部に宿る」というけれど、虫の楽しみも細部に宿る。
 同じ種でも、ちょっと違うところがあるのを見つけるのも虫屋の楽しみのひとつ。

*なんでカミキリ屋になったかというと、チョウは日本国内だとけっこうコンプリートできちゃうが、
 800種いるカミキリだったらたぶん一生かかってもコンプリートはできないだろうから。
 今のところ集まったのは8,9割というところ。

*生物多様性にとっていちばんいいのは、人間がいなくなること
 核実験が行われて放射能に汚染され、人間が入れなくなったビキニ環礁はいまやダイバーの天国となっているし、
 原発事故のあったチェルノブイリも、ものすごい多様な生物の宝庫になっている。

*虫が少なくなってしまった主な理由のひとつは農薬などによる土壌汚染。

*外来種が悪者扱いされるが、2500年くらい前に日本にはいってきたイネも外来種だし、
 そもそも20000年くらい前にやってきた日本人も、日本列島の哺乳類としては外来種。

*日本の自然をこわしたのは何かというと、人間と米。

*外来種といっても、人間にとって経済的に害を及ぼすブラックバスは悪者で、
 同じく外来のワカサギは、人間に利益をもたらすので、外来種と言わないだけ。

*外来種を駆逐するには環境を変えるのが一番効果的。ブラックバスを例にとると、
 繁殖して困っている場所は、人間が護岸などでブラックバスの繁殖に適するように環境を変えた場所。
 駆逐したいのだったら昔のような環境にもどすしかない。

*生物多様性がいわれるが、これも外来種の問題と同じで、いちがいには言えない問題。
 生物多様性を守るといっても、すべてを守ることはできない。
 たとえばトキを保護すれば、トキに食われるものは守れない。

*どういうものが保護されて、どれを保護しないかというと、
 大きくて目立つもので人間の役に立つものは保護され、
 土壌生物のように人間の目につかないものは保護の対象にすらなっていない。
 しかし、人間がいなくなっても自然は全く平気だが、
 分解者である土壌生物がいなくなったら、人間はすぐダメになる。

*食べて美味しい虫はセミ。特に土から出てきたての羽化する前のがいちばん味がいい。
 オオスズメバチの幼虫も大きくて美味しい。

****************************************

 この日の演題のとおり、放射能や遺伝子などのお話もあったのだけれど、
私は虫関連の話しかメモしなかった(笑)ので、
以上はこの日の講演のすべてではありません。

養老先生のこととか
大学のこととか
目が悪くなったこととか
大好きなお酒のこととか
一度も受けていないがん検診のこととか・・・・
脱線したり飛躍したり道草したりしながら、
しかし最後はちゃんと元のところに話題がもどるのは、
さすが大学で授業をしていらっしゃる先生。
ときには聴衆がドキッとするような(ここには書いていないような)発言も。

震災以来、ホンネが言いにくくなっているという世情もなんのその、
テレビでも講演でも著書でも、
どんな場面でも変わることなくホンネ炸裂の池田節の2時間。
放射能の人体への影響や遺伝子のこと、その修復のメカニズムなど、
面白くわかりやすくためになった話もたくさんありましたし、
またなんだか便秘が治ったような(笑)、
すっきりとした気持ちになった楽しい講演会でした。
アンコールしたいです!


 

秋のカメムシ日和その2 ウッ、ウッ、ウシカメムシー!

2011-10-15 14:52:59 | 日記

 おとといのつづきを、きのう更新しようと思っていたのですが、
昨夜は『むしむし探し隊』主催の池田清彦先生の講演会で遅くなったので
更新がきょうになってしまいました。
昨日きてくださった方、ごめんなさい。
池田トークが炸裂した講演のようすは、
またお伝えします。
すごく面白かったですよ!


 今年6月ごろから何度か歩いた高尾の林道。
第一のお目当てであるオオトラフハナムグリはとうとう見つけられなかったけれど
これは来年のお楽しみにしよう。
夏の間快適だった高尾の林道も、
そろそろ気温が下がってきて、見られる虫の姿も少なくなりました。


 ミゾソバやツリフネソウ、オオハナウドの花が満開の林道で見た虫は・・・・・


オオハナウドのもわっとした匂いにひきつけられたのか、
アサギマダラが夢中で吸蜜。
オオハナウドは大人気でハチ、アブ、ガなどが盛んにおとずれている。

これはホシベッコウカギバかな。きれいなガです。

オオハナウドは北方の植物らしく、
去年の秋に行った北海道大学植物園ではたくさん見た。
高尾のよりも丈高く、1メートルを超えるものもたくさんあった。
高尾のは多少小ぶり。


 オレンジ色の目玉と、スプレーを吹き付けたようなきれいな模様の翅をもつヒラヤマシマバエ。


 稲を吸汁して斑点米にしてしまうきらわれものハリカメムシの仲間。



 ホバリングしながらツリフネソウで吸蜜するホシホウジャク。



 名前のとおりツヤツヤの緑色をしたツヤアオカメムシ。



 同じ緑色のカメムシですが、こちらは光沢のないアオクサカメムシ。



 元気に跳びはねていたミスジハエトリのオス。

黒曜石のようなきれいな目。


 たれ瞼のちょっと陰険な目つきのこの5ミリほどの虫は
アワフキの仲間。

ときどき、不満げに目を伏せる『相棒』の右京さんをみると、
あ、アワフキ目だ〜、と思うのは私だけでしょうか。

 カメムシの幼虫ですが、どうしても名前がわからないので
採集した2種。
飼育して成虫になるのが楽しみ。



 今年はこのくっきりハートマークのエサキモンキツノカメムシを今までよりもたくさん見ることが多いような
気がします。
かなり繁殖しているのかな。


 群生していたミゾソバの花。8月ごろから山地の水辺で見かける。


 丸い頭部が特徴のカラスハエトリのオス。

それにしても、ぶっとい腕だね。

 ちなみにメスはこんな色。夫婦ともに太目。

ひさしのようになった頭部先端のかげから、きらりと目をのぞかせています。



 これはクチナガカメムシの幼虫かな?


カメムシばっかりで、そろそろウンザリしてきましたか?
じゃあ、ちょっと目覚ましにこんなの。



キモオチャメなこの幼虫はアケビコノハ。
おなかのところに、ついている白いつぶつぶは何かが寄生しているらしい。


 でもでも、次の日、東高根で、ついに念願のカメムシに会うことができたので、カメムシ、まだつづきま〜す。
念願のカメムシとは、ウシカメムシ!!! 4齢幼虫です。

ああー・・・・・・・・やっと会えた。

 酔狂にも、カメムシ好きが集まって自己紹介をする場面を想像してみると、
それはたぶんこんなふうになるのじゃないか。
「○○(名前)です。えーと一番好きなのは、沖縄でみたミカンキンカメの成虫と3齢です。」
「○○です。ぼくはミナミアオカメムシの3齢と桃色帯型の成虫が好きです」
「○○といいます。好きなのはアカカメムシの色彩変異型かな。あのアッカンベー顔がたまりません」
「○○です。わたしは華麗なツノアオカメムシかな。あ、あとアカホシカメムシの5齢なんかも好きです」
・・・・・・・・。

 カメムシは幼虫時代から成虫への多彩な形態、色彩変異が魅力なので、
成虫だけでなく、こんなふうに幼虫の各ステージごとにファンがいるに違いない。
1個の飴で、5回も違う味が楽しめるようなもの。
で、
私の自己紹介は、
「好きなカメムシはウシカメムシの5齢幼虫です!」


 ウシカメムシ。
成虫でも7,8ミリと、比較的小型のカメムシで
今回見つけた4齢幼虫は3,5ミリ。
しかも、とくに幼虫時代は肢をチョコチョコチョコチョコチョコチョコと非常に素早く動かして
動き回るので、その動きがまたかわいいんですが、見つけにくいカメムシのようです。


 思えば『日本原色カメムシ図鑑』の写真で見てひとめぼれ。
7年位前、実家の庭の松の木の幹に5,6匹の成虫、幼虫を見つけ
とても急いでいたため、手元のフィルムケース(空気穴をあけていなかった)にあわてて採集し、
あとでみたら、自分たちの臭気で全員、コロっと死んでしまっていた、
という悔恨の経験以来、針葉樹の幹をなめまわすように見て回るという怪しい行動をしながら、
ずっと探していたのが、
やっと会えたのですから感激もひとしおです。
図鑑などには、植樹を針葉樹と書いてあるものが多いけれど、
アセビ、シキミ、サクラ、ヒノキなども食べるようです。
今回見つけたのは、林道沿いの草の上でした。

アップしてみましょう。

ウシカメムシの名はウシの角のように見える前胸背側に張り出した部分からきているらしい。
そして背部に見える人面だか鬼面のようなもようがなんといってもチャームポイント。
この4齢幼虫時代の顔は太めの白いまゆ毛、小さな黄色い目におちょぼ口。
腹部背面のエンジ、シロ、黒のシックな色具合いがまた味わいふかい。

どうしてもお別れしがたくて、
この後さらにいちばん好きな5齢幼虫に変態してくれるのを期待して採集。

そして2日後、脱皮してついに!


待望のウシカメムシ5齢幼虫になりました。
童顔風だったのが、口をへの字に曲げて目をつりあげた鬼顔に変ったー。
体長も5ミリと大きくなりました。


このあと羽化して成虫になるまでの、たぶん1週間弱くらいしか見られない形態なので
ひまさえあれば、見つめています。












 


 

  

 

秋のカメムシ日和その1 鎌倉中央公園で

2011-10-14 09:33:57 | 日記


 金木犀の香りが空気に満ちるこの時期、
10月はじめの連休は鎌倉中央公園、高尾の林道、西高根地域、と外を歩き回っていました。
折から今頃はカメムシを見かけることが多い季節。
あっちでも、こっちでも。

 まずは鎌倉中央公園。

 わりと身近にみられるわりには大型で目立つカメムシであるアカスジキンカメムシ。
この大口を開けて笑っている顔にも見えるのは5齢幼虫で、このままのステージで越冬し、
翌年の5月ごろ羽化して成虫になります。


ちなみに成虫は、このように派手な色合いと模様の美麗種。
幼虫時代とがらりと装いが変わります。


 さらによく見るのが、このクサギカメムシ。

これも比較的大型で1センチくらいある。

 アカスジキンカメムシと違い、このクサギカメムシは今頃成虫になり
成虫で越冬するらしく、このように羽化して間もない翅が透き通っているものをけっこう見かけた。


 すわっ!白いカメムシかっ!?
と思ったこれも、どうも羽化したばかりのクサギカメムシらしい。

透明感のある白、グレーに薄茶に黄色、そしてアクセントに赤、という
なんとも美しい色合いです。

 ちなみにクサギカメムシの4齢幼虫はこんな姿。

卵から帰ったカメムシの一齢幼虫は、5齢までつぎつぎに脱皮して成虫に。
この時期には幼虫から成虫まで、けっこういろいろなステージのカメムシをみることができます。

 不完全変態のカメムシは、各齢ごとに大きさ、模様、色、形、と変化するのがおもしろいのですが、
幼虫だけをみて、名前を知るのが難しいのが悩み。
たとえば・・・・この黒猫顔みたいな模様の幼虫は誰?

採集してどんな成虫になるのか飼育中。

 イネ科の植物を吸汁するトビイロハゴロモ。
ハゴロモ科のこの虫もカメムシ目に属します。
たった5ミリですが、体全体に粉をふいたように白くて、とんがった顔が面白い形。


 あっ、大好きなホタルガ。


赤い頭部と櫛形の黒い触角。
白い裾模様の黒マント。
くるくると円を描きながら飛ぶので、
この白い線が輪のように見えて、とてもかわいい。

 これも大好きなヨツボシハムシ。

秋になってから、あまり見かけなくなったけれど
冬はどうするの?
調べてみたら、幼虫時代は土の中で植物の根を食べて育ち、
成虫になって越冬するようです。
この時期に会う虫たちには
冬はどうやって過ごすの?
ときいてまわりたい。

 派手な色合いのキアゲハの幼虫もいました。

もうそろそろ前蛹になりそうな雰囲気だけれど、
キアゲハが出現するのは年1〜4回、3月から11月というから
これから羽化するのかな。
パセリやニンジンなどのセリ科の植物が食草というが
気温も低く、食べ物が少なくなるこの時期に羽化して生きていくのは
たいへんだろうなあ、なんて勝手に心配になる。

 さっきからまわりを元気にとびまわっている少年ふたり。
なにを採っているのかなあ、と思ったら、
手を開いて見せてくれた。

なんとシジミチョウならぬシジミっていうのが、しぶい。
左のがきょういちばん大きな1個。
もう味噌汁用に50個以上採れたので
これらは川に返すところだという、採集マナー正しき兄弟なのでした。



 明日は、高尾で見た虫です。