44巻-428話 帰ろう （メリー号との別れ-1）

ルフィが、サイファーポール史上最強と言われる現在の『ＣＰ-9』のロブ・ルッチに勝った。
脱出船の上では、麦わらの一味が束の間に歓喜にわいた。


そこへ、電伝虫の音声から他の誰かの歓声も追加された。
「やったぜ麦わらさーーーーんっ！！！アニキィーーーー！！おれ達全員無事ですよーーー！！！！」
その声はフランキー一家の者達だった。
『バスターコール』の砲撃を受けて谷底に落ちて死んだと思われたのだが、実はパウリーのロープ技で巨人を含む全員が落下途中の岩陰に隠れていたのだった。








あとは一味とルフィが合流して、脱出船でここから逃げるだけ！！！
逃げ切れなければ、今までの全てが無と帰する。
ルフィの帰還を待ちわびるのだが、戦いの反動と負傷で、ルフィはその体をピクリとも動かすことが出来ずに第一支柱の上で空を向いて寝転ぶだけだった。
「ダメだ・・・体が・・ぜんぜん・・・動かねぇ・・・！！」


さらに、唯一の脱出方法である”脱出船”が爆破された。
船にいたココロさん達はいつの間にか戻っていたサンジが救いだしたが、麦わらの一味のいる「ためらいの橋」の第2支柱で足止めされ、その支柱のぐるりを5隻の艦隊に包囲され、もぅなす術が見つからない状況だった。








「第2支柱」にはニコ・ロビンがいるため、まずは「第1支柱」の麦わらのルフィに、軍艦からの一斉砲火の指揮がくだった。
「ルフィ！！！立って！！！」
”麦わらの一味”も、ココロさんも、フランキー一家も、ガレーラの職人達も、ヨコズナも、みんなが必死に呼びかけるも、ルフィの意志に反して、体は反応することが出来ない。


砲撃5秒前。
ルフィに軍艦の砲撃の照準があわせられ、カウントダウンがラスト5を切った時だった。
麦わらの一味に、呼びかける声が聞こえた。
それが誰なのか、どこから聞こえてくるのかはわからない。
『下を見て』



その声に言われるまま、支柱の下、すなわち海を覗き込んだウソップが大声で叫んだ。
「海へ飛べーーーーーーーー！！！！！ロビン、ルフィを海へ落としてくれっ！！！」





砲撃2秒前。
海へ飛べと言い出すウソップに「ヤケになっても助かりゃしねぇぞ！！」とゾロがたしなめたが、ウソップは大泣きで反論した。
「助かるんだ！！！助けに来てくれたんだ！！！まだおれ達には仲間がいるじゃねェかァ！！！！」




ナミもチョッパーもサンジも声に言われるまま下を見て、次々と海へ飛び込んだ。
「海へーーーーっ！！！」「海へ！！」「海へーーーー！！！！」「ルフィに続けーーー！！！」




海では”仲間”が待っていた。
『帰ろうみんな！！また・・・冒険の海へ！！迎えに来たよ！！』