ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

44巻-429話 完敗 (メリー号との別れ-2)

2016年09月09日 | エニエス・ロビー編





どこからどうやって潜り込んだのか、ボロボロの海賊船に”麦わらの一味”達がぞくぞくと乗り込んでいくのを、海軍は歯がゆい思いで見ていた。
爆撃しようにも、ニコ・ロビンまでも殺してしまう為に、それも出来ない。




メリー号に乗り込んだ麦わらの一味は、この喜びを味わう暇もなく、この艦隊の包囲網を切り抜けねばならなかった。
ルフィもさすがに、軍艦の砲撃口が自分を向いたときは死ぬかと思ったらしく、そこから助けだしてくれたロビンに礼を言いかけて、ロビンにその口を塞がれた。




ロビンは、自分がみんなにお礼を言いたかった。
「みんな!!ありがとう」










みんなは、ロビンがそこに居るだけで充分だったし、その言葉以上に嬉しいものはなかった。
ルフィは嬉しそうに「気にすんな!!ししし!!!」と笑い、ゾロは冷静に「んなくだらねぇ事言うのは逃げ切ってからにしろよ!!」と言って、またいつものようにサンジとケンカを始めた。
これが麦わら海賊団。
どんなにどうしようもないピンチの時も、沈むことなく皆が皆であること。
ロビンは、クスッと小さく笑った。


だが、笑えない奴の声が響いた。
フランキーにボコボコにされたスパンダムがマイクを取って指示を出したのだ。
「逃がすくらいならニコ・ロビンごと吹き飛ばせ!!と大将”青キジ”よりの命令だ、全艦砲撃用意!!!!」
大将”青キジ”からの命とは大嘘で、逃げられるくらいなら全員殺してしまいたい、スパンダム自身の希望だった。


一難去ってまた一難。というより、海賊に「エニエス・ロビー」は元から災難しかない。
全艦一斉の砲撃・・・のはずがメリー号に一発も当たることなく、標的を外したり自爆したり、艦隊同士が衝突したりの大騒ぎとなっていく。
それは、開いていたはずの「正義の門」が閉じることで、再びこの海域に激流とも言える渦潮が発生しだした為であった。




驚く皆をよそに、サンジだけが「うひょー想像以上!根性だけで逃げ切れる相手じゃねぇだろ?」とその光景を楽しんでいた。
この、軍艦との戦いに勝った後の事まで考えた作戦に、ウソップは感動した。




ゾロが「渦潮はおれ達にとってもヤベェだろ!!」とつっこむと、凄腕航海士のナミがキリリと斬りこんだ。
「おだまりっ!私達が乗ったメリー号に、越えられなかった海はないっ!!!見えたわ、勝者の道!!!」


だが、さすがにこれだけの至近距離、中には直撃する砲弾もあるが、ゾロとサンジの息のあった”ゴム”を使った跳ね返し技が光った。







メリー号は渦潮の流れを掴んで、ぐんぐんと加速して艦隊の群れの中を縫うように突き進んでいく。
目の前を逃げていく海賊とニコ・ロビンに、スパンダムが痺れをきらした。
「畜生!エニエス・ロビーの全戦力をかけて、国家級戦力『バスターコール』の力をかけて!あんなちっぽけな海賊団から!!たった一人の女をなぜ奪えねェ!!!!」
そのスパンダムの口を塞いで、背骨をまっぷたつに叩き割ったのは、”その女”ニコ・ロビンであった。




ナミの指示で、フランキーの【風・来・砲(クードヴァン)】によって空を飛んで戦艦の海域を一気に抜け、最後の始末はウソップの【超煙星】での大煙幕で、海軍の追跡をケムに巻いた。




同時に「正門」からは豪快に汽笛を鳴らした「海列車パッシング・トム」がフランキー一家、ガレーラカンパニーの職人に巨人にキングガラを乗せて、「エニエス・ロビー」から堂々の脱出を果たした。
トムさんは帰ってこなかったけど、トムさんの作った海列車は皆を故郷に帰してくれた。





この戦いに幕を引いたのは、自転車で様子を見に来ていた、”大将青キジ”だった。
「もういい。もはや一目瞭然、この一件は我々の完敗だ」





一方、エニエス・ロビーを離れて、ゆっくりと「ウォーターセブン」を目指すメリー号では、ルフィが仲間に頼んで”ルフィの特等席”であるメリーの頭の上に乗せてもらった。
”いつもの席”に戻ったルフィはこれ以上もないほどに満足気だった。
「ここがおれの席だ!!お前のおかげで脱出できた、ありがとうメリー!!」

上機嫌の”麦わら”に、フランキーが呆れて言った。
「しかしお前ら、こりゃとんでもねェ事しちまったぞ。世界政府の旗撃ち抜くなんて・・」

上機嫌の船長は特等席からみんなに言った。
「取られた仲間を取り返しただけだ!!このケンカ!!おれ達の勝ちだァ!!!!」



ルフィにとって、これはケンカだったのだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿