ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

197話 統率者達   (王宮の戦い-2)

2016年01月17日 | アラバスタ編








ビビの名を呼んだのは、反乱軍のリーダーで、ビビの幼馴染のコーザだった。



コーザは、戦いが王宮内に及ぶ前に国王を説得しようと、子どもの頃よく使った抜け穴を通って王宮内に入っていたのだ。
ここまで裏切られ続けても、目の前で国王の裏切り行為を見てもなお、国王に一縷の望みを抱き続けたコーザ。志の強さ、諦めの悪さは、ビビと同等なのかもしれない。

だが、コーザは目の前の王宮の光景に混乱していた。国を裏切ったはずの国王が流血で拘束され、国王軍の護衛隊長チャカが、国の英雄サー・クロコダイルに殺されかけている・・・。
混乱するコーザに、クロコダイルの秘書の女が声をかけた。「困惑してるみたいね、簡単よ。あなたが思いつく『最悪のシナリオ』を思い浮かべればいいわ」


クロコダイルはコーザに、雨を奪ったのは自分であり、国王を信じ切れなかったコーザ達こそがクロコダイルの片棒を担いで国を滅ぼすコマとなっていた事を、嘲笑と共に話して聞かせた。今までしてきた事の全てが無意味で愚かな事であったことにショックを受けるコーザに、国王は力強く告げた。
「聞くなコーザ!!!お前には、今やれる事がある!!!一人でも多くの国民を救え!!!」




国王の声に、瀕死のチャカが言葉を絞り出した。「あと半時もせず、宮殿広場が吹き飛ばされるのだ!!急げ!!!」
その声が終わらないうちに、ドスッという鈍い音がチャカの方から聞こえた・・・!!

国王とチャカの言葉を信じたコーザが、王宮前広場が爆破されることを皆に知らせに行こうとするも、ビビが抑えつけてそれを止めた。「今、国王軍に爆破を知らせれば、広場はパニックになる!!!そうなれば、戦争は止められない!!!誰も救えない!!!!」





この二人が手を組むと、『ユートピア計画』が失敗するという計算がついていたクロコダイルは、ここで二人を殺してしまおうと、二人の背後から爪をまわした。

そのクロコダイルの爪の盾となり、二人を守ったのは、瀕死のチャカだった。
「我、アラバスタの守護神ジャッカル!!王家の敵を討ち滅ぼす者なり。命寸分でもある限り、私は戦う・・・!!コーザ、ビビ様思いのままに。まだ私とて数分の足止めにはなりましょう」



ここでクロコダイルと戦うと、チャカは確実に殺される。まさに数分後、チャカはクロコダイルに殺されている・・。
子どもの頃から二人を見守ってくれていたあの優しいチャカが死ぬことがわかって、それでも二人は泣く暇もなくチャカの命を盾にして、数百万の国民の命を助ける為、二人は走った。命を賭けるという意味を、その決意を、その命を無駄にしない為に。




ビビとコーザは、王宮から降りて必死に国王軍に”白旗”を挙げるよう説得した。反乱軍と戦ってはいけないことを必死に説得し、反乱軍がなだれ込む一瞬先に白旗を挙げることに成功した。
コーザも躍り出て、国王軍の中央で、反乱軍リーダーであるコーザが白旗を振った。
「止まれ。この戦いを止めろ!!!!!」




反乱軍は、コーザの姿を見て驚いて足を止めた。戦争が止まる・・!!希望の光が差し込んだその瞬間、国王軍に潜入していたB・Wの社員が、コーザを撃った。










反乱軍は、国王軍のこの汚らしい裏切り行為に激怒した。もはや、怒りと憎しみは止められない。反乱を止めるためにしたコーザの行動は、戦争に油を注ぐ結果となった。
またもや希望の光が、一瞬にして裏切りと絶望の暗黒の闇となり、憎しみの形をくっきりと浮かび上がらせる為の光となったのだ。




ここでいう「統率者達」は誰なのだろう。
まずは国王。国を想い、全ての立場の国民を等しく思う本物のリーダー。
コーザは、国を強く愛する反乱軍のリーダー。
ビビは、この戦いを先頭切って戦争を止める反戦のリーダー。
チャカは、国王軍の兵士達のリーダー。

クロコダイルという悪の統率者の真意を知ったそれぞれの”統率者達の思い”が、ここでやっと一つになる。争いを止めるのは、真の敵との戦いはここからだ。






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