ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

129話 まっすぐ  (リトル・ガーデン-16)

2015年11月09日 | アラバスタ編




「リトル・ガーデン」を出ようとするゴーイングメリー号の前に立ちはだかったのは、海王類の一種と思われる巨大金魚だった。その大きさは、まるで島。そいつが大きな口を開けて、船を呑み込もうとしているのだ。





ナミは舵を切るよう指示するが男達は誰も動こうとはせず、ウソップは、恐怖に震える体に言い聞かせながら、船長ルフィに確認した。 「だ、だめだ、まっすぐ進む!!!そうだろ、ルフィ?」
ルフィの気持ちは決まっていた。 「うん、もちろんだ。」
エルバフの戦士達が『我らを信じてまっすぐ進め』と言ったから。エルパフの戦士達を信じているから。
ルフィがこうなってはテコでも動かない事を知るナミは、涙を流して諦め、ビビは「正気なの!!!?」とこの一味の考えに驚いた。




ルフィ達の船が、今、まさに怪物金魚に呑み込まれようとしているのを、巨人達は島から眺めていた。
「怪物金魚”島食い”め。」
「驚くのはデカさだけじゃない、その辺の島を食い潰して出す、フンのでかさと長さよ。確か”何もない島”という名の巨大なフン・・・、昔、大陸と間違えて上陸したことを憶えている・・・!!」
「懐かしい冒険の日よ。奴らを見ていると、どうも昔を思い出す!!」



金魚の口へとまっすぐに進んだメリー号は、怪物金魚に呑み込まれ、金魚がその口をバクン!と閉じた時、ドリーとブロギーはその巨大な体いっぱいに、渾身の力を込めた。
「我らに突き通せぬものは、”血に染まるヘビ”のみよ」
「エルバフに伝わる巨人族最強の”槍”を見よ!!!」




金魚の口の中でルフィ達は大声で唱え続けた。「まっすぐ!!まっすぐ!!!まっすぐ!!!!まっすぐ!!!!」今は、友を信じるしか術はない。

二人の巨人が、海に向けて大斧と大刀を同時に振り切った。
「覇国っ・はこく!!!!」

その衝撃派は怪物金魚の腹にぽっかり穴を空け、船は空いた穴からまっすぐその先に飛び出して行った。




「振り返るなよ!!!いくぞ まっすぐーーーーーーっ!!!」




ルフィは体中で感動を覚えていた。「でけェ・・・!!!なんてでっけェんだ!!!!



ウソップは体の震えと涙が止まらなかった。いまだかつて感じたことのない、大きな大きな感動だった。
「海ごと・・・斬った・・・これが・・・エルバフの・・・戦士の力!!!」




友の乗る船が、大きな波しぶきを立てて無事海に着水したのを見届けた巨人達は、「さァ行けェ!!!!」と船の進む方角を指して見送った。



二人の手にする大斧と大剣は、100年の戦いと、最後の覇国の衝撃で粉々に粉砕していた。
だが、エルバフの戦士達は、爽快だった。心の底から友と思えるヤツラと出会い、友の船出に大笑いで見送れたのだから。





二人は思い出していた。今はたった二人の島が、仲間達で賑やかだった遥か昔のことを。

その昔、「巨兵海賊団」という名の暴れ者どもが、海にいた。
それを率いる二人の海賊頭”赤鬼のブロギー”と”青鬼のドリー”の力は特に凄まじく、もはや普通の人間の力では太刀打ちできぬと、半ば野放しにされた程のこの海賊団の進撃に終止符を打ったのは、なんと・・たった一人の女の子であったという。

ある日、海王類の中でも特別巨大な獲物を一人一体しとめた二人の巨人は、自分の獲物が一番大きいと、その大きさに酔いしれていた。

その話を聞いていた、ある小さな女の子が2人にたずねた。
「それはどっちが、大きかったの?」


その一言以来、ブロギーとドリーはどっちが大きいかで戦い出したのだった。100年もの間。戦い続けている間に、自分達が何の理由で戦っていたのかも、すっかり忘れていた。

その時狩った巨大な海王類の獲物も、今は骨となり、それぞれの棲家となっている。
「ところでブロギーよ、オレには一つ、どうも思いだせんことがある。」
「いや、実を言うとな、おれもだ・・・」


その時、真ん中山が噴火した。
”どうも思い出せないこと”はそこで中断し、2人の素手の戦いが始まった。
あと何年続くかわからぬ、いつもの戦いの日々が続いていく。





ルフィ達をのせたメリー号は静かに航海を続けていた。
ルフィとウソップは、いつか絶対「エルバフの戦士の村」に行くことを誓い合い、ゾロは”ろう”が斬れなかった自分のふがいなさを糧に訓練に励み、サンジは、二人の美しき女性を守ることを誓った。

このままアラバスタへ。
ビビは、アラバスタへの「永久指針」を見つめながら、イガラムの言葉を思い出していた。
「国民達に父王の顔がきかなくなった今、あなたの口から、国民に直接真実を語るほか、この暴動を鎮める手はないのです!!だからあなたは決して死んではならない!!!たとえ周りにどんな犠牲を払おうとも・・人を裏切ろうとも、生き延びる!!!つらいことです。ビビ王女、”死なない覚悟”はおありですか?」







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