ブルックは、船長のルフィに許可を得て頭蓋骨の中から『トークダイアル』を取り出した。
一人きりで漂う船の上で、何度この「トーンダイアル」を聞いたことかわからない。
ヨーキ船長を欠いたルンバー海賊団は、前を目指して進んだ。
その先にラブーンがいて、船長もいると信じて、ひたすら前を目指し続けた。
だが、魔のトライアングルでの戦いに、ルンバー海賊団は全滅寸前だった。
海賊なのでいつでも死ぬ覚悟は出来ている、ただ・・・一つ心残りはラブーンとの約束だった。
仲間達は、ブルックの【ヨミヨミの実】に、ラブーンとの約束の夢を託した。
ブルックは「どうせ死ぬなら、楽しい方がいい・・・唄いませんか?
私、もし本当に蘇ったなら、皆さんの声を届けます。必ず。ラブーンも船長も、我々皆が愛したこの唄を・・!!!」と提案した。
皆は賛成し、ルンバーか遺族団、一世一代の大合唱が始まった。
今までで一番力強く、一番楽しく歌った。
届け、届け、ラブーンに届け、船長に届け、この唄を!!!
その時のルンバー海賊団の命の唄が『音貝(トーンダイアル)』に録音して、ブルックの頭蓋骨の中に大切にしまわれてあったのだ。
『トーンダイアル』から聞こえてくる賑やかな歌声に、被害者の会の皆が声を合わせて歌いだした。
それにつられて、麦わらの一味も声を合わせて歌い踊った。
ブルックの目の前の海賊達のにぎやかな様子や歌声が、ありし日のルンバー海賊団と重なった。
だが、『ドーンダイアル』には、悲しい事実も記録されていた。
ルンバー海賊団は一人、また一人と力尽きて倒れていく・・・。
「どうしました?これじゃ四重奏(カルテット)・・・、三重奏(トリオ)・・・、二重奏(デュエット)・・・、そして独奏(ソロ)・・・・・。何です、伴奏だけ残して・・。」
そして、ブルックも死んだ。
トーンダイアルの唄が終わっても、目の前の麦わらか遺族団の歌は終わらない。
ブルックは、甦ったのだ。
(ラブーン・・・お前が50年もの間、そこで待っていてくれていたのなら、あと1.2年だけ辛抱してくれませんか?私にも・・・海賊の意地がある!!壁に向かって待つお前とは、約束どおり”正面”から再会したい!!!)
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