たしぎによって守られた”麦わらの一味”は、無事に王宮に運び込まれ、VIP待遇で丁寧な手当てを受け、ルフィ以外のメンバーは動きまわれるようになっていた。
そして、ようやく3日後にルフィが眠りから覚めた。
船長の目覚めを機に、アラバスタ王国を救った英雄達の歓迎会が始まった。イガラムとそっくりのイガラムの妻で王宮の給仕一筋30年のテラコッタさんは、ルフィの胃袋に負けないよう、腕によりをかけた大量のアラバスタ料理を盛大に出し続けた。
戦いで血を流した上に、3日も食べていなかったルフィの食欲は留まることを知らない。
そのうえ、海賊である一味の食べっぷりの下品なことこの上なく、王宮の兵士達は眉をひそめて眺めていた。が、出された料理が底をつく頃には、この大宴会に王宮の人達は全員涙を流して笑っていた。
幼い頃のルフィがあこがれた、底抜けに陽気な海賊達がそこに居た。
宴会の後は、砂漠の国アラバスタでは雨期にしか使わない宮殿自慢の大浴場を、特別に麦わら一行の為に使用し、国王自ら案内した。
男風呂の中で、国王コブラは、ルフィ達に床に頭がつくほど頭を下げて礼を言った。
「ありがとう」
王が人に頭を下げてはなりません・・・と心配するイガラムに王は言う。「イガラムよ、権威とは衣の上から着るものだ。だがここは風呂場。裸の王などいるものか。私は一人の父として、この土地に住む民として、心より礼を言いたい。どうもありがとう」
王の言葉を真面目に聞いていたルフィは、「シシシ」と笑って応えた。
その頃女風呂では、ナミとビビが二人で入浴していた。
ナミはビビに話があった。
「・・・迷っているんでしょ・・・。私達今夜にでもここを出ようと思うの・・・」
その夜、ルフィ達麦わら海賊団は、海賊らしく、夜中にこっそりと王宮を抜け出した。
そうとは知らない王宮に、ルフィ達に関する情報が飛び込んできた。
ノノロア・ゾロ懸賞金6千万ベリー!、モンキー・D・ルフィ懸賞金1億ベリー!!
王下七武海を倒したことで、海軍本部の"将官"クラスが動く賞金首にのし上がっていた。
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