女だらけの国から逃げ出したルフィは、連れて来たマーガレットからレイリーのビブルカードを受け取ると、仲間達の元へと向かおうとした。
「とにかく仲間達と会わなきゃ落ちつかねェ。おれと同じようにみんな生きてたらそれでいい!!生きてさえいりゃ何度だって戦えるんだ!!!・・・どいつもこいつも越えてやるんだ!!!」と言いながらバーソロミュー・くま、戦桃丸、黄猿を思い出してむかついた。
だが、女ヶ島を出る手段がなかった。
ここは「凪の帯(カームベルト)」と呼ばれる大型海王類の素に囲まれた島で、ここにやって来る外らの船はない。
唯一、女帝の持つ海賊船だけがこの海域を航海できるのは、「遊蛇(ユダ)」と呼ばれる獰猛な毒海ヘビが船を曳くため、海王類も手出ししてこないのだ。したがって、女ヶ島に航海できる船は、唯一その1隻のみとなる。
ルフィは、では!と自分でいかだを作って海に出たが、ものの1分足らずで沈んでしまい、マーガレットは咄嗟に溺れたルフィを助け出した。
ルフィを放っておけない自分に困ったマーガレットは、これ以上馴れ合えば情が移る・・・と考えて、ルフィに弓を射った。
マーガレットを含め、この島の女戦士達は皆「覇気」が使え、矢に「覇気」を纏わせて撃つので、その破壊力は通常の弓と比較にならない相当な威力を持っていた。だが、すばしこいルフィを見失ってしまった。
女戦士達が男であるルフィを取り逃がしていた頃、女帝を乗せた海賊船は、どんどんと女ヶ島へと近付いて来ていた。
島から3キロの「凪の帯(カームベルト)」の地点で、「九蛇海賊団」を停泊して待つ軍艦が1隻あった。
それは海軍中将「モモンガ」を乗せた海軍本部の軍艦で、「海楼石」を大量に積んで気配を消すことで、海王類かに気付かれない仕様となっていた。
「待ちわびたぞ九蛇海賊団!!王下七武海”海賊女帝”ボア・ハンコック!!迎えに来た!!!
今日、白ひげ海賊団2番隊隊長の「ポートガス・D・エース」の公開処刑の場所と日取りが世界に一斉報道された。
海軍本部を有する「マリンフォード」の広場にて、ちょうど一週間後に、”火拳のエース”の命は絶たれる。つまり、必ず「白ひげ」が動くということ。我々海軍本部は、大将3名を筆頭に全戦力を傾けて「白ひげ」を迎え撃つ覚悟!!
今回の”七武海”強制召還は「世界政府」の厳令である!!断れば協定決裂!!”七武海”の称号は剥奪となるっ!!!
”七武海”称号剥奪か、召集を受けるか、ここで選べ!!!」
待ちわびた”女帝”ボア・ハンコックは噂以上の絶世の美女で、うしろに巨大な妹を二人従えて出てくるや「わらわは戦争になど行かぬ。だが”七武海”の称号は剥奪しないで欲しい。そして、そなた達の船の積荷も全て欲しい」と言い放った。
中将モモンガは「そんな我がままは聞き入れられん」と断ったが、ハンコックに見とれた海兵達は無意識のうちにハンコックの言いなりに動いてしまっていた。
ハンコックは一歩前に出ると「七武海の剥奪は嫌じゃ、しかし「世界政府」の命令は聞きとうない。
わらわを迎えに来た海兵達は、海で事故に遭い、体が石になり全滅してしまった・・・というのはどうじゃ?
わらわが何をしようとも、世界中がそれを許してくれる!!なぜなら、わらわが美しいから!!!!」
ハンコックは言い終ると、両手でハートの形を作り、【メロメロ甘風(メロウ)】と言って、手からハート型の光線を軍艦にむかって発射した。すると、モモンガ以外の全海兵達はハンコックに見とれたままの姿で、一瞬にして石化してしまった。
中将モモンガは、自分の手をナイフで刺すことで、かろうじて洗脳にかからないようにして耐え切って言った。
「手ぶらでは帰れん、2日後までここで待つ。現われぬ場合は協定決裂だ」
ハンコックは「好きにしろ」と言い残して、女ヶ島へと帰って行った。
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