ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

299話 幻想曲(ファンタジア)   (おれ達はここにいる-7)

2016年04月29日 | 空島編





ルフィは、とうとう"黄金の鐘"を鳴らした。
「届け!!!届けェ---!!!!聞こえているか!!?ひし形のおっさァん!!!サル達ィ!!黄金郷はあったぞーーー!!!!」




その、この世のものとは思えない美しい音色は、空の国中に響き渡った。

ガン・フォールは「いつか・・こんな時が来ると・・信じてた・・・」と涙を流した。



ただ神に祈るしかなかった空の人々は、願いが通じたことを感謝し、"島の歌声"に聞き入った。
シャンディアの酋長は、体を震わせながら、大戦士カルガラに"シャンディアの灯"が灯ったことを報告した。



カルガラの子孫ワイパーは、青海にいるノーランドの子孫モンブラン・クリケットに、この鐘の音が届いていることを願った。
大蛇ノラは、カルガラとノーランドと過ごした日々を思い出して、泣いた。
森では、サウスバード達が一斉に飛び上がって喜んだ。


それは、地上のジャヤの森でもそうだった。
ジャヤの森のサウスバード達も、鐘の音の響きを飛び立って喜んだ。
サウスバード達もまた、突然引き裂かれた仲間達の居場所を知り、400年の別れの喜びを泣き叫んで伝え合った。


地上のジャヤにもその美しい鐘の音は届いていた。
カラァーーン カラァーーンと鳴り響くこの世のものとは思えない美しい鐘の音は、"空"から聞こえてくるではないか。
モンブランと、サル山連合軍達は一斉に空を見上げた。



同時に、クリケット・モンブランとサル達は幻想を見ていた。
モンブランがこの土地に伝わる言い伝えを口にした。
「積帝雲と共に現れる"怪物"は、はるか上空に人間がいて、そいつに強い日光が差すと、遠い空の深い霧にそれは、まるで大きな怪物の様な姿として映し出される・・・・。」

それを聞いたマシラは「じゃあ、空に人がいることはとうに確認していたのか」と驚いてつぶやいた。
今、空にいるのは、あの”麦わら帽”を被った少年だ。
彼は空まで行って、ノーランドが・・・クリケットの先祖がうそなどついていなかった事を教えてくれているのだ。



モンブラン・クリケットは最高の笑顔を見せた後、膝から崩れるように座り込んだ。
サル山連合軍のマシラと、ショウジョウは、おやっさんの体調を心配したが、違っていた。
モンブラン・クリケットは、友である”麦わらの一味”が無事なのかどうかを、ずっと心配していたのだった。
自分の夢や先祖の400年の想いよりも、友の安否が気がかりで、それが彼等の夢だったとしても、自然の大災害を利用した、安全の保証などまったくない旅に友を案内したことをずっと心配していたのだ。
「あいつら・・・無事でよかったぜ・・・」
そう言ってモンブランは、ポロポロと涙をこぼして安堵した。




サル山連合軍達は、そんなモンブランの優しさを、優しい笑顔で見守っていた。
ルフィはモンブランを想い、モンブランはルフィを想っていた。
きっと、カルガラとノーランドも、互いに互いを想いあっていたことだろう。

ノーランドの最大の無念は、友の行方がわからなくなったこと、友の安否が知れなかったことだった。
自分の境遇よりも、自分の身よりも友の身を案じる癖は、400年後の子孫になっても変わらない。
その無念が400年の時を経て、子孫の中で”安堵”にかわった時、やっとノーランドも心から笑えたのかもしれない。


鐘は何度も何度もその音を響き渡らせながら、海雲の中へ沈んでいった。
動力を失った方舟マキシムと、失神した神・エネルもまたまっさかさまに雲の下へと落ちていった。

去る都市の栄華を誇る"シャンドラの灯"
戦いの終焉を告ぐ"島の歌声"
400年の時を経て鳴る"約束の鐘"

浮寝の島の旅路は長くも、遠い記憶は忘れ難し
かつて人はその鐘の音に言葉を託した。
遠い海まで届ける歌に、誇り高い言葉を託した。
「おれ達はここにいる」と。



















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