癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

家庭内本屋生活

2016-12-05 10:44:51 | 社会・生活
11月は無事にSIONさんのライブにも行けて
「もうこれで思い残すことはない」モードでしたが
実は延び延びになっていた、伊藤計劃さんの「虐殺器官」のアニメ映画の公開が
2月に決まり、そこまではがんばらねばと決意を新たにしています(おおげさな)

Kindleが来てひと月半
寒くなってきたこともあって、引きこもりの度合いが加速していますが
先日ダンナが「Kindle何冊になった?」と聞くので数えてみました。
今野敏さんの警察小説「宰領 隠蔽捜査5」「転迷 隠蔽捜査4」そして「触発」
ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」(上・中・下)の三巻
相場英雄さんの、原発事故に絡む補償金詐欺を描いた社会派小説「共震」と
榎本憲男さんの「エアー2.0」
そして貫井徳郎さんの「愚行録」と柴田よしきさんの「激流」(上・下)

あとは、久しぶりに円城塔さんの短編「世界でもっとも深い迷宮」と
伊藤計劃さんの「ハーモニー」とのつながりで
神林長平さんの「今集合的無意識を」
それとサンプル版でダウンロードされた「教団X」とか
吉田修一さんの新作「犯罪小説集」のお試し版とか。
ダンナには「数えてみたら買ったのは13冊やったよ。全然たいしたことないよね。
Kindleは1000冊くらいダウンロードできるみたいやし」と返事しましたけど
事実をなるべく少なく見たい、見せたいというのは、ばっちり依存症者の発想です(笑)
(100万円借金があるのに「50万くらい」なんていうアレ。
もしくは300万借金ある人に会って「俺は100万だから少ない」と思うアレ)

この一見バラバラな、自分の読書傾向を自己分析してみました。
まず「自分が生きている、半径1キロとか3キロの範囲の出来事が中心の物語」です。
自分自身とか家族(親子とか夫婦、兄弟姉妹など)職場の上司とか同僚、部下
学校の先生とか友人、隣人知人といった、限られた関係性の中だけで話が進むもので
「愚行録」とか「激流」、先日紙の本で読んだ「コンビニ人間」とか「クリーピー」がこれです。

もう一つは「自分の周辺だけではなく、日本とか世界の政治とか経済とか社会の現実を
視野に入れて、それらとの関係性の中で、人間を描いていく物語」で
今野敏さんや相場英雄さんの社会派ミステリーがそれで
松本清張さんや宮部みゆきさん、東野啓吾さん
そして吉田修一さんなんかの一部の作品ともリンクしていて、私はこのあたりが一番好きです。

過去にも書きましたが、例えば長年苦しめられた依存症の問題ひとつにしても
その原因や対応の方法を、半径1キロ(本人、家族、友人知人といった)の範囲だけで考えると
私のような凡人は、間違いなく行き詰まります。
本人が悪いのか、いや自分が悪いのかもしれない
生育歴に問題があった(親のせい)のか 仕事のストレスか などなど
どれだけ考えても堂々めぐりで、突破口が見えません。

そこで、個人を取り巻く社会のありようを知る努力をすると
これだけたくさんの、様々な依存症者を生み出している直接の原因が何で
その背景には、どういう政治や企業の考え方や姿勢があり
そのことが、さらに依存症を予防したり治療に取り組むために必要な
規制や対策をも阻害しているかを、おおざっぱにではありますが、理解することができます。

知ることで、即そうした現実を変えることができるわけではありませんが
少なくとも個人にすべての責任があるという、閉塞的な考え方からは抜け出すことができます。
そして更にその先に何があるのかを私に見せてくれたのが、伊藤計劃さんであり
伊藤さんを通して出会ったSF作家さんたち。
今月読んだ本であれば
「エアー2.0」とか「今集合的無意識を」などが描いている、第三の世界観でした。
まあそこは、人類が絶滅したり、人間の意識が消滅したりする
なかなか剣呑な世界ではあるのですが。

「圧倒的なリアルの力に対抗するには優れたフィクションしかない」
これは「今集合的な無意識を」の中のことばですが
このフレーズは、私の胸にすっと落ちました。「ああ、そういうことなのだな」と。

「何を言ってるのかサッパリ分からん!」と怒られそうなオチしか書けませんが
老化と劣化でヨレヨレの前頭葉を何とか活性化させながら
こうして折々に頭に浮かんだことを書いているこのブログ
読んでいただいている方には本当に感謝しています。


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