上毛野(かみつけの) 可保夜(かほや)が沼の 伊波為蔓(いわいつら)
引かばぬれつつ 吾(あ)をな絶えそね
=巻14-3416 作者未詳=
(上野の可保夜が沼のいはゐ蔓(つら)のように引けば抜けて)私と切れることはあってくれるな。という意味。
「上野(かみつけの)」は群馬県。
「可保夜(かほや)が沼(ぬま)」は所在未詳。
「いはゐ蔓(つら)」はスベリヒユスベリヒユ科)、しかし歌の様子から沼に生える「ジュンサイ」がふさわしいようだ。
夏の風物詩と言われる「じゅんさい」は、淡白な味とツルンとした舌触りが珍重されている。昔から沼に自生していたが、今では転作水田を利用した沼で収穫されることが多くなった。
この万葉歌碑は群馬県高崎市の高崎自然歩道、マップ24地点に建っている。