日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 21:16:43 | 甲信越
新潟市内に投宿して一息つきました。長岡と違って市街の雪はごく少ないものの、時折小雪がちらついています。そして何より驚くのが寒さです。三月も近くになれば、耐寒装備はもう不要だろうとたかをくくり、少し薄めの上着を羽織ってきたところが、とんだ見当違いでした。これなら最上級の耐寒装備でももてあますことはなかったでしょう。今や早春といった感のある関東と違って、雪国はまだ冬なのだというのが、新潟県内に入ってからの一貫した印象です。
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 19:34:02 | 甲信越
今回も「魚仙」の秀逸さに丸々二時間滞在してしまいました。あとは新潟まで移動して投宿し、余力があれば軽く一杯引っかけて終了といった流れになりそうです。外には再び湿った雪が降っています。

★長岡1923/455M/2044新潟
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 17:12:45 | 居酒屋
五時の開店とともに「魚仙」の染め抜き暖簾をくぐりました。昨年末に訪ねて以来、二ヶ月という短い間隔での再訪に至ったのは、いうまでもなくこの店が新潟の呑み屋の中でもとりわけ秀逸だったからです。それでは何がよいのかと考えるに、それは肩肘張らずにくつろげる店構えと、過不足なく一通りのものが揃い、なおかつ良心価格の品書きにあるのではないかと思います。
駅近くの踏切のそばにある雑居ビル1階の店構えは、「割烹」という割に敷居の高さを感じさせず、その上に「大衆」とつければちょうどよさそうです。店内もしかりで、L字の角を切り取った、十五人は掛けられるニス塗りの長いカウンター席を中心にして、小上がりと別室の座敷を置いた造りには、割烹の看板から連想されるほどの高級感はありません。だからといって安っぽいわけでもなく、簡素にして清潔にして質実剛健と表現するのがちょうどよいのでしょう。
相撲の番付を模して横綱から幕内までに格付けされた新潟の地酒は、ざっと数えて四、五十種といったところでしょうか。質より量の新潟清酒だけに、飛び抜けた名品はありません。しかし、天文館の呑み屋で焼酎を選ぶがごとく、錚々たる有名どころを外し、都会では聞き慣れない地酒をあえて選ぶという向きには、この品書きがおあつらえ向きといえるでしょう。どれをとっても淡麗辛口の味わいが新潟ならではです。
そして何より秀逸なのが肴の品書きです。A4を一枚使った日替わりの品書きは、お造り、煮魚、一品、珍味、焼き物、揚げ物、旬の物、ご飯物に分けられて偏りがありません。しかもそれぞれの品数は少なからず多からず。これが少なすぎると選択肢に困り、多すぎてもどれを選ぶか悩むところ、ざっと眺めて組み立てを考えるには、この店の過不足ない品書きが理想的です。鰤に白子にあん肝など冬の味覚が並ぶ中、ふきのとうの天ぷらだけが異彩を放っており、春まだ遠い越後平野の季節感が表れています。
こうして一通りの品書きを眺めて思案の末、まず注文したお造りの盛り合わせは、舟形の器に九点盛られるという豪勢なもので、これが1500円ならお値打ち品といえるでしょう。これに定番の油揚げ、本日おすすめのおこぜ唐揚げ、そして油揚げと並ぶ当店名物でもある鰤のなめろうをいただきます。
全国屈指の酒どころとして知られる新潟ですが、秋田の例があるように、そんな土地に限って気のきいた呑み屋は意外にも少ないものです。新潟市街を過去に何度か訪ねても、ここと同格あるいはそれ以上の呑み屋にはいまだ遭遇していないのが現実です。新潟清酒と地の肴を存分に味わい尽くすなら、この店の暖簾をくぐるのが一番ではないかと思います。わずか二ヶ月という短い間隔での再訪ながら、やはりいい店は何度訪ねてもいい店なのだと実感させられました。

魚仙
長岡市殿町1-3-4
0258-34-6126
1700PM-2300PM(日曜定休)

鮎正宗・白雪・清泉
お通し(蓮炒め)
お造り九点
特選油揚げ
真おこぜ唐揚
なめろう
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 16:11:27 | 甲信越
長岡に着きました。上越地方で降りしきっていた雪は止んだものの、積雪に関しては長岡市街もいい勝負で、昨年末に訪ねたときの比ではありません。東北ほどではないにせよ寒さもかなりのものです。雪国はまだまだ冬だと改めて実感させられます。
この後はマンネリズムを踏襲し、「魚仙」で一献傾けてから新潟へ向かいます。今日は出がけのカップ麺と昼の駅そばだけで通したため腹具合は万全です。新潟まで足を延ばしたのは、余命幾ばくもない国鉄型電車で旅をするという目的もさることながら、少なからずこの店を再訪するためでもあっただけに楽しみです。
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 14:30:43 | 甲信越
鉄道唱歌のオルゴールが再び流れたところで直江津に到着。列車を乗り継ぎ長岡へ向かいます。味気ない橋上駅舎に成り下がっても、乗り換え客が行き交う跨線橋の賑わいだけは昔も今も変わりません。しかし、新幹線が直江津を素通りして北陸方面へ延びたとき、この賑わいがどう変わるのかが気になります。気付けば開通まであと二年、残された時間は決して長くないのですね…

★直江津1429/1339M/1557長岡
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 14:07:47 | 甲信越
北新井で一旦降りるつもりが予想以上に雪が強く、大荷物を担いで駅から歩く気力が起きずに断念。そのまま終点まで乗り通すことにしました。吹雪いたり青空が広がったりと変幻自在な津軽に対し、止み間なくしんしんと降るぼたん雪がこの土地ならではです。寒さ以外は何もかも春といった感のある太平洋側とは対照的に、越後はまだ深い雪に埋もれています。

★長野1245/妙高3(3323M)/1417直江津
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 13:08:39 | 甲信越
列車を乗り継ぎ移動を再開します。乗車するのは189系で、発車と同時に流れる「鉄道唱歌」のオルゴールが旅情を誘います。市街を離れるにつれ、鉛色の空から小雪が舞う雪国らしい天候になってきました。

★長野1245/妙高3(3323M)/1358北新井
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 12:35:07 | B級グルメ
乗り継ぎの合間にお昼をとります。持ち時間が23分ということで、選択肢は必然的に駅そばとなります。前回訪ねた黒姫の駅そばと違い、いかんせん利用客が多すぎて落ち着かないのが少々残念です。しかし、先月訪ねた秋田など、そば屋すらない駅もあることを思えば、待合室のベンチで信州そばがすすれるだけましなのかもしれません。

小菅亭
長野駅待合室内
葉わさびそば410円
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 12:28:45 | 甲信越
長野に着きました。日本三大車窓の一つ、姨捨から眺めた善光寺平の雪景色が印象的でした。眩しいばかりの雪晴れと、少し霞んだ遠景はこれまでと同じでも、春霞ではなく雪雲で霞んでいるところが全く違います。太平洋側から日本海側へ出たことを実感する光景です。
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 10:57:19 | 甲信越
去年の今頃松本を訪ねたときには、軽く散策するつもりで列車を降りたところが、いつの間にか終日滞在してそのまま宿泊という展開になりました。今年も同じ行動をとるにやぶさかではないものの、松本には近々マイカーで再訪する構想もあるため、後ろ髪を引かれつつも長野方面へ粛々と移動します。

★松本1054/1227M/1220長野
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 10:54:51 | 甲信越
松本に着きました。名車窓が切れ目なく現れ、一瞬たりとも退屈する間のない二時間半の旅でした。かくも見事な車窓がこれで見納めとはあまりに惜しいものがあります。実際のところ、松本まで行って戻るだけでも、この列車に乗る価値は十分あるような気がしてきました。これが最後と思って乗り込んだはずが、なんとなれば来年の再訪も辞さないという方向へ傾きつつあります。願わくはもう一度お目にかかりましょう…
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 10:12:32 | 甲信越
八ヶ岳と甲斐駒ヶ岳が車窓の後方に去り、列車は信濃路に入りました。甲府盆地を過ぎてからというもの、沿線には一貫して雪が積もっています。もちろん雪国に比べれば取るに足らないものとはいえ、たとえていうなら釧路や根室を彷彿とさせるようなな積雪です。南信でこれなのですから、これから向かう北信と新潟の積雪はかなりのものでしょう。過ぎゆく冬の名残を追うには、まことにもって好適な汽車旅になりそうです。
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 09:47:42 | 甲信越
韮崎を過ぎたところで、車窓の右手に八ヶ岳が、左手に甲斐駒ヶ岳が見えてきました。中央東線の旅路を飾る名車窓の中でも、白眉といえるのがこの両横綱の揃い踏みです。それぞれを眺めるだけなら、車で訪ねて心ゆくまで眺めれば済む話ではあります。しかし、流れる車窓に二つの秀峰を望むのは、その場に立ち止まって眺めるのとは全く違うよさがあるものです。磐梯山に飯豊山、鳥海山に月山など、秀峰の揃い踏みが全国にいくつかある中でも、車窓からの展望として考えた場合、絵になるのはなんといっても八ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の組み合わせではないでしょうか。そんな車窓もこれで見納めとはねorz
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 09:16:16 | 甲信越
列車は笹子トンネルを抜けて甲州に入りました。山の中腹から甲府盆地と南アルプスをを望みつつ、反時計回りに坂を下るという勝沼から塩山にかけての車窓が見事です。坂を下りて塩山を過ぎれば、今度は山並みの向こうに富士山頂が顔を出します。ともすれば中途半端に思えるこの見え方が、むしろ甲府盆地らしくてよいのです。さらに走れば、今度は八ヶ岳が車窓の右手に現れるでしょう。ただ眺めがよいだけでなく変化にも富んでいるという点で、中央東線の車窓は全国屈指ではないでしょうか。
外は引き続き雲一つない快晴で、機材さえ万端整えば絶好の撮影日和だったろうと惜しまれます。しかし、これで最後になりかねない中央東線の旅を、見事な日本晴れで飾ることができたのですから、それだけで十分なのかもしれません。もちろん、真っ当な車両が走り続けてくれればそれが一番だったのですがね…
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春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 08:36:54 | 甲信越
列車は八王子を出て、間もなく峠道に分け入ります。空は雲一つない快晴で、車窓の彼方には雪化粧をした奥多摩の山並みと富士山が。しかし、稜線と山肌が霞んでおり、先月の今頃とは大分眺めが違います。春は日毎に近づいているようです。
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