星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

神戸チキンジョージのアンダーグラウンドな夜

2005-11-18 | 演劇・ダンス・映画・音楽・古典・TV

グループ魂の二人のメンバーが生出演したラジオ番組(11/19の記事へ)で
たまたま、神戸チキンジョージが一時閉鎖になるという話を聞きました。かな
り長期の立て替え工事に入るとか・・・。

神戸チキンジョージ。神戸のライブハウス。
今の建物と違って以前の店舗はこじんまりとして、出演アーチストと客席全体
の距離も近かったため、迫力と一体感、親近感という点ではかなりのレベルで
浸れる場所だったと思います。
最近、再び演劇でアングラという言葉をよく耳にするようになったものの、私
自身はテント公演も、寺山修司さんの舞台も観たことはなく、あとから映像や
資料でちょっと知ったぐらい。
そんな中、いまはもう解散してしまった舞踏集団「白虎社」のパフォーマンス
を1980年代に神戸チキンジョージで観たのが唯一、私にとってのアングラ
体験と呼べるものだったのかなあ、と。
この系統ではお決まりの白塗りメイク。大駱駝艦の設立メンバーの一人だった
大須賀勇さんが作ったグループだから当然なのですが。
山海塾と違って、白虎社には女の人もいて、肉体の露出はあるし、顔をあえて
不細工に見せるとか、たしか生きている魚だったかドジョウだったかの生き物
を使ったパフォーマンスとかもあり、とにかく美しさ、心地よさとはまるで正
反対の方向をめざしているような表現に見えました。グロテスクっていうか。
見ているうちに最初はいたたまれないような違和感だったのが、そのうち許容
範囲に変わり、やがて身も心もユルシテシマウような・・・怪しい感覚。
いま思い返すと妙にナマナマしさと暑苦しさが蘇る神戸の夜でありました。

のちに白虎社の大須賀さんが語った記事を某サイトで発見。
それによると<見てはいけないモノを見せたかった>とのお言葉。

演じる側の、見てはいけないモノを見せる自由、見せない自由。
見る側の、見てはいけないモノを見る自由、見ない自由。
あの夜に感じたものは、お互いの顔が見える小さな空間だからこそ生まれる
双方の自由のせめぎ合いだったのかも。
ビッグネームのアーチストたちに紛れて、神戸チキンジョージにもそんなア
ンダーグラウンドな一夜があったことをささやかながら記しておこうっと。
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