星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

御霊神社で「太棹の響」。

2013-03-21 | 観劇メモ(伝統芸能系)

3月20日。午後からはパーフェクトな雨だった。
淀屋橋にある御霊神社の赤鳥居もすっかり雨に濡れていた。
御堂筋から1本西に入った筋にこのような神社があるとは全
く知らなかった~。
昔はたいそう賑わいのあった界隈だそうで、神社の境内に
は明治17年から大正15年まで文楽座(人形浄瑠璃御霊文楽
座)があったとのこと。
ここで午後3時から鶴澤藤蔵さんの三味線の会があるとい
うので出かけた。まずは本殿に参拝してから、会場になっ
ている儀式殿へ。





最初に藤蔵さんご本人からの挨拶&演目の説明があった。
「山響(せんきょう)」は藤蔵さんが作曲したもの。
演奏で訪れたことのある奈良県の大塔村が、2011年の台風
12号による大雨で土砂崩れに遭い、被害甚大だったことから、
その鎮魂と村の復興への祈りをこめて三味線曲にしたとの
お話だった。
最初は山の風景、それから本調子で大雨の様子、次は二上
りで本来とは逆に悲しみを表現し、最後は鎮魂と復興のイ
メージで構成した、というような曲の説明だったと思う。

※大塔村について
プログラムといっしょに大塔村の「星のくに」のパンフレットが
入っていた。村の一部の施設は休館・休園中のようだけれど、
星空がきれいでプラネタリウムのある宿泊施設「星のくに」は
現在は利用できるようです。
>> 詳細はコチラ 


●山響
出演:鶴澤藤蔵 

私にとっては文楽の三業の中で最もわからない分野。それ
が三味線。なんとなくイイなあとか、この弾き方が好き、
ぐらいしか語彙が出てこない。
そんな私の感想・・・。
太棹は義太夫でしか聞いたことなくて、感情表現向きだと
思っていた。文楽の公演でも効果音的な弾き方はあるけれ
ど、どうしても登場人物と結びつけて感じとってしまう。
なので今回、山間の鳥や川、嵐の様子などの情景描写を聴
きながら、太棹三味線の音色の豊かさ、楽器そのものの表
現の幅広さを少しでも知ることができてよかったと思う。

●座談会 御霊神社と文楽と堀江相撲
司会 高木浩志
   園 順次(御霊神社)
   源大夫
   鶴澤藤蔵

源大夫さんの飛び入り参加があり、藤蔵さんを気遣う様子
がとても素敵だった。大夫さんだけについマイクを使わず
に話してしまい、マイクを持った手に藤蔵さんが自分の手
を添えて促したりするのも微笑ましい光景だった。

文楽座とそれに対抗する彦六座の芸風の話になって、そこ
から先がついていけなかった。やはり私は文楽のことを知
らなさすぎ。帰ってネットで調べてようやくわかったよう
な次第。
彦六座の二代団平の三味線の弾き方はとにかく手が多かっ
た。その流れをたどっていくと藤蔵さんも彦六系というこ
とになる・・・というような内容だった(?)と思う。
藤蔵さんが「摂州合邦辻」の手が多い部分を口三味線で披
露してくださり拍手~♪

昔は神仏習合だったので、御霊神社の境内にはお寺があり
観音様も祀られていた。野崎参りの観音霊場にもなってい
た・・・みたいな話もあったが、このあたりも正確に把握
できなかったので、調べる手だてがあれば調べてみたい。


●関取千両幟 猪名川内より相撲場の段
出演:豊竹英大夫、竹本津駒大夫、竹本津国大夫
   鶴澤藤蔵(三味線)、鶴澤清旭(胡弓)
   
猪名川と鉄が嶽、二人の関取の勝負に身請け金調達が絡み、
さらに猪名川女房が夫を助けるために自ら身売りするとい
う・・・ウッソ~な結末に切なくも割りきれないお話。
昨年末に南座の顔見世で初めて観た演目だ。
その素浄瑠璃版。
大夫さんは一人で語り分けるのではなく、3人がそれぞれの
役を演じるので状況はわかりやすかった。
素浄瑠璃といえば、私の場合、ストーリーを追うために語
りをメインで聴いてしまうのだけれど、今回は山響からの
流れで藤蔵さんを中心に見て、聴いていた。
文楽の三味線ってこんなにすることがいっぱいあるんだ~
というのが新鮮なオドロキ。藤蔵さんらしいというのか、
かけ声以外の細かな声も混じって聴こえてくる。
こじんまりとした会場にとにかく音がよく響き渡っていた。
語り終えた英大夫さんによる口上で、三味線の曲弾きが今
からあることを告げられる。

<曲弾き>
藤蔵さん、清旭さんによる二人の曲弾き。
東京で評判をとっていたアクロバティックな弾き方がこれ。
そもそもこんな演目が、こんな弾き方が文楽にあったのか
と思った。誰が考えたのだろう?
三味線を弾きながら、とにかくいろんなことをする。その
間、曲が途切れないのもすごい。
藤蔵さんが指の背で弾いたり、目の高さに持ち上げて弾い
たりいるのは序の口だった。
三味線の胴に乗せた撥を落として拾った後、さらに胴に撥
を立てて再び落として拾い上げたりもする。
清旭さんは弦に何度も撥をくぐらせたりしながら弾いている。
藤蔵さんは撥を左でもって弦にはさみ、右手指で弾いたりも
していたと思う。
清旭さんが投げた撥を藤蔵さんがキャッチ。そこは特に拍手
拍手~! これも文楽なんや♪

アンコールにこたえて披露してもらったのは、野崎詣りの
段切。4月の文楽公演ももうすぐ!
いやー、楽しい時間でございました。

プロブラムに大阪相撲の資料がついていた。それによれば、
「関取千両幟」の猪名川は実在する猪名川次郎吉がモデルだ
そう。「双蝶々曲輪日記」も「幸助餅」も実在の大阪相撲の
力士をモデルにしたもので、市場と興行が一体になっていた
とのことだ。





終演後はハヌルさんと近くの「Butter」でフレンチパンケー
キを食べながら、楽しいおしゃべりタイム。
こちらも久々に楽しかったよ~!


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2 コメント

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週末 (ヒロユキ)
2013-03-25 23:17:04
ムンパリ様

お久しぶりです

関係ないコメですいません

ご存知だといいんですが、たまたまラブリンのTVのONAIRが週末にあると聞きましたので、念のためにご報告

土曜は関西テレビ
雨上がり食楽部

日曜も関西テレビ
アカン警察SP

にゲスト出演してるらしいです

よかったらチェックしてあげてください
返信する
ヒロユキさま♪ (ムンパリ)
2013-03-26 22:16:03
ありがとうございます。
油断してました(笑)。
さっそくツイートしました。こちらにものちほどあらためて♪
返信する

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