菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

一生で一度を幾度も考えてきた。 『ハドソン川の奇跡』

2016年09月30日 00時00分17秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第971回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『ハドソン川の奇跡』

 

 

 

 

 

2009年にニューヨークで旅客機がハドソン川に不時着し、世界中で大きなニュースとなった奇跡の生還劇に秘められた知られざる実話を、巨匠クリント・イーストウッド監督がトム・ハンクスを主演に迎えて映画化した感動ドラマ。

 

離陸直後に両翼のエンジンが止まってしまう非常事態の中、サリー機長が瞬時の冷静な判断と卓越した操縦テクニックで、乗客乗員155人全員の命を救うまでの緊迫の一部始終と、その後の“英雄”サリーを待ち受けた過酷な試練の行方を描く。

 

 

物語。
2009年1月15日。

乗員乗客155人を乗せた旅客機が、ニューヨークのラガーディア空港を離陸した直後に鳥が原因のエンジン故障に見舞われ、左右のエンジンの機能を失ってしまう。機体が急速に高度を下げる中、管制塔からは近くの空港に着陸するよう指示を受ける。

だが、空港までもたないと読んだチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー機長は、ハドソン川への不時着を即断する。機体は極寒の川に着水する。そして、155人全員が生還した。この偉業は“ハドソン川の奇跡”と讃えられ、サリーは英雄として人々に迎えられた。

ところが、その後、サリーの決断は本当に正しかったのか、その判断に疑義が生じ、サリーは英雄から一転、事故調査委員会の厳しい追及に晒される。

 

 

原作は、チェズレイ・“サリー”・サレンバーガー、ジェフリー・ザスロウの『機長、究極の決断』

ご本人の手による自伝です。

 

脚本は、トッド・コマーニキ。

 

 

 

 

出演。

トム・ハンクスが、チェズレイ・“サリー”・サレンバーガー機長。
アーロン・エッカートが、ジェフ・スカイルズ副操縦士。

ローラ・リニーが、妻のローリー・サレンバーガー。

 

アンナ・ガンが、NTSBの審査官。

『ブレイキング・バッド』 の妻のスカイラーですね。

 

 


ほかに、オータム・リーサー、ホルト・マッキャラニー、マイク・オマリー、ジェイミー・シェリダン、ジェリー・フェレーラ、モリー・ヘイガン、ヴァレリー・マハフェイ、など。

 

 

 

 

 

 

スタッフ。

製作は、フランク・マーシャル、アリン・スチュワート、ティム・ムーア、クリント・イーストウッド。
製作総指揮は、キップ・ネルソン、ブルース・バーマン

撮影は、トム・スターン。

カメラは、最新のArri Alexa 65というIMAX用65mmフォーマットが撮影できるデジタルカメラです。

 


プロダクションデザインは、ジェームズ・J・ムラカミ。
衣装デザインは、デボラ・ホッパー。

 

編集は、ブル・マーリー。

音楽は、クリスチャン・ジェイコブ、ザ・ティアニー・サットン・バンド。

テーマ曲は、クリント・イーストウッド。

 

 

 


NYのハドソン川へのエアバス不時着水を成功させたサリー機長を中心に描くクリント・イーストウッドによる実録ドラマ。
3つの視点を見せる現代的『羅生門』になっていて、驚かされるが、語りはストレートかつ淡々としていて、最上級の再現映像なのに、その場に居合わせたかのような臨場感で息を飲み、戻すように感情が反芻される。
トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー、アンナ・ガンなど腕の立つ役者たちの技に唸る。
映画館の椅子が着水し、感情が衝撃に備えきれず、頭が下がってしまう上作。

 

 

 

 

 

おまけ。

原題は、『SULLY』。

サレンバーガーさんのニックネームで、奥さんもそう呼んでいたようです。

邦題は題材はわかるけど、映画の内容からはズレてもいる。

まぁ、原題だとわかりにくいとは思うけど。

 

 

 

 

上映時間は、96分。

製作国は、アメリカ。
映倫は、G。

 

 

 

キャッチコピーは、「155人の命を救い、容疑者になった男。」

 

 

 

 

 

サリーがタイムズスクエアをランニングしている後ろに『グラン・トリノ』の看板が見えますね。

 

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

クリント・イーストウッドといえば、現場でほとんどリハーサルもせず、どんど撮影していくことでも有名だが、なんと撮影前の自主的なリハーサルもさせないらしい。

トム・ハンクスによると隠れてやっていたらしいけど、スタッフに「ボスからリハなどやらないで帰るように」と注意されたそうだ。

 

 

 

 

ネタバレ。

三つの視点とは。

一つ、サリーの見た予測される失敗の情景。(サリーの恐怖として、幻視として描かれる)

二つ、サリーが見た実際の情景。(数度に分けて、回想として描かれる)

三つ、専門家やシミュレーターの見る別の方法による成功の視点。(最初は言葉として、次に書類として、最後にシミュレータの映像として描かれる)

同じ飛行機の事故に対応してさえ、三つの見え方がある。

特にシミュレーターの部分は80年代敵ではあるが、よりそれが重要視されるという点で、現代ならではの視点といえる。

機械トコンピューターが発達すると、人もそれに慣れると思い込む。

『ロッキーⅣ』のドラゴがまさにそれで以前はそれをソ連という人間とは思えない奴らの象徴として描かれたが、今やほとんどの人が持ち得ている部分でもある。

そして、一つ目の視点は、911の恐怖によるリアルな幻視になっているところが重要。

 

 

 

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