【俺は好きなんだよ】第1672回
『バーバリアン』(2022)
原題は、『BARBARIAN』。
『野蛮人』。
製作国:アメリカ
上映時間:103分
スタッフ。
監督:ザック・クレッガー
製作:アーノン・ミルチャン、ロイ・リー、ラファエル・マーグレス、J・D・リフシッツ
製作総指揮:ヤリフ・ミルチャン、マイケル・シェイファー、ナタリー・レーマン、ダニー・チャン、アレックス・ルボビッチ、ビル・スカルスガルド
脚本:ザック・クレッガー
撮影:ザック・クーパースタイン
編集:ジョー・マーフィ
音楽:アナ・ドラビッチ
出演。
ジョージナ・キャンベル (テス)
ビル・スカルスガルド (キース)
ジャスティン・ロング (AJ)
マシュー・デイビス (女)
リチャード・ブレイク (フランク)
ジェームズ・バトラー (アンドレ)
カート・ブローノーラー (ダグ)
ソフィー・ソレンソン (ボニー)
ケイト・ボスワース (メリッサ・声)
マシュー・パトリック・デイヴィス
JR・エスポジート (ジェフ)
ケイト・ニコルズ (キャサリン)
ブルック・ディルマン (AJの母)
サラ・パクストン (看護ビデオのナレ / アシスタント / ミーガン ・声)
物語。
就職の面接のために町にやって来たテス・マーシャルは、デトロイトの荒れ果てたブライトムーア地区にある人里離れた民泊へやってきた。
民泊に着くと、すでにキース・トシュコという若い男が泊まっていた。
雨と寒さはあれど、この土地で、知らぬ男と同じ家に泊まったら、何をされるか分からない。
だが、テスは、彼のある言葉を信用し、しかも、このままでは体調を壊しそうな状況で、しかたなく家に入る。
治安の悪い地域の民泊を予約したら怪しげな男が先にいるホラー。
アメリカで2022年に劇場公開され、脚本と監督、キャストのパフォーマンスが称賛され、大ヒットを果たした。
静かなるどんでん返しが早々に来る、脚本の妙を味わえる。
構造とある二つの題材がホラー要素を高めている。
分かりやすく言うと、女性が男性に感じる恐怖を巧くひねって利用している。ここが巧い。
古典のある有名映画の系譜も継いでいる。これ、何かは見たらすぐわかります。
で、そこがまたいい。
男性ホラーというべきジャンルがもうはや確立された。女性が男性に感じる恐怖を描いたホラーね。
女性ホラーもいままでよくつくられてきた。『危険な関係』とか『ディズクロジャー』とかね。妊娠ホラー(『ローズマリーの赤ちゃん』とか)もその一つかも。『イット・フォローズ』とかの性的ホラーも含めると、もはや男女で分けずに性ホラーというサブジャンルと名づけたい。
そして、そこに収まらないのが、今作の強み。
映像的には、似たようなものがいくつかあるが、脚本と演出でそれを一つクラスを上げることに成功している。
公開情報:ディズニープラスで配信。
ややネタバレ。
ザック・クレガーは、ノンフィクションの本『The Gift of Fear』に触発され、その中の、女性が自分の直感を信頼し、男性との日々のやり取りで生じる無意識の危険信号を無視しないように奨励するセクションに引かれ、物語に引用したという。
まず、これらの危険信号をできるだけ多く組み込む 1 つの 30 ページのシーンを書き、そこを膨らましていったという。
二つの題材の一つが、それなら、もう一つは経済により町が死んでしまったというところ。実際、アメリカにはそういう町がそこそこあり、舞台になった町もその一つだそう。
家ホラーであり、町ホラーでもある。そして、男ホラーでもある。
『テリファイド』や『ディスコード -DISCORD-』にも少しネタが似ている。
『レフト ー恐怖物件ー』にも映像的には似ているところがある。、
で、記事のタイトルにも入れたけど、今作は『サイコ』の構成を引き継いでいる。