菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

金に情熱を通わせる方法。 『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』

2016年07月29日 00時00分46秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第942回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、白かったのは・・・」

 

 

 

『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』


 

 

1970年代半ば以降、アメリカ映画界では『ターミネーター』や『プラトーン』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』はじめ新興映画会社が手がけた名作、ヒット作が数多く誕生していった。

しかし、その成功の裏側には“プリセールス”という新たな資金調達システムを編み出して新興映画会社への融資を積極的に行った一人のオランダ人銀行マン、フランズ・アフマンの存在があった。

本作は、そんなアフマンの知られざる偉大な功績を、愛娘のローゼマインが自らカメラを手に辿っていく人物ドキュメンタリー。

 

監督は、ローゼマイン・アフマン。

 

 

 

 

 

 

 

 

出演。

フランズ・アフマン 

ケヴィン・コスナー
ガイ・イースト
デレク・ギブソン
ヨーラン・グローバス
メナヘム・ゴーラン
ピーター・ホフマン
アーノルド・コペルソン
マーサ・デ・ラウレンティス
バックリー・ノリス
スティーヴン・ポール
ミッキー・ローク
ピエール・スペングラー
オリヴァー・ストーン
アンドリュー・ヴァイナ
ポール・ヴァーホーヴェン

 

 

 


製作は、ローザン・ボアスマ、サンデル・フェルドンク、デニス・ウィグマン、ローゼマイン・アフマン。
製作総指揮は、トーマス・デン・ドライヴァー。

撮影は、イェロン・シモンス。

 

 

 

 

『ターミネーター』の1と2、『ダンス・ウィズ・ウルブス』、『プラトーン』など900本超のインディ映画に融資し、プリセールを生み出し、オスカーでの謝辞を受けた初の銀行マン フランズ・アフマンの功績を、自伝を残そうとした本人からの依頼で娘が追ったドキュメンタリー。
本人と母を含むケヴィン・コスナー、オリバー・ストーン、ポール・ヴァーホーヴェンら映画人への大量インタビューで感情的にならず事実を積み重ね、父をあぶりだしていく。
裏に流れていたテーマがラストで爆発し、冒頭の質問「あなたがあなたについて一番知りたいことは?」が裏返って届く。
知られざる映画人の人生最後の仕事として、一本の映画が残った。
金に血を、芸術の情熱を通わせた男の一代記に人生の妙味を味わえる優作。
  
 









おまけ。

原題は、『HOLLYWOOD BANKER』。

『ハリウッド銀行員』ですね。

 



上映時間は、82分。
製作国は、オランダ。










フランズ・アフマンの人生を基にしたドラマ版を見てみたいなぁ。
ウディ・ハレルソン主演とかでどうかな。
 
 
 
『ランバート&スタンプ』に続く、最後に一本の映画が残ったシリーズともいえる。

 

 

 

 

ややネタバレ。

フランズ・アフマンだけでなく、以前のように、人物や組織、事業の計画、その目的を見て、融資をしていた銀行はほぼない。

投資は事業というよりはギャンブルなのだ。

未来を買う、文化を作ることに融資していた世界はクラウドファンディングや会社が会社にという世界になった。

そして、映画界は、チャレンジを避け、安易な原作ものやヒット作の続編やリメイク、リブートで溢れかえってしまった。

その中では、人生は冒険だと描くばかりなのに。

とはいえ、当時だって、メジャーにし金を出さなかったわけで、それをある男がインディ映画に出すぜと挑んだから、この映画が作られたのである。

当時はよかったではなく、当時も今もまた仕組みは邪魔をしていたが、より狡猾になった仕組みとやらと戦うしかないのである。

世界は、そこら辺の映画の続編に設定される安易な敵役ではなく、よりずる賢く厳しくなった、つまり、よくできた続編となっているのだから。

 

 

 

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