菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

負ぶわれて、オブラート。

2010年06月14日 00時00分50秒 | 言葉の根
 
なにかきついことを言った時とか、「もっとオブラートに包んで言えよ」とか言われる。


辞書を引くと、“オブラートに包む”で、強い刺激を与えないように、どぎつい言葉ではなく遠まわしな言い方をすること、とある。



でも、オブラートって、あの破れやすいゼラチンの膜というかシートだよね。
しかも、透明だ。


ちなみに、オブラートはデンプン、ゼラチンなどで作られた薄いシート状の膜、または紙片のこと。
煎餅紙とも言う。ドイツ語。本来はウエハースのことを指す。



コレで包んだくらいで、平気なものなのか?
というか、コレで包めるくらいの物だと言うことか?


待てよ。

実際、オブラートで包むのは粉薬てことになる。
もしかして、“良薬、口に苦し”との連想なのか?

“良薬、口に苦し”には、相手のために言うこと、助言や説教などは言いづらいものだ、という意味がある。


この苦い良薬を、相手に飲ますために、“オブラートで包む”ということなのかもしれない。
そう、説教なんかを相手が理解しやすいようにするってことなんじゃないのか。

多分、薬を飲み間違えたりしないように、オブラートは透明なのだと思う。
薬を飲むってことは弱っているわけだし、薬がすぐ効くように膜は溶けやすい方がいい。
そうか、オブラートに包むとは、そこまでやって、はじめて相手に薬は飲み込んでもらえないぞ、ということだったのか。

まぁ、最近じゃ、オブラートだけじゃなく、飲むためのジュースやら、ヨダレふきまで用意するよう考えなければならないのかもしれないが。


え、最近は、薬は、カプセルやソフトシェルや糖衣錠にして、とにかく苦もなく飲めるようにしなきゃダメだって?


人生、薬あれど、苦はいらんか・・・。


ま、オブラートは薬だけを包むものじゃないしね。
菓子を包むことも出来る、料理にも使えるから。
甘い言葉、睦言や賛美だって、毎日言ってることだって、包むことも出来るのだ。



出来れば、オブラートで包むから、オブリガード(またはオブリガータ)と返されたいものです。




出来ることなら、全身をオブラートに包まれてみたいものだなぁ。
物理的にも象徴的にも。








※オブリガードはポルトガル語で、男性が言う“ありがとう”のこと。
女性だと、オブリガータになる。

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