で、ロードショーでは、どうでしょう? 第679回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『花とアリス殺人事件』
岩井俊二監督による2004年の名作青春映画『花とアリス』の前日譚を映画化した岩井監督初の長編アニメーション作品。
花とアリスの出逢いの物語を、実写で撮影した映像をアニメーション化する“ロトスコープ”と3DCGの手付けアニメの組み合わせで瑞々しく描き出している。
前作で花とアリスを演じた鈴木杏と蒼井優が本作でもそれぞれの声を担当。
ほかキャストも再結集している。
監督、共同企画、共同プロデュース、原作、脚本は、岩井俊二。
物語。
離婚が原因で、石ノ森学園中学校に転校してきた中学3年生の有栖川徹子(通称アリス)。
なれない田舎暮らし、転校初日からなんとなくクラスメイトから疎まれる、母は相変わらずマイペース、向かいの花だらけの家通称“花屋敷”からはひきこもり少女の目、と悩み多き日々。
ある日、彼女は、3年2組にまつわるある噂を耳にする。
それは1年前、“ユダが、4人のユダの妻に殺された”というなんとも恐ろしげで謎めいた殺人事件についてのものだった。
それには、どうやら、アリスの家の向かいの“花屋敷”と周囲から恐れられる家にひきこもっているハナという少女が関わっているらしい。
アリスは、謎の殺人事件のの真相を探るべく花屋敷に潜入する・・・
脚本のベースは2004年、前作のあとすぐに書いたものだそう。
声の出演。
有栖川徹子(アリス)に、蒼井優。
荒井花(ハナ)に、鈴木杏。
先生に、黒木華。
バレエの先生に、木村多江。
アリスのお父さんに、平泉成。
(おじいさんも?)
アリスのお母さんに、相田翔子。
クラスメイトに、勝地涼。
ふうこに、鈴木蘭々。
ユダに、郭智博。
花の母に、キムラ緑子。
製作は、中山良夫と岩井俊二と古田彰一と遠藤茂行と水口昌彦と都築伸一郎。
エグゼクティブプロデューサーは、門屋大輔と高橋望。
プロデューサーは、岩佐直樹と水野昌。
ゼネラルプロデューサーは、奥田誠治。
共同企画・共同プロデュースは、石井朋彦。
アニメーションプロデューサーは、川瀬毅。
CGディレクターは、櫻木優平。
ロトスコープアニメーションディレクターは、久野遥子。
美術監督は、滝口比呂志。
色彩設計は、片山由美子。
実写撮影監督は、神戸千木。
音楽は、岩井俊二とヘクとパスカル。
中学時代の話なのでキャストを若返らせるためにアニメにして声優は前作と同じにしている。
独特のスタイルは踏襲されている。
ロトスコープ(実写を撮影して、そこからアニメーションを起こす)の特徴的な動きと表情が魅力。
往年の少女漫画的語り口で生き生きとした少女たちのキラキラを描き出す好作。
おまけ。
上映時間は、100分。
製作国は、日本。
声は、本人によるプレスコ収録。
ロトスコープは全部ではなく、一部。
モブやバレエシーンはロトスコープだそう。
花とアリスも一部は参考札しているそうですが、実査h担当の俳優たちだそう。
基本はトゥーンシェ-ディングした3DCGキャラを手付けで動かしているんだとか。
表情も全部手付でモーションキャプチャーはないそうです。
こういう組み合わせでのアニメーションは史上初ではないかと思われます。
背景も基本は手書きだそう。
特にバレエシーンはロトスコープの美しさが映えてます。
ややネタバレ。
前作もパロディが多く組み込まれていたが、今作『生きる』が大きくフューチャーされてます。
ほかにも漫画から影響されたネーミングやデザインを見つける楽しみも。
鉄人と鉄腕タクシーや火乃鳥駅、ソラン、コバルトはアトムの兄弟。
劇場では入場者特典で、エピローグを描いたストーリーボードの小冊子をもらいました。
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