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津軽鉄道 キハ21形気動車

2011-01-14 18:55:30 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
津軽鉄道が車両の体質改善のため、開業66周年を機に導入した車両である。
平成8年に2両、平成12年に3両の計5両が製造された。
製造を担当したメーカーは新潟トランシスである。
基本的に単行運転で車番は「21-100」で振られている。

車体は普通鋼鉄製でメーカーである新潟トランシスが全国の中小非電化私鉄や
JRのローカル線向けに開発した軽快気動車「NDCシリーズ」の第2世代・18mクラスに
該当しする。
正面は貫通型で五所川原側に幌を設置している。
行き先表示は正面と側面にあり、いずれも字幕式である。
塗装はオレンジにグリーンの帯、窓周りはブラックで沿線出身の
小説家・太宰治の作品から「走れメロス」号の車両愛称を与えられている。

車内はドア付近がロングシート、他が4人向き合わせのボックスシートという
セミクロスシート配置となっている。
津軽鉄道では初めての冷房車となり、側面窓は保温のため固定式となった。
側面ドアは半自動式の片引き戸が片側2箇所(ステップ付き)で車体両端に
設けられている。
トイレや洗面所の設備は設置されていない。

機関はDMF-13HZ形直噴式ディーゼルエンジン1基で変速機は液体変速式である。
ブレーキは空気自動式ブレーキで2両以上連結しての総括制御も可能となっている。
台車はインダイレクトマウント式空気バネ台車である。
運転台は片隅式でデスク型のツーハンドル方式となり、運賃箱や料金表、
整理券発券機などのワンマン機器を搭載する。

キハ24000形24024号車(昭和42年製造)以来、29年ぶりの完全な新車となった。
本形式の導入により、キハ24000形と国鉄やJRから譲り受けたキハ22形を
置き換えている。
平成22年現在、全ての列車で終日運用されており、ラッシュ時や団体利用時は
2両編成、それ以外は単行である。

平成19年12月からは「ストーブ列車」の有料化に伴い、ストーブ客車を利用しない
一般利用客向けの車両として同列車に連結されるようになった。
津軽鉄道ではこの他に季節によって名物列車を運用することで利用客の確保に
務めており、芦野公園さくらまつり号(ゴールデンウィーク)、風鈴列車(7月下旬~
8月末)、鈴虫列車(9月~10月中旬)、太宰列車(時期不定)にも本形式が充当される。

余談だが、昨年11月14日に発売された、埼玉県民の日フリーきっぷのポスターに
本形式と思われる車両が描かれていたのを西武池袋線大泉学園駅にて発見したので
紹介する。
何故青森県の車両が「埼玉県」の表示をつけているのか、謎である。


○車内。ドア側がロングシートで他がボックスシート。


○運転台。


○鈴虫列車の車内。津軽鉄道の秋の名物である。写真の本棚の他、運転席の
 後方にも棚があり、そこにも虫かごが置いてある。
 置いてある冊子は沿線案内や地方鉄道の紹介パンフなど。
 ワンマンカーだが、女性アテンダントが乗務しており、各種案内も充実している。


○太宰列車「小説『津軽』前編」号。ヘッドマークが異なる。


○太宰列車のヘッドマーク拡大。


○太宰列車車内。車内の広告枠に小説をそのまま飾っている他、
 太宰治縁の写真なども展示されている。


○写真左のポスターに注目。どうみても本形式にしか見えない。
 ヘッドマークは空白だが、それが余計に上記の「小説『津軽』前編」号を
 思い出させる。大泉学園駅にて。


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