水の丘交通公園

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西武鉄道 351系電車

2008-12-22 19:31:51 | 保存車・博物館
昭和29年に501系電車として製造された車両で、4両編成10本が登場した。

先頭電動車のクモハ501形が17m級3ドア、中間車のサハ1501形が20m3ドアで、
車内はロングシートである。
当時の車両としては珍しく、車内スピーカーと蛍光灯を製造時より
装備していた。
正面は当時流行の「湘南フェイス」で、西武では独自の進化をしながら、
3000系まで引き継がれている。
このうち、クモハ501形は半鋼製車体であった。
塗装はイエローにマルーンのツートンカラーである。

足回りは128kwの当時としては高出力のモーターと新しい台車を装備していたが、
機構面は旧態然としたもので、国鉄準拠の抵抗制御、吊り掛け駆動であった。

昭和32年に中間車と同じ長さの全金属車体の先頭車が製造されると、
それに足回りと中間車を譲り、形式を411系に改めた。
塗装も新車に合わせて、くすんだクリームに朱色の「赤電」色に変更されている。
このとき、新たに装備された足回りは所沢工場手持ちの中古部品と台車で、
性能は一気にグレードダウンしたほか、連結相手も旧型車になった。
昭和39年に別の411系が登場したため、再度、形式を譲って、351系となった。

昭和44年より車体更新を実施し、木造だった雨樋や乗務員室扉の鋼鉄化、
ベンチレーターの交換、正面への行き先表示幕の設置などを実施している。

吊り掛け駆動であったため、昭和52年までに池袋線や新宿線での運用は
終了したが、当時、国分寺駅のカーブがきつく大型車の入れなかった多摩湖線の
萩山~国分寺間では専用車となり、引き続き使用された。
専用車となった車両は、再度更新を受け、内装のデコラ化、床のリノリウム化を
実施している。

この時、本線から引退した車両は大井川鉄道と上毛電鉄に譲渡されている。

平成2年に多摩湖線国分寺駅の改修工事が終わり、20m車が入線できるように
なったことから、全車引退した。

引退後はクモハ355が横瀬車両基地に保存された。当初は赤電カラーのまま
保存されたが、平成10年より方向幕を撤去して、イエローとマルーンの
2色の登場時の塗装に復元された。

また、クモハ351がカットボディとなり石神井公園駅近くの小山病院の
院長(自らの病院に80系湘南電車を模した病室を作るなど、大の鉄道愛好家として
有名)宅に保存されたが、改築のため、平成20年に解体されている。

他社に譲渡された車両についても上毛電鉄のものが東武鉄道からの譲渡車の
入線で平成2年までに引退し、大井川鉄道のものも老朽化から、平成15年ごろ
引退している。後者については現在も千頭駅構内で留置されている。


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