水の丘交通公園

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路線紹介:高松琴平電鉄 志度線

2009-11-11 12:15:51 | 鉄道事業者・路線紹介
高松琴平電鉄志度線は瓦町と琴電志度を結ぶ路線である。
ラインカラーはピンク。
沿線に屋島、八栗寺などの観光地を有する。
全線にわたって国道11号線とJR四国高徳線と平行している。

■基本データ
営業運転区間:瓦町~琴電志度間 営業距離:12.5km
駅数:16駅 軌道設備:1435mm・全線単線 架線電圧:1500V
保安装置:琴電形ATS・自動閉塞方式 車庫:今橋工場

■他社線・他路線との直通運転
なし

■運転形態。
全列車普通列車のみ。2連、または3連で運行。車掌乗務。
全線通しの列車のほか、平日朝のみ瓦町~大町間の区間列車が設定されている。

■駅一覧 ※()内は乗り換え可能な路線
瓦町(琴電琴平線・長尾線)

今橋

松島二丁目

沖松島

春日川

潟元

琴電屋島

古高松

八栗(八栗ケーブル)

六万寺

大町

八栗新道(JR高徳線讃岐牟礼駅)

塩屋

房前



琴電志度(JR高徳線志度駅)

■略歴と年表
明治44年に東讃電気軌道の路線として開業したのに始まる。
社名が現わすとおり、路面電車出身のため、建築限界がひじょうに小さく
現在でも16m級の電車で最大3両までという状態である。
大正6年から昭和20年までは実際に路面電車の琴電市内線に乗り入れていた。
現在は瓦町止まりだが、かつては高松築港駅まで乗り入れていた。

○年表
明治44年11月18日:東讃電気軌道が今橋~志度(→琴電志度)間開業

大正2年10月15日:今橋~出晴(今の瓦町駅志度線口付近)間開業

大正4年4月22日:出晴~公園前間開業

大正5年12月25日:四国水力電気が東讃電気軌道を買収合併。
 社名と路線名が四国水力屋島遊覧電車になる。

大正6年5月20日:公園前~高松駅前間開業

大正6年7月14日:高松駅前~築港前間開業

大正6年:公園前~藤塚間に中ノ村駅開業。(→昭和2年頃、中野町に改称)。

大正11年11月1日:陸軍特別大演習のため春日川駅を休止して、西潟元駅の間に
 春日川東駅開設。同年12月25日まで。

大正14年8月1日:屋島駅を屋島登山口駅に改称。

昭和4年4月21日:屋島登山口駅を現在位置に移転。

昭和6年2月:屋島グランド前駅廃止

昭和6年3月16日:西潟元駅廃止。潟元駅開業。

昭和6年5月:志度駅を現在地に移転。志度駅前駅とする。

昭和10年5月10日:八栗~六万寺間に白羽駅開業。

昭和12年以降:瓦町~藤塚間にあった東田町駅を廃止。

昭和17年4月30日:四国水力電力の鉄道部門を讃岐鉄道に譲渡。

昭和18年11月1日:高松電気軌道、琴平電鉄と合併し高松琴平電鉄になる。
 讃岐鉄道の路線は高松琴平電鉄志度線(公園前~琴電志度)と市内線(公園前~
 築港前)になる。同時に志度駅前駅を琴電志度に改称。

昭和20年1月26日:不要不急線として八栗~琴電志度間休止。資材供出される。

昭和20年7月4日:空襲により公園前~出晴間と市内線全線被災。休止となる。

昭和20年7月30日:空襲で焼失した出晴駅を廃止。
 瓦町駅を琴平線琴電高松駅に統合させる。

昭和24年10月9日:八栗~琴電志度間復旧。六万寺駅を牟礼駅に改称。
 白羽、八栗新道、志度西口駅は休止のまま。

昭和25年4月16日:屋島登山口駅を琴電屋島駅に改称。

昭和28年10月20日:琴平線築港駅(今の高松築港駅)まで乗り入れ開始。

昭和29年1月1日:琴電高松駅を瓦町駅に改称。

昭和30年2月1日;牟礼駅を六万寺駅に改称。

昭和32年1月8日:休止していた市内線が正式に廃止になる。

昭和32年8月15日:休止していた公園前~瓦町間が正式に廃止になる。

昭和41年8月2日:架線電圧を600Vから1500Vに昇圧。

昭和44年10月:高松北バイパス道路建設に伴い、琴電屋島~八栗間経路変更。
 古高松駅は現在地に移転。

昭和46年8月20日:松島四丁目駅を松島二丁目駅に改称。

昭和51年8月1日:今橋駅付近で列車正面衝突事故発生。重軽傷者224名。
 現在まで琴電側に責任がある唯一の事故で戦後初めての事故廃車も出した。

昭和54年3月1日:ATS設置。

平成4年11月5日:沖松島駅を現在地へ移転。

平成6年6月26日:瓦町駅再開発事業に伴い、高松築港への直通廃止。

平成8年12月21日:瓦町駅新駅舎完成。

平成16年8月31日:台風16号に伴う高潮で沖松島駅周辺が水没。半日運休。

平成19年7月31日:最後まで残っていた30形(元京急230形)電車が引退し、
 冷房化100%達成。全車が名古屋市交通局から譲られた電車になる。

■運行されている車両。
冒頭にも記したとおり、元が路面電車であり、軌道幅こそ標準軌(1435㎜)だが、
大きな車体の電車は入ることが出来ない路線である。
そのため、新車を他社からの譲渡で賄っている琴電では新車を作れないことから
車両の近代化が大幅に遅れ、旧型車両の宝庫となっていた。
しかし、第三軌条方式の地下鉄車両をパンタグラフ集電に改造することで
比較的新しい中古車を確保できるようになったため、車両規格の小さい
名古屋市営地下鉄東山線、名城線の電車を譲り受けることになった。
コトデンそごうの倒産による会社更生法の適用で導入が一時的にストップしたが、
長尾線の車両大型化などで車両を確保できたことで、平成19年に全車仕様が
統一された。
以下は在籍車両の形式と概説である。

600系電車:名古屋市営地下鉄250形電車や中間車の700形、1000系列の中間車を
 譲り受けて改造したもの。

800系電車:同上で長尾線で使用されていたものを転用の際、増結車としたもの。

700系電車:名古屋市営地下鉄300形、1200形を改造したもの。
 正面が通常の中央貫通型になっているのが違う。

■管理人の主観による沿線の名所・風景・見所
1・琴電志度駅

JR高徳線の志度駅から国道11号を渡って駅前の商店街を海側に歩いて、
すぐの場所にある。商店街にとけ込んでいるので初めて利用する人は
少しわかりづらいかもしれない。
簡単なリフォームはされているが、小さな木造の駅舎がいい風情を醸しだして
いる。
ホームは1面2線で片方は2両分しかスペースが無いため、あまり使われない。

2・房前の鼻

房前~塩屋間では志度湾の海岸線に沿って急カーブの続く区間である。
車窓いっぱいに海が広がる琴電沿線最大の景勝地でもある。
撮影の名所としても知られている。

3・八栗ケーブル
四国第八十五番霊場八栗寺へ向かうケーブルカーである。志度線八栗駅が
乗り換え駅であるが、徒歩で20分以上かかる。
日立製のユーモラスな顔をしたケーブルカーが今も現役である。
次項の屋島ケーブルが現役だった頃はタクシーでハシゴ乗りしたファンもいた。

4・屋島ケーブル
ケーブルカーの話題をもう一つ。琴電屋島駅から駅前の斜面を登ること
数分のところにあったケーブルカー。昭和4年に開通後、昭和19年に不要不急線に指定され資材供出で休止。昭和25年に再開した。
この際、志度線の屋島登山口の駅名を譲り受けている。
再開後、山上駅の場所が悪かったこともあるが、道路の開発などで利用客が
伸び悩み、平成16年10月に休止。翌年、正式に廃線になった。
運行最終日には800人あまりが詰め掛けたが、営業前の試運転で電気系統に
トラブルが発生し、立ち往生。そのまま運行されずに幕引きとなった。
廃止後は駅舎も車両もほとんど手付かずのまま、現在も眠っている(今も清掃などの
手入れをされている様子はある)。
なお、運行していた車両は昭和25年運行再開時のものでレトロなスタイルを
最後まで維持していた。

5・琴電屋島駅

昭和4年に移転してきて以来の駅舎が改装されながらも今も現役である。
駅前のバス停からは新屋島水族館に向かうバスが発着している。
この他、四国村や四国八十四番霊場屋島寺へも行ける。

6・途中下車制度
琴電では私鉄としては珍しく途中下車制度を採用している。
これは指定された駅での途中下車を認めたもので、寺参りのお遍路さんが多い
この地域ならではの制度である。
志度線の途中下車指定駅は今橋、潟元、琴電屋島、八栗、大町である。
買った切符と同額となる区間での途中下車は認められないので注意が必要である。
志度線で例を挙げると、瓦町から琴電屋島までの乗車券では、
運賃が240円なので、今橋での途中下車が可能であるが、同額運賃で
琴電屋島駅よりも瓦町側にある潟元駅での途中下車はできない。
また、ICカード「Iruca」でも定期券以外は途中下車は出来ない。

7・今橋工場
志度線の車庫で今橋駅に隣接している。琴平線と繋がっていた当時は仏生山工場を
メインにしていたが、分断後はこちらが主要工場となっている。
なお、全般検査などの大掛かりな検査を受ける際はトレーラーで仏生山まで
運ばれて、そこで検査を受けている。
車両の検査票に線路の繋がってない「仏生山工場」の検印が入るのは、
このためである。

8・瓦町駅ホーム

かつては琴平線に乗り入れていた志度線だが、現在は独立したホームを
有している。
駅を移転改築した際に、敷地の都合上、乗り入れが出来なくなったのが
理由である。
この場所は、戦災で焼失した出晴駅のあった辺りで、先祖返りしたと
とれなくも無い。

9・名古屋の電車
現在の志度線車両は全て名古屋市交通局から譲り受けた車両である。
パンタ・冷房付きに改造されたが、大まかな雰囲気はさほど変わらない。
それでも、もし昨今流行のリバイバルカラーでレモンイエロー1色になったら、
すごく違和感あるんだろうなぁ。というか、琴平線の電車とかぶるから無理か。



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2 コメント

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瓦町駅 (TADA)
2009-11-13 00:32:27
今は分断されてしまっているのですか。
高松ももう20年近く行っていないからなぁ・・・
返信する
Re:瓦町駅 (水の丘)
2009-11-26 08:16:02
コメントありがとうございます。
スレが遅れてすいません。

瓦町駅ホームは少し片原町側に移転しています。
用地とホームの位置の関係で志度線が分断されました。
1・2番線が琴平線、3番線が長尾線で長尾線が琴平線に乗り入れて高松築港まで乗り入れてます。
志度線の4・5番線ホームは改札内の動く歩道で結ばれてます。
上に駅デパートのデッキが覆い被さり、どちらも昼でも暗がりですね。
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