雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

時間の単位 ・ 小さな小さな物語 ( 895 )

2016-10-12 09:18:07 | 小さな小さな物語 第十五部
台風16号は強い風もさることながら、大変な雨を各地に降らせました。前線の影響とやらもあって、台風の中心から遠く離れた地域においても大変激しい雨に襲われたようです。
「ゲリラ豪雨」という言葉は、決して古くからある言葉ではありませんが、今日でははや古めかしいような感覚がしてしまいます。今回の台風や前線の活動による豪雨は、一時間当たりの雨量が100mmを越える場所が幾つも報告されています。30~40mmの雨でも、「バケツをひっくり返したような雨」だということを聞いたことがありますが、100mmを越えるような雨はどう表現すればよいのでしょうか。
台風一過という言葉がありますが、今回はそのようにはならないようですし、また土砂災害などは雨が止んだ後から発生することもあるようですから、該当地区のお方はくれぐれもご注意いただきたいと思います。
また、すでに被害を受けている方々には、心よりお見舞い申し上げます。

それにしても、今年は台風が多く、雨の被害も多い年になってしまいました。
確か夏前までは、今年は台風の発生が少ないということが話題になったりしていましたが、八月になって、まるで挽回するかのような発生の仕方に驚いてしまいます。しかも、今年の台風は、発生する場所といい、進路といい、例年とは少し違うようで、今年は特別異例なのか、地球全体の気候が変化していっているのか、気になるところです。
それと、何年か何十年か経ってから検証した場合、案外今年の台風の発生件数は平年並みだということになるのかもしれません。一年単位で計算する場合と、三か月単位で計算する場合とでは、状況はずいぶん変わってきます。まあ、そのようなデーターが役に立つかどうかは別ですが。

この話は、ベースにする時間ですが、平均とか分布とか変化などについては、ベースの置き方で見える形が違ってくることはよく経験します。つまり、真実などと簡単に言いますが、データーの取り方によって、あるいは自分の立ち位置によって、あるいは心理状況によっても、同一の物が違う形に見えることはありえるわけです。
「時間の単位」といえば、日常生活においては、秒・分・時、あるいは、日・月・年、といったものをベースにして私たちの生活が組み立てられています。ごく合理的に、規則正しく組み立てられているように思いがちですが、これも、本当はどうなのかと考えてしまうことがあります。
例えば、台風の暴風圏が過ぎ去る時間はなかなか進みませんが、楽しい映画や演劇を観ている時間はあっという間に過ぎてしまいます。このどちらの時間も、一時間は一時間として数えますが、私たちの人生に占める長さは同じものなのでしょうか。

現在、当ブログで『今昔物語』を掲載していますが、勉強しながら読んでいる中で「劫(コウ)」という時間の単位に出合いました。この「劫」については、当ブログの他の記事で書かせていただいたことがあるのですが、とても好きな「時間の単位」なので紹介させていただきます。
「劫」というのは、古代インドにおける最長の時間単位なのですが、それがどれほどの長さかということには諸説ありますが、その一つには、「上下四方四十里の岩を、天女が三年に一度やって来て、羽衣でひと触れしているうちに、遂にその岩がすり減ってなくなってしまうまでの時間」だと説明されています。これを「時」なり「年」なりで表現するとなれば、気が遠くなってしまいます。
仏教の世界観、時間の観念は果てしないものですが、それを考えれば、たとえ苦しみが五年十年続こうとも大したことではないように思うのですが、その一方で、採血を受ける一瞬がとても辛いのは、あれは何なんでしょうか。

( 2016.09.21 )
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