雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

友好の絆 ・ 小さな小さな物語 ( 896 )

2016-10-12 08:51:47 | 小さな小さな物語 第十五部
安倍首相がキューバを訪問したというニュースを見ました。
キューバは、長年敵対関係にあったアメリカとの融和が進み、世界各国から熱い視線が送られている国です。もちろんその主たる目的は、開発に絡む経済面での権益を得ようとするものであり、わが国とて目的とするところは大きく違わないのでしょう。
ただ、わが国はキューバとはかなり親しい関係を保ってきているようです。社会主義体制を敷き、東西冷戦時代は反対陣営といえる立場であり、あの有名なジョン・F・ケネディ米大統領時代には、当時のソ連と核戦争の危機に面したとされるキューバ危機を経ても、わが国とキューバは国交を保持し続けてきたのです。
また、バレーボールや野球など、国民に人気のあるスポーツに共通点があるなど、遥かに遠い国であるにもかかわらず、何とはなく親しみを感じる国のような気がします。

そのソ連は崩壊し、その主たる後継国であるロシアは、現在もなお、世界の中で強い影響力を保持しています。政治力もさることながら、軍事力は今なお不気味であり、何よりもその強力な個性の持ち主である指導者は、良い意味でも悪い意味でも世界のリーダーの中でトップクラスといえましょう。
そのロシアは、現在ヨーロッパ諸国ともアメリカとも微妙な関係にあります。中国との接近も噂されていますが、両国の利害が一致するのは簡単なことではないでしょう。
そのような情勢の中で、わが国の首相はロシア大統領とかなり近しい関係とされています。両国間には、北方領土という何とも大きな重石が横たわっていますが、両国が友好的な関係を押し進めることは、両国の経済面、政治面、防衛面などで有益なばかりでなく、西側諸国にとっても、決してマイナスになることではないと思うのです。

周辺諸国ばかりでなく、多くの国や地域と友好関係を結ぶことは、私たちの国が国家として存続し続ける上でとても重要なことだと思われます。友好関係を築き、話し合いを続けることが出来れば、軍備的に丸裸でも平和は守られる、という考えには私は反対の立場ですが、国家の平和の根幹に友好関係の構築が絶対条件であることには、疑問の余地はないと思うのです。
それでは、わが国には、「友好国」といえる国家や地域はどのくらいあるのでしょうか。同時に、その反対ともいえる「非友好国」というのはどのくらいあるのでしょうか。 

友好国という言葉そのものは、辞書を調べるまでもないほど分かり易い言葉ですが、では、わが国にとって本当の「友好国」はどこかとなれば、なかなか難しいようです。
インターネットや百科事典などで、友好国や親日的な国について調べますと、興味深い記事が幾つも出てきます。そのほとんどは納得できるものであり、特に親日的と言われる国や地域に対しては、私たちも精一杯応えたいと思ってしまいます。
しかし、国家や地域との友好とは、単に調査で好感度が高かったとか、過去に友情的で劇的な事件があった、といった事柄だけで永続できるものではないようです。
友好という絆(キズナ)をほどいてみますと、そこには、互いの国益があり、他国とのバランスがあり、国家個々の栄枯盛衰なども微妙に絡まっているのではないでしょうか。
実は、国家間であれ個人間であれ、友好関係というものは、不安定な要素の上で辛うじて保たれているものではないでしょうか。そして、その不安定さを少しでも補強する手段があるとすれば、誠心誠意ということのような気がするのです。

( 2016.09.24 )

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