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2014初夏・スペイン鉄道音楽美術紀行 32:聖家族教会サグラダ・ファミリア、聖堂内部を見る2

2014-07-06 | 旅行記:2014初夏 スペイン
Temple expiatori de la Sagrada Família~聖家族教会サグラダ・ファミリア~


31:聖家族教会サグラダ・ファミリア、聖堂内部を見る1からの続き











…いかがでしたか?サグラダ・ファミリア大聖堂内部。

ガウディが何を意図していたのか、それを現代の芸術家や建築家がどう解釈して表現しようとしているのかは、宗教的な要素も絡むのでとても僕が口出しできることではないのでしょうが、それでも素朴な感想として、
大聖堂全体が“生命”を表現していて、とても有機的な空間を創り出しているように思えました。

まるでサグラダ・ファミリアが一つの大きな生き物で、その体内に入り込んで包み込まれているような…

皆さんも是非一度、実際にバルセロナのサグラダ・ファミリアを訪れて、大聖堂に入ってみて下さい。
きっと、それぞれに何か深く感じることが、そこにはあると思います。



大聖堂の一画には、ローマ法王ベネディクト16世 がここでミサを執り行ったことを示すプレートが掲げられています。
サグラダ・ファミリアは建設工事中に既に法王に認定された由緒正しいBASILICAとなっているのです。
またサグラダ・ファミリアは、ガウディが存命中に完成させた「生誕のファサード」等の部分は2005年にユネスコの世界遺産にも登録されています。世界でも珍しい、工事現場の世界遺産なのです。


大聖堂の地下には非公開の地下聖堂があり、覗き窓から見下ろすことが出来ます。
ここにはサグラダ・ファミリアの完成を見ることなく、不慮の交通事故で世を去ったガウディの棺が安置されています。

サグラダ・ファミリアの地下にはガウディの眠る地下聖堂だけではなく博物館もあり、サグラダ・ファミリア建設事業に関するかなり本格的な展示を見ることも出来ます。



有名な「逆さ吊り構造実験模型(フニクラモデル)」もありました。
ガウディは数式を用いて計算した設計図よりもこういった実験モデルを多用して建設工事を進めたので、その仕事を引き継いだ現代の建築家たちは明確な設計図を使えずにかなり苦労することになったようです。

…また、現代におけるサグラダ・ファミリアの建設工事を困難なものにしている要因として、スペイン内戦という悲しい事情もあります。

なぜかここだけ日本語の説明パネルがあったのですが、博物館にはスペイン内戦で破壊された建設工事中のサグラダ・ファミリアについても展示紹介されていました。
写真のパネルで解説されているような理由で、ただでさえ少ないサグラダ・ファミリアの建設資料はその大半が失われてしまったのです…

それでも、人々がサグラダ・ファミリアを完成させるという情熱を捨て去ることはありませんでした。

現在、博物館に併設された地下工房では、内戦で破壊された構造実験模型の復元作業や設計図の解析作業が地道に進められています。
ガウディの死後、その驚異に満ちた異才の発想を正確に記録した資料は失われましたが、現代の人々は諦めることなく、新たな生命を吹き込んでサグラダ・ファミリアを蘇らせ、現実のものとして21世紀のバルセロナに完成させようとしているのです。




サグラダ・ファミリア大聖堂からの出口は、ガウディの死後に完成された「受難のファサード」から。


「永遠に完成しない」とも言われた異形の建築物、サグラダ・ファミリア。
現在、ガウディの没後100年となる西暦2026年の完成を目指し、急ピッチで建設工事が進められています。


サグラダ・ファミリアは、多くの人々の情熱が集まって産み出された一つの巨大な生命体のようでした。
きっと、これからも刻々とその驚異の姿を変えながら成長を続けていくのでしょう。
そして今から12年後には、世界中の人々を驚嘆させるようなとんでもない姿となって、カタルーニャの青空の下にそびえ立つに違いありません。
その時、僕もまたここに来ることにしましょう。

…今からその日が待ち遠しいです。

33:バルセロナ街歩き2日目 日暮れのランブラス通り、グエル邸に続く


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