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2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 4:パダン・ブサール(Padang Besar)で、歩いて国境を越える

2016-09-25 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:パダン・ブサール(Padang Besar)のマレーシア/タイ国境検問所


3:マレー鉄道特急電車KTM-ETSの旅からの続き






マレーシアとタイの国境に位置するパダン・ブサール(Padang Besar)駅

マレー半島を縦貫する国際貨物列車や豪華クルーズ列車“イースタン&オリエンタル・エクスプレス”が行き交う国境駅であると同時にマレー鉄道の国内線特急電車KTM-ETSの終着駅であり、タイ国内へと向かうタイ国鉄の列車との乗換駅でもあるが、今日はこれから鉄道を使わずに国境を越えてタイに行ってみようと思う。

…そう、自分の足で道路を歩いて徒歩越境するのだ。

僕もちょっと昔、まだ怖いもの知らずで一丁前にバックパッカーを気取る若造だった頃は、「深夜特急」の旅に憧れて何度も意味もなく歩いて国境を越えて一人で悦に入っていたものだ…ああ、若気の至り(笑)
(→白い空、緑の田圃、紅い河~2007年夏ベトナム鉄道漂流 その2 2007年夏
(→白い空、緑の田圃、紅い河~2007年夏ベトナム鉄道漂流 その3 2007年夏
(→泰国鐡路漂流記~3、国境。ノーンカーイ・ターナレーン、そしてラオス~ 2008年夏


パダン・ブサール駅の構内には国境検問所への道案内等は一切無かったが、ほぼ全ての旅行者は駅から列車に乗って国境を越えるのだろうからこれは致し方無いこと。


駅構内に停車しているコンテナ車を連ねた国際貨物列車の編成の向かう先を目指して、とりあえず駅舎から渡り廊下を通って外に出る。
この時点で、歩いて駅の中をウロウロしている僕に白タクの運転手がしつこく「ゴートゥシティ?ホテル?タクシー?」と声をかけてくるのが、鬱陶しくも懐かしい…若い頃はよく白タクの運ちゃんをシカトしたり冗談交じりに口喧嘩したりしたなぁ。






パダン・ブサール駅構内の線路は駅の北方で単線になり、真っ直ぐタイ国内を目指して進んでいるのが分かる。
僕もなるべく線路の向かう方向へと足を進めていくと…


予想通り、国境のマレーシア側チェックポイントが見つかった。
パダン・ブサールの鉄道駅から数百メートル離れた場所に自動車と徒歩の旅行者用の国境検問所があり、マレー鉄道の線路と平行に走る道路がそのままアジアハイウェイ2号線の支線的な役割の国境を越える道になっているようだ。


国境検問所の徒歩旅行者の行列に並ぶ…
どうやらこのパダン・ブサールのチェックポイントではトラックや自家用車で国境を通過する旅行者に優先的に対応しているようで、歩いて越境する人もかなり大勢いるのにパスポートチェックの窓口は1つしか開いておらず行列はなかなか進まない。


別に急ぐ理由もないし焦っても仕方がないので、ここは一つ東南アジアの流儀でのんびり並んで待つしか無い。
のんびりムードの国境検問所では、人も猫もみなのんびりゆっくり…

30分ほど待ってようやく順番が回ってきて、国境職員と「これからどこに行くんだ?バンコクか?」「いや、今日はボーダー(国境)を越えてみるだけだ。今日中にすぐここに帰って来る」「はぁ!?…ワッハッハ、ふざけた野郎だ!!」といったようなやり取りをしてパスポートにマレーシアの出国印を捺して貰う。
晴れて越境の許可が出た。さぁ、歩いて国境を越えるぞ!


マレーシア側のチェックポイントを出て、「タイはこちら」の看板に従って国境地帯の道路を歩いて行く…
それにしても、歩行者用の歩道も路側帯も無いし時折後ろから大型トラックもやって来るので、のどかな徒歩越境に見えるが実は結構危なっかしくて恐い。




数百メートル程歩くと、タイ側のチェックポイントが見えてきた。


タイの入国審査の検問所に並ぶが、どういう訳だかマレーシアの出国検問所の数倍の長さの行列が出来ており、いつまで経ってもタイに入国出来ない…
徒歩越境する旅行者に対して、タイの入国審査は麻薬の持ち込み等を警戒して厳しくチェックが行われているのかも知れない。

結局、1時間以上も待ってからようやく窓口でパスポートチェックを受ける。JAPANの菊の御紋入りのパスポートを所持している旅行者に対しては麻薬検査も無く審査もかなり緩かったが、それでもマレーシア側同様に「これからどこに行くの?バンコク?」「いや、今日はボーダー(国境)を越えてみただけ。今日中にすぐ出国してマレーシアに帰るよ」「はぁ!?…(以下略
というやり取りを交わして、出入国カードに記入させられてから無事にパスポートにタイの入国印を捺して貰えた。


遥々やって来たぞ、タイ王国!…さて帰るか(笑)



…実際、国境を越えたタイ側のパダン・ブサールの町は小さな集落程度の規模しか無く、これと言って見て回るようなものも見当たらない(マレーシア人の男性が遊びに来る夜の歓楽街があるらしいが、そんな不健全な場所には興味ありません。いやマジで)
何より、思った以上にタイへの入国審査に時間がかかったので、早めにマレーシアに戻らないと帰りのクアラルンプール行き特急電車KTM-ETSの発車時刻に間に合うかも心配だ。

という訳で、国境検問所の前の道路を渡って数分間散歩しただけですぐに出国審査場へと向かう。
案の定、タイの出国審査も凄まじく時間がかかり、1時間以上も待ってようやく出国。ついさっき捺して貰ったばかりでまだインキも乾いていないタイの入国印の隣に出国印を捺して貰い、書いたばかりの出入国カードを提出して、再び歩いて国境地帯へ。




タイからマレーシアに向かう国境地帯の道路沿いには、ショッピングモールのように立派な免税品店もあった。


後ろからやって来たトレーラートラックを振り返ると、なんと日通のトラックだった。
この後、この日通のトラックの運ちゃんと並んでマレーシアへの入国審査のチェックポイントを通過して、ようやくマレーシアに戻って来た時には既にクアラルンプール行きKTM-ETSの発車時刻15分前。
「ギリギリセーフだったな…タイ側の町で呑気に遊んでたら絶対間に合わなかったな。まぁ、クアラルンプールに戻る列車は今日中にまだあと数本出てるけどね。」





パダン・ブサール駅前の国境のモニュメントを撮影したら、急いで駅に向かい16:15発のKTM-ETS9209列車に乗り込む。

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 3:マレー鉄道特急電車KTM-ETSの旅

 

…かくして、マレーシアからタイへと歩いて国境を越えるだけの小さな国際旅行は数時間で無事に終わった。
タイ国内への滞在時間は実質、僅か十数分間。
でも、どうせあと数日でクアラルンプールを離れて空路でバンコクに移動するし、もう暫くしたらまたタイ王国に行くことが出来るのだ(笑)

それに何より、若かった頃バックパッカーに憧れて東南アジア各地を歩き回った、あの頃の気分に戻って純粋に旅の面白さを味わうことが出来たと思う。

「やっぱり、旅は楽しいね。一見なんでもないこと、全く意味の無い馬鹿馬鹿しいことを真剣に楽しむことが、旅の醍醐味なんだ!
さぁ、次はどんな馬鹿げたことをして旅を楽しもうか…?」

…やっぱ乗り鉄かな(笑)

5:マレー鉄道近郊電車KTMコミューターの旅に続く


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
国境越え (マンマ♪)
2016-10-04 09:23:38
楽しく拝見させていただいてます !!もしかして、元祖バックパッカー?
旅の醍醐味は人それぞれ違いと思いますが、
多分素朴で純粋な出来事に出会えるときかも !?

mitsutoさんの記事を読んでいたら、私も思い出しました。実はドイツとポーランド、ドイツとスイスで歩いて越えたことがあります。

マレーシアとタイって、雰囲気が似ていますね。カンボジアにも。
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気分は「深夜特急」(笑) (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2016-10-04 22:58:31
マンマ♪さん、こんばんは。
はい!実は僕も沢木耕太郎さんの「深夜特急」に憧れたバックパッカー気取り野郎でした(笑)
歩いて海外をうろついていると、他愛もないけれどなぜかいつまでも心に残る思い出がいくつも出来るんですよね…

ヨーロッパでの国境は、僕も鉄道で何度も越えましたが、何しろ地続きだしシェンゲン協定圏内はパスポートチェックも無いのでいつの間にか隣の国に入っちゃってるんですよね(笑)

マレーシアとタイの風景は…マレー半島では全く同じです(笑)
看板の言語がマレー英語とタイ語の違いがあるくらいですね~
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