世の中には二種類の人がいる。「パイを増やす人」と「パイを分ける人」だ。
「パイを増やす人」は、限られた資源しかない場合に、その資源全体を増やして一人ひとりの取り分を多くしようと発想する人だ。一方、「パイを分ける人」は今ある資源を前提として、分けることに集中してしまう人のことである。
例えば、孤島に飛行機が不時着し、100人の人が島に閉じ込められてしまったとしよう。しかし、飛行機に積まれていた非常食は100人分に満たない。ここで「パイを増やす人」は、まずどのように食料全体の量を増やそうか、という方向に考えを進める。島中を探して食べられるものが無いか、新たに食べ物を作り出すことは出来ないか、海に出て魚を取ってくることは出来ないかなど、新しいアイディアや外に出て行くことで量を増やし、足りない問題を解決しようと考える。一方、「パイを分ける人」はとりあえず今ある限られた非常食を、どう100人に分配するかということが気になってしまい、そちらを先に進めてしまう。誰に多く、誰に少なく渡すのか。それとも全員平等に分けるのか。
世の中にはどちらのタイプの人も絶対に必要である。「パイを増やす」ためには、イノベーションを起こしたり、他の場所に打って出るなど、それなりの気力や能力を必要とするが、これは全ての人に出来るわけではない。出来ない人たちにも、それなりに平等に資源が行き渡るようにするのが「パイを分ける人」たちの役目である。しかし、一般的には「パイを増やす人」が多い方が、社会や組織は前向きに、将来に向かって進むようになるし、「パイを分ける人」が多いと、人々は政治的になり、誰かを排除したりとする方向に行きがちである。
世の中にある多くの問題は「パイを増やす」ことで解決する場合が多い。にもかかわらず、「パイを分ける」方向ばかりに意識が向いてしまうと、全体として伸ばせる余地がたくさんあるのに、誰かを排除しながらの奪い合いになるような、つまらない結果を生む。世の中を前向きに、ポジティブにドライブしていくためには、「パイを増やす人」がたくさんいるのがとても重要なのだ。
人口が増えて食料生産が追いつかない場合、「パイを増やす人」は、イノベーションによって食糧生産を増やすことを考える。かつてのインドの「緑の革命」のように、農地の改良や品種改良、肥料等の使用といったイノベーションにより、全体の食糧生産を圧倒的に増加するような結果を生み出すことが出来る。それなのに、イノベーションを起こすことに投資せず、限られた食料をめぐって争いを起こすのは不幸なことだ。
あるいは、石油などの天然資源が枯渇していく今後、「パイを増やす人」は再生可能エネルギーや省エネの研究に力を入れるだろう。「パイを分ける人」に付き合って、資源をめぐる政治抗争や内戦を起こすのは不幸なことだ。
人口減で国内市場が伸び悩む日本国内で、「パイを増やす人」は競合他社とシェアを奪い合う不毛な戦いをせず、目を外に転じる。海外で大きく成長している市場はたくさんある。そこに出て行って、日本企業にとってのパイ全体を増やそう、と発想し、グローバル化する。現地企業から見れば「パイを取られる」ことになるが、技術移転などで、両者にWin-Winになるような解決策はいくらでもあると考える。
組織で「パイを分ける人」が幅を利かせるようになると、非常に不健全になる。人々は「パイを分ける人」から分け前を多くもらおうと、より政治的に動くようになり、他の人を排除したりするなど、後ろ向きになる。「パイを増やす人」になって、未知の市場を開拓したり、グローバルに事業を広げたりするのは、労力が必要でリスクを伴う。それよりも、リスクをとらずに偉くなれる「パイを分ける人」になったほうがよっぽど良いので、誰もリスクを取らなくなる。新しい企画が企業全体の売上を増やしているのに、その企画は本来うちの部署の縄張りだから勝手に取るな、と縄張り争いになるのは「パイを分ける人」の結果だ。縄張りを破らずに、全体の成長のために「パイを増やす」ように動ける、大志と器用さを併せ持つ人もいるが、その数は非常に限られている。結果として組織が硬直化し、イノベーションは起きず、成長が止まる。
どんな組織にも「パイを増やす人」と「パイを分ける人」はいる。そしてどちらも必要である。
そして必要悪の結果として、硬直化し、成長が止まった組織もたくさんあるだろう。
硬直した組織を前向きに、良い方向に変えていくためにやれることは三つしかない。
1) 自分自身は「パイを増やす人」となって、イノベーションや変革を起こす能力と意思を持ち合わせた人になること
2) 「パイを分ける人」の作った既存の縄張りや規則に一部従い、かわしつつ、不必要に「分ける人」を増やさないようにバランスを取ること
3) 余り世渡りはうまくないが「パイを増やす」能力がある後輩たちを守って育てていくこと・・・
前向きに行きたいですね。












皆が幸せになるにはパイを増やすしかないわけですが、自分がパイを増やす人になるのは、一介の勤め人ではなかなか困難なわけです。
なので、私はパイが増えている事業・企業に身をおくようにしています。成長産業・企業に身を置いていれば、雇用主も顧客も従業員も(仕事はてんやわんやでキツイ事が多いですが)報われることが多いですから。
ありがとうございます。merry chirstmas
パイという言葉自体が分けることを前提にしているように、パイを作ることが簡単ではないということも意識しなくてはいけないと感じます。
>「パイを増やす人」と「パイを分ける人」だ。
この分類の定義からすると、もう一種類の人がいるように感じます。
「パイを貰うだけ」人
ここに問題があるのでは。
英雄を望むのか?優秀な官吏集団を望むのか?
それとも、賢い消費者になるべきなのか?
「パイを増やす人」と「パイを分ける人」のモノの見方に共感できました。
特許の世界でも出願件数は減る一方で、出願業務を代理する弁理士の数は年々増えており、上記の見方でいうと弁理士一人当たりが担当できる「パイは減って」います。
しかし、そもそも特許は事業を優位に進める為のものであり、出願業務等を行って、後は知らんではダメでしょう。出願業務等の従来の業務にとどまらず、企業の事業戦略に参画するなどの新規な業務をもっと開拓し、「パイを増やす」ことに注力すべきだと考えています。
どうも日本人は、「パイを分ける」ことに注力し、新しい分野を開拓する「パイを増やす」精神に欠ける部分があるように思います。
自分は「パイを増やす人」になるように、自分は何をすればよいか、何をやりたいかを考えてみようと思います。
「成長は努力次第で安全に可能である」「成長のための投資に振り分けるパイは不要」「成長の仕方同士にトレードオフがない」という前提がなければ成り立たないのでは?
現状の議論はそちらで起きていると思いますし。
パイを増やす人を過大評価してる。
イノベーションはホイホイ起きる物ではない。無人島の例で言えば、素人が「さぁ狩りに出よう!」と言ってうまくいく物でもない。狩りがうまくいくようになる前に食料がなくなれば終わりですよ。っと、無人島物語プレーヤーは思う訳ですが。
「パイを食べるだけの人」の存在も忘れてはなりませんね。
「パイを分ける人」が幅を利かせることで「パイを増やす人」は冷遇され、ある人は辞め、ある人は「パイを食べるだけの人」に変わっていく。。。企業だけでなく、国全体でも当てはまるような気がします。
今時、持続可能な社会を目指さなければいけないことも考えると、
闇雲にパイを増やしてはいけないというプレッシャーがかかるのも、また事実です。
「与える側」と「受け取る側」に関して、非常に考えさせられる記事でした。
ありがとうございました。
この記事を読んでみて、
「パイを増やす側がそれほど肯定されても良いのか」そこし疑問に感じます。
長文になりそうなので、
ブログにて考えてみました。
よろしければご一読下さい。
いつも読ませていただいてます。
「パイを増やす人」と「パイを分ける人」という考え方は面白かったです。
他の人も指摘してる通り、「パイを食べるだけの人」もいると思うのですが、
自分は「パイを増やす側」も「パイを食べるだけの人」になる可能性も秘めていると思ってます。
確かにイノベーションや研究開発などはとても大事なのですが、
研究が実にならないことの方が基本的には多いです。
そういう人たちは結果だけ見れば何も生み出していないわけですから、
結果的に「パイを食べるだけの人」になり下がってしまうんじゃないでしょうか?
自分もLilacさんと同じく「パイを増やす人」よりも「パイを分ける人」になりたいとは思ってますが、
「パイを分ける人」の多くの支えで「パイを増やす人」が自由にイノベーションを起こせるという認識を忘れてはいけないとも思います。
ちなみに本業は技術屋なんでパイを増やす活動をしていると自分では思っていますが、理系の仕事はそれ自体が面白いし政治活動のような種類の痛みを感じずに出来るのでついつい社会活動がおろそかになりがちすが、技術屋はパイを分けることに無関心ではいけないし、出来た技術の使われ方(政治の領分)にも関わるべきだと思います。日本人は潔癖症なので、政治に関わることを汚いと受け取りがちですが、実際は痛みを伴う大変な活動だと思います(マトモにやるなら)。
正しくは、「パイを分ける人」よりも「パイを増やす人」になりたいですね。
有難うございます。3)は大事です、そして自分の力だけでは出来ないので、一番大変なところかとおもいます。そんなところを続けていってくださる方がいるというのは素敵なことだとおもいます。Merry Christmas!
@大手町さん
お久しぶりです。確かに組織人としては自分の力だけで「パイを増やす人」になるのは難しいですよね。私も、自分は「パイを増やすのを手伝う人」だとおもってますが、「パイを作る人」にはなりきれてないとおもってます。出来れば「パイを増やす人」を上司に選んで仕事をしていきたいとおもってます。シンガポールは暑いChristmasだとおもいますが、Merry Christmas!
@タイガーさん
嬉しいです。私も後ろ向きな人々に囲まれてると、後ろ向きになりがちなので、努めて前向きになろうと常に努力しています。Merry Christmas!
@Satoshiさん
確かに、世の中の人を二種類に分けるのはかなり極論ですよね。実際には「パイを分ける人」の中にも何種類もいて、社会にとって最も効率が良いように分けようとする人、何でも良いから平等に分けようとする人、自分に最も取り分が多いように分けようとする人、いろいろいます。「増やす人」も同様ですね。ただ、論としては面白いので、今回はいろいろを捨象して書いてみました。急に寒くなりましたが、お体に気をつけて。Merry Christmas!
@arnoさん
全くその通りですね。この記事では「パイを増やす人」の重要性を強調したかったんで、「パイを分ける人」の重要性を余り書けなかったですが、両方とも非常に重要な存在だと私もおもいます。
例えば、世の中には本当に「分けるしかない」時があります。事故現場で大量の人が怪我をしているとき、医者と薬をどう分けるかなんてのは、まさにそうです。医者やそれをサポートする人たちは、「分ける人」として、自分たちの時間をどの患者に使うべきかという、過酷な選択をしなくてはなりません。ひどい重症で、時間を使っても助かる見込みが少ない人には時間を使わないという選択をすることもあるでしょう。それでも、その場で最も助かる人の数が多くなるように、「分ける」を実行しなくてはならない。「分ける専門家」は社会には必ず必要で、不可欠な存在だとおもっています。
Merry Christmas!
@kumasukeさん
確かに「パイをもらうだけの人」はたくさんいますね。「分ける人」が、「増やす人」にパイを多く配分する決まりを作ってくれたおかげで、増やす能力があるのに、もらうだけになっている人は最小化されているだろう、というのが今までの資本主義でしたが、最近のベーシックインカムの議論などを拝見するに、そうでもなくなってきた。
ただし、私は「もらうだけの人」が多くても、「パイを増やす人」がもっと頑張って、増やせばいいだけのことだから、さほど問題ないんじゃないかと、いつもおもっています。
おそらく問題は「もらうだけの人」の中に格差があることなんでしょうね。
Merry Christmas!
日本人は役に立たないものでも何でも特許にしたがる、という批判も一方であったので、特許申請件数が減ってることが一概に新しい研究成果が減っていることとも言い切れないのかな、と思っています。
日本は長いこと、イノベーションによって、日本のみならず、世界中の人たちのパイを増やしてきました。たとえ失われた20年の間、その勢いが落ちていたとはいえ、続けていたんですよね。これからももっとそうでありたいと思いますね。そして、おっしゃるとおり、自分自身もそうでありたいと思います。Merry Christmas!
@Unknownさん、通りすがりさん
Unknownさんが何人もいるのでまとめて返します。先ほどの返信で書いたとおり、「パイを分ける人」が重要なのは言うまでもないです。ただし、今の日本にもう少しほしいのは「パイを増やす人」なのであえて強調しました。今の日本は、まず全体として、グローバル化やイノベーションなどを起こす「パイを増やす人」になることを志望する人が減っているように思っています。今企業が、その重要性に気づき始めて、理系離れを抑えたり、グローバル人材育成に力を入れたりし始めているわけなのですが、日本全体としてそういう方向に行かないと難しいだろうなと思っています
@Keizoさん
そう思います。ちゃんと「パイを増やす人」が報われる世の中にすることが、そういう人の人口を増やすという意味でも大切ですよね。Merry Christmas!
@あずさん
面白いご視点ですね。確かに「パイを増やす」のが、経済的なメリットだけであると、場合によっては、持続可能な社会と矛盾することがあるかもしれません。そういう場合は「持続可能性」も「パイ」の一部としてカウントすればよいのかな、と思ってます。記事にも書いたとおり、水や天然資源も限られた資源として枯渇しているので、持続可能性を追求することは、「パイを増やす」的な問題解決になると思っています。
有難うございます。パイを増やす人は、増やせないほかの人に分け与えることも重要です。そして実際には社会や会社などの組織ではそれが自動的に行われるように仕組みがあります。その仕組みさえあれば、増やす人は多くいるほど良いと思っています。
もっとも、その仕組みが「不平等」だったりするから、いろんな問題が起きるんですけどね.
Merry Christmas!
@kuremizu_yukiさん
有難うございます。「パイを増やす人」が「パイをもらうだけの人」になる可能性というのは全くそうですね。仕組みがうまく機能していないと、増やすための能力が活かせず、パイをもらうだけの人になってしまう。それは本人にとっても非常につまらないことでしょうね。能力がある人は能力を活かしたいものです。
増やす能力がある人が、どんどん活躍できる、そういう組織や社会を作っていきたいものです。Merry Christmas!
@技術屋さん
そうですか。そんなつもりは無かったので心外ですが。
私自身は常に、パイを増やすことで問題を解決しようというタイプですし、そういう人も好きなのですが、パイを分けることばかり考える人のために非常に非効率な思いをしたことがあるのを思い出して、このエッセイは書きました。
別のコメントでも書いているように、パイを分けるのは非常に重要な仕事です。ただ、そればかりが増えてしまうと不健全になる、というのがポイントかと思っています。Merry Christmas!
ご指摘の通り、「増やす人」には誰でもがなれるわけじゃない。
増やす能力のある人が、それを驕らず、また、増やした物を独占せず、「能力のある者の義務」として分けることができる社会が理想ではいないか。
仕事に「効率」を求める限り、「パイを増やす人」は増えないでしょう。パイを増やすためには、一時的に非効率にならざるを得ないはずです。パイを増やそうと真剣に考えていると、「仕事しろ!」ですもの。そんな職場は日本には結構あるのかなと思いますがいかがでしょう?考えることが仕事にならなければ、当然「パイを貰うだけの人」になってしまいますよね。
台湾に行ってきて、学生達が自分達の意見を沢山言うことに面食らって帰ってきました。台湾は技術をビジネスにする仕組みを国や大学がきちんと作ってて、博士課程ともなると、いろいろと先の社会を考えて自分の研究・技術の位置づけをしていました。台湾なら自分のアイデアを現実にできるかもって思いました。アイデアを出すことに真剣で、私ごときの意見でも真剣に議論してくれるのですもの・・・。
きちんとした議論ができ、考えることができない国であることは「パイを増やす」以前の問題なのかなと思います。
現実に卑屈にならず精進あるのみ。
2.増やすだけの人(労働者)
3.分けるだけの人(利権集団)
4.もらうだけの人(生ポ・ニート・老人・Z)
この4種類がいるような気がする。
素晴らしい記事が多くて毎度の事、感心しております。
あと、lilacさんは本名を出して記事を書かれた方が良いと思います。
その方が影響力も大きくなりますし、それだけの価値のある実力者とお見受けします。
まず人々に注目されなければ、知られることがなければ、いくら良い記事を書いたとしてもネットの海の藻屑となってしまいます。
エネルギーに関しては増やした方が良いかもしれませんが、医療と教育、食糧問題などの分野では、分けることがまず必要なことです。世の中には既に供給設備があるのに、お金がないなどの理由で、病院に行けない、大学に行けない、ご飯が食べられない人もいるわけですから。
拝読させていただきました。
大変興味深いお話でした。
この記事を読ませていただいて、気になったのは「パイを増やす人」がパイを減らす可能性に言及していないことです。イノベーションを起こす、他のところに打って出ることはリスクを伴うはずだからです。
孤島の例えを使わせていただくならば、「パイを増やす人」は、食料を増やすことを考えて行動したにも関わらず、食料を増やすことができずに、結果として余分な体力を消耗して余分に食料を消費してしまう可能性もあります。
そのようなことから、私は、パイが減ってしまう可能性を「パイを増やす人」に考えさせることも「パイを分ける人」の役割なのではないだろうかと思います。
最近またお仕事がお忙しいのかな、と心配していました。
今回の記事も含めて、こういったことを発して多くの方と意見を交換することに意味があるのだろうな、と感じています。そして私も読むだけでなく少しでも自分の考えを発してみようかな、と思えるようになりました。
何人かの方も仰っているように「パイを貰うだけの人」の存在も見逃せないですし、「パイを潰そうとする人」もいると思います。またこれは「パイを増やす人」に関わってきますが、同じパイを増やすだけではなくいかに価値のあるパイを増やすかが重要になってくるかな、と思います。それがイノベーションかな、とも。このパイの定義はかなり面白いです。
クリスマスにポジティブになれる時間を提供して下さりありがとうございます。
http://cf.tomangan.org/memo/990131.htm
パンジャブ州では6万haが塩害に
緑の革命の結果、土壌の破綻に
一見すると、オキュパイウォールストリートは典型的な"パイの分け方"闘争に見えます。ネット上では既に散々言われていますが、「俺達は99%だ!」と怪気炎を上げているデモ隊の彼らは、米国では99%なのかもですが、発展途上国を含めた全世界では1%に当てはまるということで。彼らが抗議している先は、これまで搾取してきた発展途上国に、経済と富が移っている事へであって、天に向かって唾を吐く行為にしかみえません。あのデモを見ている新興国市民は何を思っているんでしょうか。
グローバル化が行き着くと、世界中での国による貧富の差がフラット化するのでしょう。先進国では"パイの分け方"に見えるこれらの抗議も、グローバルアウトソースの担い手となる新興国では"パイを増やす"行為です。ネット広告が増えても、それ以上に市場規模としては既存メディア広告は減っているのと、同じ事象でしょう。
世界人口は70億人、世界GDP総計が58兆ドル。一人あたりGDPが8300ドルというのは、ジャマイカやベリーズあたりの国々になります。これが先進国に与えるインパクトに世界は耐えられるのでしょうか。
パイを増やすのを助けるのは楽しそうですね。視点の起き方でパイの見え方も変わってくるのが興味深いところです。
アメリカでは、レーガノミクス以降、
下層の賃金は全然変わらないのに、裕福層の賃金は増えていることをご存知ですか?
途上国全体が上がり、先進国全体が下がるはず――が、先進国の一部の人々は上がってるんですよ。
確かに富は途上国にも移ってます。加えて、途上国だけでなく(それだけだったら良かったのですが)、先進国裕福層にも移っているんですよ。
どうして先進国庶民は、自分より豊かな人々にもパイを分けなければいけないのでしょうか。
私たち1人1人が有機的につながる「パイを分け合う人」になることが大事。
ひとりでも多くの人の食料を作るため、森を切り開き、モロたちを敵視し、シシ神を殺してしまう人たち。
分ける人とは、もののけ姫やアシダカのことになるのでしょう。
限られた分配を、増やすのではなく、効率よく満足するように努力する人たちです。
地球は今より大きくはならないことは確かです。
ですが、人口は増え続けています。
そのためには、現在の自然と呼ばれるところも、もっと生産高が高まるような前向きの努力が必要になります。
良きにつけ、悪しきにつけ。
小生は製造業の研究開発畑を長年経験し、今は技術管理の部門にいる者です。MIT Sloanも隣の席の同僚が短期留学したので知っています。パイを増やす人、分ける人という概念はシンプルでわかりやすいですね。いろいろなケースに適用できると思います。たとえばわが国のような資源小国では外貨を獲得する人がパイを増やす人でしょうし、TwitterやFacebookも新たな派生産業を創出したという意味でパイを増やしたと評価できると思います。一方、そのおかげで、労働生産性が急激に上がって、比較的単純な労働に必要だった労働人口が減ってしまうと、ある意味パイを減らしたことにもなるかもしれません。
さて自分個人としてはどうしたらパイを増やせるかがもっぱらの関心事です。なかなか良いアイデアがありません。
機会がありましたらまたよろしくお願いいたします。
単刀直入に言わせていただければ、議論する際の視野が狭いと思います。
例えば1aの土地があったとしてそこに工場を誘致し、年間1千万の売り上げがあり50年営業した場合、総売上は5億円。
同じ土地で野菜を作り年間100万の売り上げがあり、1000年続けば総売上は10億円。
緑の革命は一時的に農業生産量を上げましたが、化学肥料と農薬の多投による土地の荒廃で、その後の農業生産量は革命前と比べて激減しています。
また、グローバル資本主義の市場開放によって現地の人たちの地域に根ざした生活(農を中心とした)が破壊されています。
どちらも長い目で見た場合に、「パイを減らす」ことになっていませんか。
これからは「パイを守る」こと、生活する地域の環境を守ること、「パイを減らす」経済活動に加担しないことが重要だと思います。
どれかひとつに偏っている人なんて少数だ。
>現在の世界でもパイを増やす人はちゃんと報われてると思いますけどね。直接的なライセンス収入などなくとも、世界を豊かにした結果、『他の多数の人がパイを増やしやすくなり』、その多数の恩恵が回りまわって指数的に増大しつつ帰ってくるわけですから。
パイを増やす行為が報われているところでは、パイを増やすことが機能しているのだと思います。組織的不全を起こしているところは、この報われ機能が無くなってるのでは、と思ってるのですがいかがでしょう。
@Unknownさん
>増やす人、分ける人、食べるだけの人がそれぞれいるのは当たり前だし、「あなたは増やす人になりましょうね」なんて奨めるのもナンセンス。ご指摘の通り、「増やす人」には誰でもがなれるわけじゃない。増やす能力のある人が、それを驕らず、また、増やした物を独占せず、「能力のある者の義務」として分けることができる社会が理想ではいないか。
上のコメントへの返事にも書いたとおり、「分ける人」の存在は重要、ただ機能してない組織では「分ける人」だけが重視されてないか、というある種反語的な主張だったわけです。
おっしゃるとおり、増やす能力がある人がそれを活用するのが「能力のある者の義務」すなわち、ノブレス・オブリージュだと私も思っており、それがこの記事の前提になっていると思います。
ところでUnknownは多いので、次にコメントくださるときは名前をつけてくださると助かります
@kumasukeさん
>「パイを増やすこと」というのはとても良いことだと考えていたのですが、皆さんのご意見を見ていて、"おや?"と思いました。例えば、官僚は仕事を増やし続けており(天下り先組織作り等)、本来ならばほめられるべき行動ですが、批判されています。官僚全てが悪いわけではありませんが、これもパイを増やす(仕事を増やす)ことの悪い例ではと思います。
これは難しいですね。。以前どこかでTweetしたのですが、米国ではSOXなどの会計規制がますます厳しくなり、コストがかさんでいます。が、それが米国の会計士の雇用を支えているともいえます。日本は内需が減って、もし日本人が国内でばかり働きたがるのであれば、雇用を生むために非効率を生じなくてはならないかもしれませんね。今の民主党の政策は私にはそのように見えます。ただし、パイを増やす方法にも色々あり、国内で非効率を増やすよりは、外に出て成長市場を獲得する方に力を入れるほうが良いでしょう、という話だと思っています。
>台湾に行ってきて、学生達が自分達の意見を沢山言うことに面食らって帰ってきました。(中略)きちんとした議論ができ、考えることができない国であることは「パイを増やす」以前の問題なのかなと思います。
自分たちを非難して、向上しようと努力するのは日本人の美徳でもありますが、私はそこまで悲観しなくても良いのかなと思っています。Twitterやさまざまなメディアを使って(このブログも!)、私たちは色々と議論し、考えているのではないかと思ってます。
@Unknownさん
>みんながパイを増やす人になれば、奪わずに済むんだよ!気付こうよ!っていう前向きな話しですよね。刺さりました。現実に卑屈にならず精進あるのみ。
よかったです。そう、前向きな話しです。ところでUnknownは多いので、次にコメントくださるときは名前をつけてくださると助かります
@Unknownさん
>1.増やして、分ける人(経営者)2.増やすだけの人(労働者)3.分けるだけの人(利権集団)4.もらうだけの人(生ポ・ニート・老人・Z)この4種類がいるような気がする。
1と2を分ける意味ってありますかね?「もらうだけの人」がいると言う話は、他の皆さんの御指摘のとおり、賛成です。
ところで名前をください
@lucaさん
>lilacさんはブログの本は出版されるのでしょうか?素晴らしい記事が多くて毎度の事、感心しております。
有難うございます。ブログの本は出版しませんが、本を出版しようとは考えています。そのときにはきっと本名で出すんでしょうね、と思っています。
>パイを増やしたほうが良い分野と、分けたほうが良い分野それぞれがあると思います。エネルギーに関しては増やした方が良いかもしれませんが、医療と教育、食糧問題などの分野では、分けることがまず必要なことです。
そうですね。ただ、分野にもよりますが、状況にもよるので、医療、教育、食料だから分けるとはならないと思いますが。(まるでTPPの誘導尋問ですねw)
例えば炭鉱事故が起きた坑道で、だれにどれだけ医者の時間を割くかは「分ける」問題でしょうが、薬のイノベーションにより医者に通う時間を短縮できるなら「増やす」問題ですよね。TPPによって、現在日本の非効率な新薬認可システムが変わり、認可が全くされていない外資メーカーの薬や、遺伝子治療薬が承認されれば、大きく変わるところもあるでしょう。教育も同様だと思います。前にKhan Academyの記事で紹介したとおり。
@Unknownさん
>この記事を読ませていただいて、気になったのは「パイを増やす人」がパイを減らす可能性に言及していないことです。イノベーションを起こす、他のところに打って出ることはリスクを伴うはずだからです。孤島の例えを使わせていただくならば、「パイを増やす人」は、食料を増やすことを考えて行動したにも関わらず、食料を増やすことができずに、結果として余分な体力を消耗して余分に食料を消費してしまう可能性もあります。そのようなことから、私は、パイが減ってしまう可能性を「パイを増やす人」に考えさせることも「パイを分ける人」の役割なのではないだろうかと思います。
ありがとうございます。記事中にも書いたとおり、パイを増やすことはリスクを伴うと思います。リスクが大きすぎて、おっしゃるようにパイを損なう結果になるなら、リスクはとらないほうが良いかもしれませんね。ただ多くの場合、リスクを最低化し、リターンを最大化する方法は見つけられるのではないかと思っています。そう思っている夢想家が「増やす人」を志向し、現実的な人が「分ける人」を志向するのかもしれませんが。
あと、次からはお名前をくださいね。
@Ivyさん
>最近またお仕事がお忙しいのかな、と心配していました。今回の記事も含めて、こういったことを発して多くの方と意見を交換することに意味があるのだろうな、と感じています。そして私も読むだけでなく少しでも自分の考えを発してみようかな、と思えるようになりました。
有難うございます。全くおっしゃるとおりだと思います。私の記事は「問題提起」に過ぎないので、こうやってコメントを頂いて、議論は発展していきますし、私も学ぶところが多いです。
>何人かの方も仰っているように「パイを貰うだけの人」の存在も見逃せないですし、「パイを潰そうとする人」もいると思います。またこれは「パイを増やす人」に関わってきますが、同じパイを増やすだけではなくいかに価値のあるパイを増やすかが重要になってくるかな、と思います。それがイノベーションかな、とも。このパイの定義はかなり面白いです。
確かにそうですね。既に指摘があるように、パイの増やし方には色々あり、非効率を増やすことによる雇用の増加とか、既にあるパイを毀損するリスクだけが高すぎる増やし方とか、そういうものは出来るだけ選ばないようにする、というのは大切ですね。
@ソクラテスさん
御指摘有難うございます。なるほど「緑の革命」は一部では大規模な塩害を生み、失敗に終わったという話ですね。パイを毀損するリスクが高い増やし方は良くないですね・・
@大手町さん
>一見すると、オキュパイウォールストリートは典型的な"パイの分け方"闘争に見えます。ネット上では既に散々言われていますが、「俺達は99%だ!」と怪気炎を上げているデモ隊の彼らは、米国では99%なのかもですが、発展途上国を含めた全世界では1%に当てはまるということで。彼らが抗議している先は、これまで搾取してきた発展途上国に、経済と富が移っている事へであって、天に向かって唾を吐く行為にしかみえません。あのデモを見ている新興国市民は何を思っているんでしょうか。
私も個人的には同感ですね。オキュパイウォールストリートのうち、米国富裕層ではなく、移民やインド等へのアウトソースを問題にしている層は、残念ながら、既得権益者がパイを奪うなと言っているようにしか私にも見えません。
ただ、既得権益に守られた米国富裕層を攻撃するのは良いと思ってますけどね。彼らは一部を除いて新興国に富をもたらすわけでもなく、多くの場合晴れた日に傘を貸し出して儲けてるだけですからね。新興国が本当に欲しいのはそこではない。
>パイを増やすのを助けるのは楽しそうですね。視点の起き方でパイの見え方も変わってくるのが興味深いところです。
全くそのとおりで、視点を変えることで、パイを分けて解決するのでなく、増やしたり作ったりする方法は色々あると思っております。
@Unknownさん
>大手町さん、アメリカでは、レーガノミクス以降、下層の賃金は全然変わらないのに、裕福層の賃金は増えていることをご存知ですか?途上国全体が上がり、先進国全体が下がるはず――が、先進国の一部の人々は上がってるんですよ。確かに富は途上国にも移ってます。加えて、途上国だけでなく(それだけだったら良かったのですが)、先進国裕福層にも移っているんですよ。どうして先進国庶民は、自分より豊かな人々にもパイを分けなければいけないのでしょうか。
Unknownさん、先進国富裕層全てをいっぱひとからげにして批判するのは難しいかなと思っています。オキュパイウォールストリートは、そこを分けずに、自分たちから富を奪うもの全てを批判している、というところが問題かなと私も思ってます。
>緑の革命は資源を浪費した上で食物を増産しようとした点で不味かったと思われます。限りある資源を有効に使うための知恵の実を提供した例としては、今のところですが、『稲作革命sri』で紹介されているような風土と調和した農業様式の方が具体例として適切かもしれません。
有難うございます。緑の革命は失敗したというのが痛切なのですね。新しい事例を有難うございます。
@Unknownさん
>「パイを増やす人」や「パイを分ける人」など、一方的な存在ではなく、私たち1人1人が有機的につながる「パイを分け合う人」になることが大事。
パイも分け方が大切ですよね。全体の効率をよくする方向に分けられる人もいれば、分ける権力を濫用して、私利のために分ける人もいますしね。
あと、次から名前を書いてくださいね
@もののけ姫さん
>パイを増やす人とは、あの中では、烏帽子様のことですね。ひとりでも多くの人の食料を作るため、森を切り開き、モロたちを敵視し、シシ神を殺してしまう人たち。
それはどうでしょう?そういう見方も出来ると思いますが、後で指摘されてるように、自然を破壊せず、守る方法でパイを広げることも出来ると思いますよ。
@crapestickさん
>小生は製造業の研究開発畑を長年経験し、今は技術管理の部門にいる者です。MIT Sloanも隣の席の同僚が短期留学したので知っています。パイを増やす人、分ける人という概念はシンプルでわかりやすいですね。いろいろなケースに適用できると思います。たとえばわが国のような資源小国では外貨を獲得する人がパイを増やす人でしょうし、TwitterやFacebookも新たな派生産業を創出したという意味でパイを増やしたと評価できると思います。一方、そのおかげで、労働生産性が急激に上がって、比較的単純な労働に必要だった労働人口が減ってしまうと、ある意味パイを減らしたことにもなるかもしれません。
有難うございます。コメント大歓迎です。
この前の議論で既になされたように、パイの増やし方も色々ある、と言うことだと思います。労働生産性があがって、雇用が維持されない方向に行くなら、別の見方をすればパイを増やすための余剰労働力が出来たわけで、本来なら、パイを増やす方向に行くべきなんですよね。何を機軸とした見方をするか、が大切かと思われますね。
@31才さん
>単刀直入に言わせていただければ、議論する際の視野が狭いと思います。例えば1aの土地があったとしてそこに工場を誘致し、年間1千万の売り上げがあり50年営業した場合、総売上は5億円。同じ土地で野菜を作り年間100万の売り上げがあり、1000年続けば総売上は10億円。緑の革命は一時的に農業生産量を上げましたが、化学肥料と農薬の多投による土地の荒廃で、その後の農業生産量は革命前と比べて激減しています。また、グローバル資本主義の市場開放によって現地の人たちの地域に根ざした生活(農を中心とした)が破壊されています。どちらも長い目で見た場合に、「パイを減らす」ことになっていませんか。
そうでしょうかね?「パイを増やす」「パイを減らす」というのは非常にあいまいな定義なので、視野を広くするかどうかは、読み手の解釈によって変わると思いますよ・・・
日本だけに長くいると、「パイを減らさないように」という消極的な発想に行きがちですが、何をパイと見るか、によって増やす発想は可能だと思いますよ。そもそも、日本以外の国に出れば、日本の技術力などをつかって、パイを増やすことも可能ですし。例えば、グローバル資本経済によって、現地の人たちは農業から工業・サービス業中心の経済に移行し、新しくもたらされた技術によって、労働生産性があがっています。新興国の環境問題を引き起こさないよう、最新の技術を使った生産がなされている企業も多いです。
@Unknownさん
>世の中のほとんどの人は日々、増やしたり分けたり貰ったりしていると思いますけど?
どれかひとつに偏っている人なんて少数だ。
まあそうですね。この手の記事は極論ですから、そういう批判は可能だと思います。
ところで次からは、名前を入れてくださいね!
まさに、あるアフリカ女性が言う【もったいない】です。
過去のモノを再評価し、再利用すればコストもかからない上【温故知新】という化学反応でもっと素晴しい事が起こるでしょう・・・鹿児のアニメ作品で忘れられている名作多すぎる!!
> 下層の賃金は全然変わらないのに、裕福層の賃金は増えていることをご存知ですか?
過去30年間で、所得上位1%の伸びが278%なのに、21-80%の中間層は40%、下位20%の低所得者層は18%しか伸びてない件への指摘だと思います。
http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=828
> 途上国全体が上がり、先進国全体が下がるはず――が、先進国の一部の人々は上がってるんですよ。
> 確かに富は途上国にも移ってます。加えて、途上国だけでなく(それだけだったら良かったのですが)、先進国裕福層にも移っているんですよ。
> どうして先進国庶民は、自分より豊かな人々にもパイを分けなければいけないのでしょうか。
得そこねた中間層の所得は、大半が新興国に移っていると捉えていますが、ご指摘のように先進国中間層から新興国シフトを実行した先進国富裕層にも一部は移っているでしょう。
「金持ちを許せない」という気持ちは分かりますが、それでは何も解決しませんし、経済をドライブさせている富裕層が逃げ出すだけです。米国なら記事で指摘のように、ある程度の税による所得の再分配効果も機能しています。その上で、先進国諸国民は根本的な富の偏在の一翼を自分も担っているのに、更にその中で富裕層に標的を見つけるのは自分達の行為を忘れた奇異な行為に見えます。
仰る通り、パイを増やさないといけませんね。緑の革命は偉大だった。抗生物質も、ハーバーボッシュ、トランジスタ、インターネットも偉大ですよね。それ以外にも数多く偉大なものはありますね。
科学者(技術者?)の端くれとしては、地道な技術の改良と価値を生み出す使いどころを探すことを頑張らなきゃいけないと思ってます。
ちなみに今は、某独立行政法人の研究員をやってます。